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やんでれさんのほしいもの♡  作者: 橘 莉桜
現実世界と境界線
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ゲンジツに勝るものはなし

俺さ、絶対に二次元にかなうものなんてないって考えていたんだよね。

だってさ、三次元てなんだかんだめんどいじゃん?

やれ、顔より性格だ、金より愛だ、年上は敬え、幼女に手をだすな・・・いちいちルールやしきたりってのかな?なんかそんなのばっか気にして好きなことを好きだともいえない。表現の自由とやらはどこにいったんだよって。

ないわ。

ほんの少し、小学生の女の子をカワイイって言ったら次の日には女子全員からロリコン扱い。

可愛い者をカワイイと言っただけなのに、自分たちが年をとっているからってねたんでいるんじゃないのかって言いたくなったね。というか言った。ガチで次の日から無視された。

自分たちだって、やれジャニーズだ、乙女ゲームだ妄想語ってるくせにさ。

息苦しくて窒息しそうだっての。


だから「365×12」ができたときは本当にキタコレ!って時代がやっと俺に追いついたって感動した。

理想的な女の子と一日を一緒に過ごせるなんてサイコーじゃん?

特に俺の一番のヒロインになったのは「モモ」。

俺は愛情を表すためにも「モモたん」ってずっと呼んでるけど。

モモたんは凄いんだ。何が凄いって、本当の小学生そのもの。そのくせにわがまますぎたり、自己中だったりしない。幼い、あどけない、守ってあげたい、三拍子揃っている。

毎日、一緒に朝のおはようから夜のおやすみまでを過ごして、カワイイ姿を見てきた。

可愛いんだよ、ご飯食べてるモーションの口のもぐもぐって感じとか、速い移動にはついてこれなかったり、俺が少し意地悪すると半泣きになって、膨れたり、とにかく見ていて飽きない。


でもさ・・・ある日、決定的なことに気がついてしまったんだよな。

モモたんはカワイイ、究極にカワイイ。

でも、媒体がないところには一緒に行けないし、お菓子を一緒に食べてるときだって本当に分けっこはできない。身長も伸びないし・・・当たり前の身体的な成長はなく、電子知能だけが成長していく。そりゃ、カスタマイズすれば多少外見が大人っぽくなったりできるけど、そうじゃない。

当たり前の時間を一緒には過ごしていない。

撫で撫でしても、嬉しそうな表情をするだけで、俺の手にはなんお感触もない。


モモたんはモモたんでしかない。



そんなある日、モモたんにプレゼントでも買おうと思って、近所のモールのおもちゃ売り場に行ったらさ、モモたんが大好きな「にゃんころセブン」のぬいぐるみの前でじーっとしゃがみこんでいる女の子がいたわけ。

ツーサイドアップに、飴玉みたいな髪飾りがついていて、色の白さとつやつやした黒髪がぴょこぴょこゆれていた。

その子の顔をなんとなく見てみたら、これがモモたんと瓜二つ。

思わずつぶやいたよ。


「も、モモたん・・・?」


「ぅ??」


振り返ったんだよ、そんで不思議そうに俺をみているわけ。

運命的な瞬間。

出会うべくして、俺は出会ってしまったんだ。

確信した。

モモたんがゲンジツに居るって。

その時は、あまりに急すぎてなにもできなかったけど、その子がまたぬいぐるみを見て、帰って行く姿をこっそり追いかけることにした。必死に撫でたい衝動を我慢しながら。天使を一人で歩かせるわけにも行かないし、なによりこのままさよならなんてできなかった。

それから、いろんなことを知った。

モモたんの名前が本当にももかだったこと。

近所でも良い子で有名なこと。

夏休みに入っていて、お父さんのお仕事が忙しいから家事をお手伝いしていること。

お母さんが亡くなっていること。

お友達とお祭りに行くこと・・・。


モモたんに頼んで女の子が喜ぶものや好きなものをたくさん準備した。

「にゃんころセブン」も全種類買って並べた。モモたんが喜んでいたからももかちゃんも喜ぶ。

モモたんが食べたがっていたお菓子も買っておいた。実際に口にできたらきっととても喜ぶ。

洋服も、モモたんが好んできている桃色のものを揃えた、きっとお姫様みたいで喜ぶ。

誰よりも幸せな女の子にしてあげよう。

モモたんはとても良い子だから、それに見合うだけの生活をさせてあげなくちゃ。

・・・でも、極論、俺が居ればモモたんは幸せって言っていたから、二人で居れば問題はないんだけどね。

ももかちゃんの成長を見守ってあげなくちゃならない。

いや、違う!!あの子は、モモたんなんだから、俺がついていてあげなくちゃ。


お祭りの日にしよう。

遅くに帰るのはモモたん一人じゃ危ないから、それにお友達と別れて一人のおうちに帰ったらきっと寂しくなってしまうから、これからは、おはようからおやすみまで、俺が一緒に居て見守ってあげよう。

そうだ、俺の友達にも紹介して、楽しいことをたくさん教えてあげよう。


今年の夏はきっと忘れられない思い出がたくさんできる。

そして、今年から、モモたんはずっと俺と同じときを歩んでいくんだ。

そんな記念すべき、新しいゲンジツのモモたんが俺の元へとやってくる。


お祭りの帰り道、モモたんに声をかければそれがすべてのスタート!!

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