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いつもありがとうございます。
珍しく朝にスマートフォンの目覚まし音が鳴り響き、ふとんの中から伸ばされた音が消え、少し時間がたつ。
「うぅ……、はっ!」
気がつき時間を見て慌てる。
「やばい、寝過ごした! 早く準備しないと。」
(アキラ、なに寝過ごしてるのよ。)
(起こしてくれてもいいじゃないか。)
(いやよ、私はあなたのお母さんじゃないし。それにふとんの横の四角の箱が起こしてくれてたじゃない。)
(四角の箱? あぁ、スマホか。)
(そう、それ。アキラの世界はよく見れば面白そうなものがたくさんあるわね。それは魔道具かしら? でも、魔力が感じられないし……。)
そんなことを考え始めた彼女に構ってはいられないので、放っておいて急いで準備を始める。
◇◇◇
準備を終えた僕は、アパートから出て、榊と待ち合わせの場所に向かう。
待ち合わせの場所に向かうために、電車に乗り住んでいる場所から2つ隣の駅て降りる。
降りた駅から出るとそこは、比較的高いビルが立ち並び、街行く人の数も多い、都会的な場所だった。
時間を見ると約束の時間の少し前。間に合うと思い、近くの待ち合わせ場所に急いで向かう。
そこにはすでに榊が待っていた。
彼女は僕に気がつき、少し笑った後にむっとした顔になった。
「弓取先輩、女性より遅いのはどうかと思いますよ。しかも、約束の時間ギリギリじゃないですか。」
「えっと、ごめん。」
「先輩、私を見て何も思わないんですか。」
改めて彼女を見ると、白いワンピースの可愛らしい格好をしていた。ただ、片手には、先日見たのとは違う可愛い袋に入った、刀と思われる棒を持っており、場違いな感じを出していたが。
「か、可愛らしい格好だね、榊。えと、その袋もね。」
「うんうん、先輩もやればできるじゃないですか。 それに、目の付け所がいいですね。見てくださいここ。かわいい人形が付いてるんですよ! 」
少しだけ顔を赤くしながら、矢継ぎ早に話した。
もっと暗い状況を想像していた僕は、想像と今の状況のギャップに驚き、心の中でどうしたものかと悩んでいた。




