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「知っているか?」


 分かっていて、言った。

 知っているのに、訊いた。


「我が触れると、りこの身体は熱を増す」


 指先を、鎖骨に滑らせ。

 舌先を、耳朶に這わせると。

 

「我のこの身は、人のような温もりはない」


 愛しい人の血はその温度を上げ。

 柔らかな肉が朱に染まり、震える。


「だが。我はこうして、りこを温めることができる」


 できうるならば。

 我の熱を。

 貴女に与え。


 望んでくれるなら。

 我の熱で。

 貴女を溶かし。


「我は、それが嬉しい」


 最後の一滴まで。


「りこ」


 貴女を、我に。

  



*ブログからの転載です。

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