表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
やんでれさんのほしいもの♡  作者: 橘 莉桜
現実世界と境界線
19/137

えにっき

あんどうももか

7月27日

くもり


今日からちゃんと夏休みのしゅくだいをしたいと思います。

夏休みになってから、今日まではお父さんのお仕事に一緒に行っていました。お仕事の場所は、たくさんのコンピュータがあって、私はそこにすわって、みんながお仕事しているのを見ていました。

たまに、みんなでおしゃしんをとったりしました。私もたくさんとってもらって、本当はちょっと恥ずかしかったです。

ひみつなことがおおいから、私が入れたのは特別だからだそうです。

かなたちゃんとこなたちゃんという双子の女の子となかよくなりました。たくさんおしゃべりをしました。

二人はなんとしゅくだいがないそうです。だから夏休みのしゅくだいについて教えてあげたらビックリしていました。

また会いに行きたいなって思います。


7月28日、晴れときどきくもり


お母さんが天国にいってしまって…しばらくの間、お父さんも私もなんにもする気が起きなかったけど、夏休みにはいる前にお父さんは、日本のお仕事によばれました。

それはすごく大切なお仕事なんだそうです。

お父さんはお仕事がとてもいそがしくなったので私もがんばって、お手伝いをするのが夏休みのお約束です。

今日は目玉焼きがじょうずに作れました。

お父さんとはなかなか一緒にご飯を食べられませんが、よろこんでもらえるように練習します。


7月29日


今日は、お夕食の買い物に行ったら知らない大人の人たちに「モモちゃん」と呼ばれました。

ももかのことを知っているのかな?

でもももかは知らない人とはお話ししちゃいけないのでごめんなさいをして帰りました。

このごろ、ももかのことを「モモ」と呼ぶ人にたまに会います。

だれか、ももかのそっくりさんがいるのかな?

なんだかふしぎです。

お父さんに相談したいけど…お父さんはお仕事が大変みたいです。

はやくお父さんが帰ってきてくれるといいなぁ。


7月30日

晴れ


今日はお祭りです。

ももかもお母さんがいたころは浴衣を着させてもらっていましたが、今はお母さんがいないからがまんしなくちゃいけません。

お父さんがおこづかいをおいていってくれました。今日はなつきちゃんとともえちゃんとお祭りに行く約束をしました。

金魚すくいはしちゃだめといわれたのがざんねんだけど…お約束を守っておでかけしようと思います。

りんごあめやいちごあめはあるのになんでももあめはないのかな?

あったら買ってみたいなと思います。


7月31日

くらいところ


なつきちゃんとともえちゃんとバイバイしたあとに、知らない人にモモたんと呼ばれて…知らないところにつれてこられました。

ももかはモモじゃないよと言ったのですが信じてもらえません。


おうちに帰りたいよ。

お父さんはしんぱいしていないかな…。


8月

くらいところ





帰りたい



8月

くらいところ


ここがどこなのか分からないけど…今日は、ももかにそっくりな子に会いました。

その子はももかが来たからもうひつようなくなるとおとこの人が言っていました。よくわからないです。

でもその子は本当にももかにそっくりでした。


8月

くらいところ


おとこの人がももかに、お返事の仕方を教えてくれました。

それからお洋服をくれました。

一緒にカレーライスを作りました。


お父さんは?と聞いたらおこられました。

お父さんのお仕事のとこにあったみたいなコンピュータがありました。


8月

くらいところ


私にそっくりな子のお名前はモモたんというそうです。

おとこの人がいない時に、モモたんが私のところにきて、教えてくれました。

そして、はやくおうちに帰れるように手伝ってくれるといってくれました。

でも、ふしぎなことがあります。

モモたんとは、お話しできるのに、モモたんとあくしゅはできないのです。

どうして?と聞いたらモモたんは、それがももかちゃんが連れてこられてしまった原因なんだとごめんなさいとしました。

よくわからないですが、モモたんがきてくれて、私はちょこっと安心しました。


8月

くらいところ


おどろきました。

モモたんがお父さんに、ももかのことをつたえてくれたそうです。

もうすぐ、お父さんが来てくれるよと言ってくれました。

はやくおうちに帰って、ぽぽちゃんたちといっしょにねむりたいな。

そうです、しゅくだいもえにっきしかつけられていないから、お父さんに手伝ってもらってがんばらなくちゃです。


8月


うぅ…モモたんが消えちゃった…。

ごめんなさい、ごめんなさい。

モモたんとお話ししているときに、おとこの人が帰ってきて…おこって、コンピュータをたたきました。

たくさん、たくさん、たたきました。

モモたんもももかもたくさん、たくさん、ごめんなさいして、やめてっていったのに…コンピュータがぼこぼこになったらモモたんもいなくなってしまいました…。


8月

知らないお部屋


あれから、おとこの人がももかをつれて知らないおうちにおひっこししました。

モモたんはいなくなる前に

大丈夫だよ、お父さん、すぐにくるからね

と言ってくれたのに…ももかがここに来てしまったら…お父さんにももかがどこにいるかわかってもらえない。

どうしよう…どうしよう…。


8月

知らないお部屋




今日は…なんにちなのかな…。

なつきちゃんとともえちゃんはなにをしているかな…。


8月


もういやだよぉ。もういやだよぉ。

難しいことはわからないよ…あんまし、難しいことばかり言われてもももかにはできないよ。

帰りたいよ、帰りたい。

お父さんにあいたいよ。

お母さん…助けて…



ーこのあとのページは鉛筆でぐしゃぐしゃに真っ黒に染められているー

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ