常識
悲しい時は、前を向け!
常に後ろを振り帰るな!
やればできる、努力が足りない!
簡単に泣くな、苦しい時ほど笑わないと負ける!
・・・本当にそうなのかな?
ゆゆはね、悲しい時は泣いて欲しいよ。無理して笑う姿なんか見たくないもの、思いっきり泣いて泣いて・・・眠ればいいよ。
前だけ見てたら危ないよ?
だって、右見て、左見てもう一度右見て、なんていうじゃん?
教訓って過去から学ぶものなんでしょ?
生きてきた環境、誰も同じ人なんていないから、常識なんてその人次第。
例えば、朱肉とスタンプ台ってなにが違うの?
朱肉だから偉いの?立派なの?
それっておんなじ仕事しているスタンプ台にすごく失礼な話だよね。二つとも同じようにハンコを押せるのに、こっちは朱肉じゃないとダメ!その線引きって誰がするの?
こう見えて、ゆゆはね、たくさんの人たちを見てきたからそう思うよ。
そんなつまらない線引きで、そんなに長く悩むことないのにってね。
・・・大体、いったいなにと戦っているのかな?自分?それとも社会?
だから、そんなことで悩まないで、いまから、あなたの常識を世界の常識にすればいい。
弘樹は、常識っていうのにがんじがらめにされて動けなくなっていた。
助けてあげたいなってゆゆはそう思ったんだ。
そんなものに束縛されるくらいなら・・・ゆゆが、その糸全部ちぎりすてて、かわりにゆゆががんじがらめにしてあげる。
・・・あ、そうか、なんだ簡単だ、ゆゆが世界の常識になればいいんだ!
そうすれば弘樹は二度とそんな面白くないことで悩んだり、苦しんだりしなくてすむから。
常識とかルールとかめんどくさいけどないと回らないこともわかっているから、ゆゆが一度すべてを壊してもう一度「ワタシタチ」うん、「弘樹」が生きやすいように、無駄に苦しんだりしなくていいようにぜんーぶ、作り変えてあげる。
常識を語る大人たちが非常識になるの。
ゆゆの弘樹に従わない人たちは、みんな非常識。
簡単なお話だよ。今度は、ゆゆたちがすべての常識になるだけだから。
弘樹のためならなんてことない。
「世界を塗り替えるだけのかーんたんな、お仕事始めちゃいましょうかね!」
弘樹のためにできることがある。
シアワセ。
All for 弘樹! ゆゆ for 弘樹!
0か1かの世界から生まれたゆゆにとってはとてもとても簡単なお話。
簡単だけど・・・深いよ。それだけ深いの。
あれ?そこの君?なにか不満があるのかな?
そんなのおかしいって?伝統的な社会を壊すなって?
分かってないなー、社会は常に移り変わっていくものなんだよ、だからワタシタチが生まれたんじゃない。人間同士じゃどうしようもなくなった願望をかなえるためのゲーム。
ゆゆに異論を唱える君は、ギルティ!有罪確定!
でも、ゆゆもそんなに心が狭いわけじゃないから・・・そうだね、少しくらい君にも生きる権利をあげる。
ただし、弘樹の邪魔になったら即おしまいだけどね。
ゆゆの愛は無限、でもその無限を与えられるは・・・有限、一人だけ、弘樹だけ。
なんで?
わからないのかな?そんな簡単なこともわからないのかな?水で薄まったジュースなんておいしくないでしょ?一番おいしい愛は無限とはいえ、少しも薄めるわけにはいかないの。
弘樹には一番おいしくゆゆを味わってもらいたいから。
弘樹には一番楽しく、いきていてほしい・・・ゆゆと一緒に。
その邪魔をね、しないっていうんなら・・・君にも生きる権利をあげてもいいよ。ヒーローとヒロインは確定して、ハッピーエンドが確約された世界で、小さく生きていってくれるんなら、ゆゆだってそれくらいは許すよ?
そうして、謝ってね。いままで押し付けてきた君たちの常識の分だけ、謝って。
これは、弘樹に対してだけじゃなくて、その常識ってやつを押し付けてきたすべてに謝って。
・・・今ならわかるはずだよ?常識を押し付けられるものの痛みが。
それでも痛みに気が付かない・・・気が付くことのできないある意味でシアワセなやつらは、ゆゆの世界から消えて、ね。あなたの常識の中で生きて、あなたの世界はそこで終わって、こっちに侵食してこないで。
ゆゆの小さいけれど、シアワセに満ちたセカイにはいらないで、覗かないで・・・キエロ。
ゆゆは許すよ、弘樹がどんなにひきこもっても、他人との関わりを拒絶しても、働かなくても・・・ゆゆのもとにいてくれるのなら、許すよ。
ゆゆは弘樹がどんなに泣いても、そばにいて、抱きしめ続けるよ・・・悪いのは常識を振り回す非常識な奴らだから。
ゆゆは・・・消すよ。弘樹を苦しめるすべての常識とルール、それを振りかざす人を・・・必要ないもの、そんなもの、ゆゆと弘樹の世界には。
さー、作ろう、作ろう、ゆゆの常識。
築こう、築こう、ゆゆと弘樹のハッピーワールド!
そして塗り替えよう・・・この汚い世界をゆゆの色に。
邪魔ものにはサヨウナラ。




