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「また送ってもらってすいません、あきらさん。」
「気にしないで。」
僕らはコンビニを出て、二人並んで歩きながら、彼女の家に向かう。
二人の会話が途切れ、少し時間が経った後にみゆちゃんがポツリと話す。
「以前、送ってもらった時は急に変なことを聞いてすいませんでした。」
「以前って……、ああ、あのとき。いやいや、気にしてないよ。」
僕は瑠唯と街で遊ぶきっかけにもなった、先日、みゆちゃんを今日と同じように送っていった夜のことを思い出す。
「あの時は家の事情もあって、少し勘違いしてて……。本当にすいませんでした。」
「うん、気にしてないから、大丈夫だよ。」
繰り返し謝ってくるみゆちゃん。
「……少しは知っているんですよね、あきらさん。あ、いえ、詳しくは聞かないです。るりちゃんからも私の事情には関係ないって聞きましたし。」
「え、うん。」
僕は瑠唯に聞いた話も思い出しながら、返事のみを返す。
彼女は「そうですか」と返した後に少し間を置いて「うん、これ以上は聞きません」と言って話を終わりにした。
◇◇◇
あれから彼女とは明るい雰囲気で学校のことなど世間話をしながら、歩いていた。
「それにしてもあきらさんに送ってもらって、るりちゃんに悪いです。」
「え? なんで?」
「だってあきらさん、るりちゃんとお付き合いしているんですよね。エリザさんに言われたとはいえ、それを二人っきり送ってもらうなんて。」
彼女は横目でこちらをちらりと見ると申し訳なさそうにする。
「え? いやいや、瑠唯とは付き合ってはないよ。」
僕は慌てて否定する。
それに遊びに行ったのはあの一回が始めてて、しかも、会った理由はそもそも、みゆちゃんのことで相談だった。
「え? そうなんですか? でも、るりちゃんのあの様子は間違いなく……。それに呼び方も名字から名前に変わってますし。」
その後、考え込む。
「いえ、なんでもないです。それであきらさんは付き合っている人はいるんですか?」
彼女は上目遣いをして、僕の隣からを見上げるように見てくる。
「う、ううん、いないよ。」
僕は彼女の仕草にドキリとさせられながら、答える。
「ほうほう、そうなんですかー。」
彼女はすっと離れて元の位置に戻ると、ドラマで探偵がするように顎に手をあてうんうんと頷いていた。




