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私-ケツイ-
私はある日
決心をした。
この日々を終わらせる決心だ。
毎日毎日
彼の家のなかで
彼に微笑まれながら
彼だけに触れられながら
彼だけを見ながら
彼に怯え続けるこの日々を。
終わらせて
外の世界に出るのだ、と。
気がつくと、
私の手にはナイフがあり
足元に彼が寝転がっていた。
彼は真っ赤に染まっていた。
私も真っ赤だった。
こんな風に
私が彼を上から見るのは
初めてだった。
彼はピクリとも
動かなかった。
いや
動けなかった。
だって
もう…………。
私が殺した。
この手で。