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「よし、これにしよう。」


僕はあまり重たいものより軽めのものを選ぼうと思いサンドイッチを選ぶことにした。


瑠唯の方はウーンと唸っており何にしようかとまだ悩んでいるようだった。


「何で悩んでいるの?」


「へ?あ、先輩。エーっとあのですね......」


彼女は言い淀む。


彼女の見ているメニュー表を見ると、目線は紅茶とデザートとを行ったり来たりしており、よく注意して見ると、おすすめのパフェのページで止まる時間が多かった。


(これはあれね。)


(あれってなにさ。)


相棒が心の中で知った風なことを呟く。


(瑠唯は悩んでいるのよ。アキラの前で欲望のままにデザートを食べるべきか、ちょっとおしゃれに紅茶にしてアキラへの印象を良くするべきかを!)


(いやいや、って言うか、お前が瑠唯の心の内を話したら、悩んでいる意味がないんじゃないの?)


(……。)


僕は無言になる相棒を放っておいて、瑠唯に助け船を出すことにする。


「えと、そのパフェが食べたいの?おいしそうだよね。」


瑠唯は、はっとこちらを見る。


「そ、そうですよね。その美味しそうで。」


「うんうん。僕もパフェ好きだよ。」


「え?そうなんですか、先輩も……。それじゃあパフェにしようかな……。」


僕は彼女が決めたのを見て、ホットひと安心する。


(よくやったわ、アキラ。)


(はいはい。)


相棒の労いを軽く流して返事する。


僕は周りを見渡し、店員を見つけると手をあげこちらに呼ぶと、注文することにした。


◇◇◇


料理が来るまでの間、今日瑠唯とあった目的の話を始める。


「えと、それで電話でした話なんだけれど……。」


彼女も先程までの様子とは違い真面目な顔をしてこちらを見ると、話に集中する。


僕は昨日みゆちゃんを送っていった時のことを、様子も交えて丁寧に説明する。


話終えると、彼女は少し考える素振りをみせた後、改まったように話し出した。


「そうですか……。先輩には何をどこまで話すべきか悩みますが、とりあえずは魅幽の家のことを話そうかと思います。」


僕も彼女の話に注意しようとした時だった。


「お待たせいたしました。ご注文のパフェと、サンドイッチになります。」


タイミング悪く店員が料理を持ってきた。


瑠唯はこちらを見て苦笑すると、店員からパフェを受け取る。


「先輩、先に食べましょうか。」


「そうだね、僕もお腹が空いたから先に食べようよ。」


そう言うと、まずは腹ごしらえをすることにしたのだった。

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