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『6』(全6話構成)




 僕と結衣ちゃんは消防士の人に救助されて、僕たち二人は火傷で入院することになった。

 家の貴重品は、鹿島さんの火事のこともあって、お母さんが常に携帯していたおかげで無事だったらしい。鹿島さんの家族も、その時ちょうど外出していて、火事でけがをすることもなかった。もちろん、鹿島さんも貴重品は持ち歩いていたおかげで無事だった。

 今回の火事で放火魔が捕まったというニュースが、隣のベッドのテレビから流れてきてちらりと耳に入った。犯人は他にも何件か火を付けたと言っていて、鹿島さんの家を焼いたのも同じ人らしかった。

 病院のベッドの上で、全身包帯ぐるぐる巻きになった格好で、僕はあの時、結衣ちゃんが言っていたことを必死に思い出そうとした。あの時は僕も必死だったので、あまりはっきりと覚えているわけじゃない。

 けれど、なんとなく、結衣ちゃんが押入れでマッチの火を眺めていた理由がわかったような気がした。結衣ちゃんがひたすらマッチをこすって燃やそうとしたものが、僕にはわかったような気がした。 それに僕を連れ込んだ理由も、なんとなく。ちょっと恥ずかしいけれど。

 そして、そんな結衣ちゃんが僕にはちょっと眩しく思えたのだった。ちょうど、押入れの中みたいな暗闇に浮かぶ、小さな小さな炎のように。




 ところでお母さんから聞いたんだけど、あの火事の時消防士の人に助けてもらう間も、結衣ちゃんが必死に掴んで離さなかったものがあったみたい。

 鹿島さん一家を写した写真は、あの火事の後も失われることなく、病院のベッドで眠る結衣ちゃんを向いて飾られているらしいんだ。


いかがだったでしょうか。

さて、あえてはっきりと語りませんでしたが、果たして結衣ちゃんが僕の力を借りて炎で消そうとしたものは何だったのでしょうか。



今になって、小出しにしすぎたかな……と不安もあります。ご意見があれば、書いていただけると幸いです。

それでは、また次の作品でお会いしましょう。

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