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5月 ― 初夏のきらめきⅡ
立てば芍薬 座れば牡丹
昔から詠われる美人の代名詞となる華。
まずは芍薬から、どうぞ。
ちょっと珍しい一重の芍薬
憂い顔でも美人です。
続く牡丹は、花の王。
最近聞いたばかりなのですが、牡丹も芍薬も、強い西日が苦手だそう。
「美人は西日に当てちゃあなんねぇよ」
そういえば昔、近所の畑で牡丹・芍薬・シャクナゲ・アヤメなど、
様々な花を育てていたおじいさんがよく言っていました。
今思い返してみれば、あの畑の牡丹・芍薬は西側に藤棚を配して植えられていたような。
因みにここで言われた「美人」は花ではなく、当然私でもなく、私が連れていた先代犬でした。
西日を受けてピカピカに光っているやんちゃな大型犬に、いつも「美人さんだねぇ」と優しく声をかけてくれました。
先代犬が亡くなって夕方の散歩に行かなくなり、しばらくおじいさんにも会わずにいるうちに、いつしか花畑は瀟洒なアパートに変わっていました。
そんな記憶をたどりながら、あのおじいさんはお元気かしらとふと思いました。




