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たった一人

作者: 月白 深夜

ずっと、曇り空みたいな、曖昧な灰色を抱えている


たくさんの色が渦巻いて絡まって

やがて冷えてしまったような灰色


乾いているのに湿っていて

湿っているのに乾いている

一滴の水を待つような渇望と

一人分の体温を抱きしめるような怠惰が

胸の底にうずくまって

灰色の瞳でわたしを見つめた


わたしの中から一つずつ

わたしを取り出していって

単色のわたしたちになれたら


たった一人のわたしの中に詰め込んだわたしたちがひしめいて

真ん中は灰色に隠されてしまった


永遠にこのまま色褪せていくなら、わたしは何になるんだろう


たった一人のわたしは

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