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彼-ホホエミ-
彼はにっこりと
微笑んだ。
まるで私のなにもかもを
見抜いているように
私の想いを
受け止めるように
暖かく微笑んだ。
怖かった。
あの微笑みが
とてつもなく怖かった。
彼は微笑むたびに
私に言った。
『お前が好きだ』
と。
『愛している』
と。
怖かった。
何をされるのか、と
私は怯えた。
そんな私の頭を
彼は撫でていた。
その手は
暖かく暖かく暖かく暖かく
私の熱が
吸いとられてる気がした。
とにかく
私は彼の
言葉が
表情が
声が
手が
足音が
すべてが恐ろしかった。