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エルピス  作者: シャトル
13/15

13話



「あー…退屈退屈…」

「まぁ実質私達おまけで着いて来てるようなもんですから…仕方ないですよ。ここもあくまで三領土の集会所みたいなもんですし…」

「まぁそうだけど」

「そういえばセラさんってなんで今日はこちらにいるんでしたっけ?私は国王陛下に御目付け役として着いてくるように言われたからですが…」

「は?何?アタシがお母様と一緒に着いていっちゃダメっての?」

「い、い、いえ!別にそういう訳じゃ…なんか…癪に障ったのならすみませんでした…」

「いい?アタシはお母様の1番の娘でお母様の力を継ぐ者でもあるの。だからお母様ともっと接して色々と勉強する必要があるの。だからアタシはお母様の傍にいるの。分かる?」

「あはは…す、すみませんでした…」


ったく…コイツなんなの?ヘコヘコして。もっとシャキッとしなさいよ。…見た目とか…色々と可愛いとこあるんだから…



メインの会議が終わって、アタシはこのエルシアってやつと一緒に宮殿の外で待っていた。そういやシキのやつ何処に…ってああ…()()を取りに先に行ったんだっけ…?


っとそんな事を考えてたら宮殿からお母様達が他所の王様達と一緒に出てきた。そしてレイ・エルピス…今回の主役も。帝国のヤツらは…そういやさっき先に帰ってたんだっけか。


「待たせましたね二人共。少し我々の今後について少し話をしてましたら長くなりましたね」

「そんな事ないわお母様!」

「コード陛下。アンダルシアさん」

「すまないね。御目付け役なのに、ほぼ外で待たせるような事になって…」

「いえいえ。もし外で何かあって会談が中止なんて起こったら大変ですし」

「ふっ…悪くない姿勢だ。騎士として、その心構えは大事にするんだぞ」

「ありがとうございます。アンダルシアさん。レイはどうだった?」

「はい。なかなか有意義な時間になったと思いました」


お母様達の前なのに…結構余裕ぶってるわね…この女。


「それでお母様。これからコイツはどうなるの?」

「セラ。人をコイツ呼ばわりは控えなさい」

「あっ…ご、ごめんなさい…お母様…」


お母様を怒らせちゃった…反省しないと…お母様が不機嫌になるのは…嫌…


「で…どうなるの?」

「これから彼女は当分は我々の領土で預かる事になる。そこの彼女…騎士エルシアと共にな?」

「へ?」


このヘコヘコ女も?


「そうなんですか陛下?」

「ああ。我々の技術では恐らくレイについての解析や次元転移については厳しいと判断した。故にソフィア殿下の元で預ける事にしたんだ」

「もちろん我々の使者兼御目付け役としてお前は同行することになったがな。そこは突然になってすまないが、悪いがソフィア殿下と共に着いて行ってくれ、エルシア」

「ご命令とあらば。あ、でも私…何も用意とか…」

「それならばこちら側で手配しよう。必要なものがあれば言ってくれ。もし王国側にしかないのであれば、運搬も協力しよう。レイとエルシアの部屋も手配するよう部下の者に指示しておく」

「そこまでしていただけるなんて…なんだか申し訳ございませんが…ありがとうございます」

「この程度造作でもない」


お母様…なんてお優しいのかしら…。この女もっと感謝しなさいよ…!


「では僕らはこれで。あまり長く王国不在の状況は帝国に有利な時間を作ってしまうからね。エルシアとレイをよろしく頼む」

「心配するなコード。なるべくヤツらに手が渡る前に事を終わらせるよう努める」

「そういえばそちらはどうやってお帰りに?馬車が見当たらないようだが…」

「ああ。それならば直に…」


と、ちょうどいいタイミングでシキが()()に乗ってやってきた。


「おや。アレは…」


お母様の会社のカルシファーが作った最新の乗り物。馬も要らない魔力で動いて操縦する新しい乗り物…それが


「ああ自動車ですね。この世界にもあったんですね。しかもリムジン…」


そうそう…ってはぁっ!?


「え、アンタあれ知ってるの?あれはお母様の会社で最新の魔導力車なんだけど」

「ええ知ってますよ。動力は分かりませんが、私たちの世界では電気やガソリンっていう燃料を使って動かしますね。こちらでは普及されてますけど、こちらでは貴重なものなんですね。」


え、嘘…かなり凄い乗り物なのにそんなのが当たり前にあんの…?なんなのコイツがいた世界って?


「ほう…なかなか興味深い事を聞いたな。ぜひこちらの領土で色々と聞かせてもらおうか」

「こちらこそ。そちらの科学技術がどのようなものか気になってましたしね」


お母様…ウキウキしてる…


「あー…すんませんけど、そろそろ出発したいんっすけど、いいですかな陛下?」

「ああ、すまない。シキ、そこを変われ。私が運転する」

「いやいや陛下が運転しちゃカッコつかないでしょ?ここは俺がキチンと責任持って…」

「……………」


お母様がシキをじぃ〜っと見つめてる…


「いやそんな目で見ても変わんねぇっすからね!」

「チッ…仕方ない。皆、車の中へ」

「……娘の前でカッコつけたいのは分か…痛っ!?」


何を言おうとしてたのか聞きそびれたけど、お母様に言われて車に入ろうとしたら、なんかシキがお母様に思いっきしグーで殴られてた。






全員魔導力車に乗ってアタシ達の領土、ルファへと向かって進む。これからどんなことが待ってるのやら…。このレイって女…掴みどころがないヤツだけど…まぁ少なくとも退屈はさせてくれなさそうね…


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