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45話目となります。よろしくお願いします。
僕はやって来たサンドイッチを食べながら、ちらりと瑠唯の方を見ると、彼女は先ほどまでの真面目な顔から一転し、嬉しそうにパフェを食べていた。
少し柄の長いスプーンで掬ったアイスを口に入れようと口元に運ぶ。
そのまま見ていると、視線を感じたのか口を開けたままの彼女と目があった。
彼女はこちらを見た後に、恥ずかしそうに顔を俯け赤くなった。
「あ、あの、先輩、どうしました? そんなに見られると恥ずかしいんですけど。」
「あ、いや、美味しそうに食べるなと思って。」
以前の付き合いからは想像しなかった姿だったので、思わず見いってしまっていた。
彼女は顔を赤らめたまま、すこし横を向いて目を逸らすと、軽く咳払いしてこちらを見た。
「……それは私も女の子ですから。」
「ははは。うん、そうだね。気にせず食べてよ。」
そう言うと彼女はむーっと顔を少し膨らませた後、黙々とパフェを食べ始めるのだった。
◇◇◇
彼女は切りの良いところまで食べ終えたのか、顔を上げてこちらを見た。
先ほどまでのことはなかったかのようにキリッとした顔をしているが、残念なことに口元に着いたままのクリームが、台無しにしていた。
僕は自分の口元を指差してそのことを瑠唯にそっと教えてやる。
彼女は慌てて横に置いていた小さな鞄から化粧用であろう小さな鏡を取り出すと、口元を確認する。
再び顔を赤くして俯いた後に、急いでハンカチを取り出すと、口元を丁寧に拭うのだった。
彼女は再び鏡で口元を見て、先ほどより念入りに確認する。
問題なかったのか、彼女は静かに鏡を鞄にしまうと目を閉じたまま軽く咳払いした。
「おほん。先輩、それでは改めまして、説明しましょう。」
これまでの様相から、真面目な雰囲気は台無しだったが、僕はそこには深く突っ込まないことにした。
「それでは、この土地とこの土地を管理する旧家のことをお話ししましょう。」
そして、ようやく瑠唯の説明が始まるのだった。
いつも読んでいただきありがとうございます。
この小説はシリアスとラブコメを繰り返していくのですが、みなさん、どちらがお好きなんでしょう。
ちなみに作者は好きなのはシリアス、筆が走るのはラブコメです。




