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少し早めに投稿。

今回は榊視点になります。

男の足下に刺さった矢を見て私は思わず叫ぶ。


「ああもう、当たらない! 」


(落ち着きなさい、私はそこらの普通の弓とはちがうの。いい、当たることを想像して射ちなさい。そうすれば私の力で矢は自ずと当たるわ。)


ノーツさんの声を聞いて一呼吸して落ち着く。

そして、私はあの男に当たる矢を想像し放つ。


矢は男からは少し外れた方向に飛ぶ。外れることを見切った男はこちらを見てニヤリと笑う。


私はそれを見て気持ちが掻き乱される。


(あ、ばか! 集中してなさい!)


言われた私は、はっと心を持ち直し、当たると思い直す。と同時に矢は何かに引き付けられるように、その方向を男へと変えた。


「なっ! 」


男は驚きながらも即座に体を剃らす。キュンっという音とともに矢は曲がり男の体を擦って地面に刺さり、光の粒になって消えた。


「ま、曲がった! 」


外れたものの、私の常識ではあり得ない動きをしたその矢の軌道に驚く。


(驚いてないで次行くわよ。さっさと準備なさい。)


ノーツさんに言われるがまま、急いで次の矢を放つために集中する。


弓を持ち、何もない手に矢を持つような格好をして力を込めると、その手に矢が現れる。


(射ちなさい。)


「行け!」


私はノーツさんの声を聞くと同時に矢を射つ。


使いなれない弓から放たれた矢は男より僅かに逸れつつ飛んでいく。


(想像しなさい、その矢が当たる光景を。)


私は現実をねじ曲げ、矢が男をい抜く姿を想像する。


すると矢はまるで意思を持つように自らカーブを描き、男にの方に向きを変える。


男は矢が曲がると流石に予想できたのか、先程より余裕をもって避け、男はこちらをバカにしたように見た。


「ちっ!」


私は舌打ちし、当たらないことに苛立ちながら、その矢は諦めようとした。


(何を諦めているの、ここからが本番よ。私も少しだけ手伝ってあげるわ。)


すると、矢は再び軌道を変え、男に向かう。


「な、なに!」


男が避ける度に矢は曲がり、その向きを変え続ける。


(ふふふ、上手に避けるじゃない。この神弓 アグール・ノーツの力、少しだけ見せてあげるわ。)


次に男が避け矢が曲がる時、二つに分かれ、各々が別の起動を描き始めた。


今度は二つの矢が男に遅いかかる。榊の血を引き、身体能力が普通の人より高いとはいえ、さすがに数を増やし襲いかかる矢には無理があると言えた。


(さあ、躍り続けなさい、足を止めたときがあなたの終わり。)


矢は更に数を増やし男に襲いかかる。その光景を私は唖然と見ていた。

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