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フレアが帰ると(ユーデル視点)

今回はユーデル視点です。短いです。

先ほどフレアとの婚約を終え、僕はフレアを家に帰した。


あらためて僕は思った。フレアが変わったと。

僕は一度だけフレアに会ったことがある。

出会いは二年前。


僕が5歳の時だった。

その日は王家主催の子供達が集まるお茶会があって、それに僕は参加させられていた。

父上や母上は気に入った子を婚約者にすると言っていた。

表向きはお茶会なので、少ないが子息もいた。そのお茶会にいるどの令嬢でも婚約者にすることが出来るように、爵位は伯爵から公爵までと決まっていた。


この国は一夫一妻だから選ぶのは一人。

あの時の僕はそれが嫌で、媚を売ってくる自己中な令嬢達を撒いて人気のない場所に行った。


そこには白銀の髪にアメジストの瞳を持つ令嬢がいた。

彼女は僕に気付くと小さく震えていた。

彼女は震えながらも淑女らしく自己紹介をした。彼女はなんと公爵家の令嬢だった。


公爵家の令嬢ならもっと我が儘に育っているはずなのに、あの時の彼女はおどおどしていた。僕も自己紹介をしたのだが、家名を言わずに下の名前だけを言った。

彼女は僕が王子だと気づいていないようだったから。


フレアと話してみると彼女は人見知りで、僕に挨拶も出来ず人の少ない場所にずっといたのが分かった。

彼女はあまり僕と目を合わせてくれなかったけど、媚を売ってこない彼女は一緒にいてとても楽だった。

僕が今日のお茶会の事を話すと、とても嫌そうな顔をしていた。

聞きたくなかったのかと僕が聞くと思いもしない言葉が返ってきた。

『ユーデル様も大変なのですね。よろしければ終わるまで私とお話していましょう。私は、人と話すのが苦手なのであまりいい話し相手にはなりませんが、それでも良ければ…どうぞ。』

苦手なのにわざわざ人の事を気にして話し相手なるなんて彼女はとてもお人好しだと思った。


話していると楽しくなってきて、色々な事を彼女に話した。時々笑ってくれて、それも嬉しかった。

結局僕達はお茶会が終わるまで話していてた。


僕は彼女の事が気に入って、彼女を婚約者にしたいと父上と母上に言ったら『いいよ』と嬉しそうに言っていた。


そこまでは良かったのだが、彼女の父親が婚約するのに条件を出してきて、それを達成するのに二年かかってしまい今日やっと婚約となった。


異変を感じたのは彼女を助けたときからだった。フレアは王宮に行く途中に誘拐された。

されたと思っていたのに彼女は逃げて助けを呼んでいた。

そんなことを、彼女が出来るわけないのだ。7歳という年で誘拐にあったなら普通逃げられない。

それを彼女は成し遂げたのだ。彼女が助かって良かったと思う反面、逃げ切った彼女に驚いた。それだけではない。

彼女はおどおどとした雰囲気が抜けていた。

そしてよく笑うようになっていた。 記憶喪失になってしまったのかと一度考えたがそれはないとすぐ分かった。

それ以外何も変わっていなかったのだ。

嘘がつけないところとか、話し方とか、目を合わすのが苦手な所とか、僕に媚を売ってこない所とか。そんな彼女は希望に満ち溢れていた。


前の彼女も好きだったが、今の彼女の方がもっと好きだ。彼女は変わった。

いい意味で。ただ面食いな所があるみたいだ。


だからあまり目を合わせてくれないのだろうか。フレイリアの事をフレアと呼ぶことに許可を貰ったとき、それが特別な気がして嬉しいと思った。


思い出していたら顔が緩んでしまい、その顔を父上に見られてとても恥ずかしい。


にやにやしないでくれ。羞恥に煽られながらも、もっと彼女と仲良くなろうと決心したのであった。 




総合評価150越え、ありがとうございます。今回やっとフレアの髪色と瞳の色が分かりました。白銀にアメジストです。これからもよろしくお願いします。

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