帰宅
13
お父さんは、交番のふゆじたくが終わって、山の見回りが落ち着いてから、冬休みになった。
春まで、熊のおまわりさんではなく、パンダの、ぼくだけのお父さんにもどる。
いつもの冬休みよりも、今年の冬休みはまちどおしかった。
ぼくが知りたいことがいっぱできて、お父さんに聞きたい事がいっぱいだったから。
「おかえりなさい。お父さん。」
いつもなら毎日帰って来るお父さんも、冬休みの前は忙しくて帰ってこれなくなる。この前、交番でお話し聞いたあと、はじめてぼくはお父さんの顔をみた。
「リスのおじいさんと話していたこと、くわしく聞いてもいい?」
ぼくはお父さんが帰って来たら、真っ先に聞こうと決めていた。
「ただいま。いいけど、ちょっとだけまっててくれないか。みじたくをなおして、なんか食べさせておくれ。」
お父さんはやさしくわらって言ってくれた。
「お母さん、川に行ってくるよ。さいきん山には雨がふってなかったし、みんな冬眠してしまったから。」
そう言って、お父さんは家を出て行った。
ぼくは、まちきれない気持ちがいっぱいで、つい、言ってしまった。
「いっしょにいってもいい?」
お父さんはうれしそうににっこりわらってうなづいた。
先に家を出たお父さんをぼくはいっしょうけんめいおいかけて、みうしなわないようにするのがせいいっぱいだった。




