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少しフライングです。

二人歩いてコンビニに向かい、到着すると準備する。


忙しいながらも、手際よく仕事を行う。


僕がレジで対応するために準備していると、横からみゆちゃんが、「商品の補充と整頓しときますね」と言って、棚の方に向かった。


先日までの少しギクシャクした雰囲気は嘘のようになくなっていた。


◇◇◇


どうやらシフトの交代の時間が近づいていたようで、エリザさんがやってきて、声をかけてくる。


「よーす。」


「「お疲れさまです。」」


僕とみゆちゃんがそろって返事する。

エリザさんは僕とみゆちゃんを交互に繰り返し見た後、何か納得したようにうんうんと頷きぼくを見た。


「上手くやったみたいだね。」


「いやいや、何もしてませんよ。」


「そうですよ。ね、あきらさん。」


みゆちゃんが横から助け船?を出してくれる。


それを見たエリザさんは、みゆちゃんをニヤニヤして見ていた。


「もう、何ですか、その目は!」


みゆちゃんはエリザさんに文句を言うも、彼女は分かっているといった風に、頷きながら奥に入っていった。


「もう! 何なんですか。ね、あきらさん。」


「あはははは……。」


同意を求めてくる彼女に、僕は巻き込まれまいと、笑って誤魔化すことにした。


◇◇◇


シフトの交代の時間になり、エリザさんが店に出てくる。


みゆちゃんは帰宅の準備をするために入れ代わるように店の奥に入っていった。


エリザさんがこちらに近づいてくる。


「以前とは雰囲気がガラリと変わったね。本当に何をやったんだい?」


「ほんとうに何もやってませんよ。少し話をしただけです。」


「そうかい。まあ、いいや。やり過ぎてどっちかに刺されないように気を付けなよ。」


「何いってるんですか、そんな昼ドラみたいなことはしませんって。」


僕はエリザさんに苦笑いしながら答えた。

そうこうしていると、奥からみゆちゃんが出て来て、エリザさんと僕に挨拶してくる。


「お疲れ様でした。後はお願いしますね。あきらさんもまた。」


「うん、そうだね。」


僕も挨拶を返していたところ、いつの間にか横にすすっと近づいていたエリザさんが僕の足を踏んできた。


「ぐっ。」


思わず顔を歪める。

レジの前にいる僕たちの足元は、真向かいにいるみゆちゃんから見えず、彼女は僕の顔を見て不思議そうな顔をする。


「あきらさん、どうしました?」


「な、なんでもないよ。」


そう返したあと、エリザさんを見る。

(何するんですか!)そう思いながら。


彼女はニコニコしながら、僕を見ており、ちらちらとみゆちゃんの方に目をやる。


僕もみゆちゃんの方を見ると、彼女と目が合う。


「えっと……、お、送っていこうか?」


答えは合っていたようで、エリザさんは踏んでいた足をのけてくれる。


「え? えー悪いですよー。」


みゆちゃんはうれしそうにしながらも断る。


「送っていってもらいなさい。」


エリザさんからも言われて、彼女は少し考えた後、遠慮気味に答えた。


「……えと、それじゃあ、お願いできますか、あきらさん。」

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