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元奴隷から愛される異世界生活。  作者: ChaCha


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160/165

元奴隷から愛される異世界生活。

【 光り輝く二柱 】

――眩しい。


眩しすぎて、目が開けられない。


いや、正確には。

目を開けるという概念そのものが、意味をなしていない。


ここには、空も地面も時間もなく、

あるのは光と、声と、やたら楽しそうなテンションだけだ。


『イェーイ!』


『愛されまくってるぅ!』


声が、同時に弾けた。


『見た? あれ』

『見た見た! 最初、詰みかけてたのにね』

『かけてたどころじゃないよ? ほぼ詰み』

『でも、ちゃんと生き残った』

『というか、詰んだまま突き抜けた』


二柱は笑う。


下界を覗けば――

光る女神もどきが、胃を押さえながらポーションを飲んでいる。


『ほら、今もやってる』

『ポーション作ってる』

『胃薬だよね、あれ』

『愛されすぎ副作用』


くすくすと、楽しそうに。


『じゃあ、いくよ?』

『せーの!』


声を揃える。


『元奴隷からー』

『愛されるー』


『『異世界生活』』


ぱん、と祝福の音。


『タイトル回収〜!』

『おめでとー!』


でも、片方が首を傾げた。


『……ところでさ』

『うん?』

『「元奴隷」って、誰のことだと思う?』


少し、間。


『そりゃ、ルイでしょ』

『元第三王子、敗戦国、性奴隷』

『救われて、癒されて、溺愛王になりました』


もう片方が、指を振る。


『はーい、半分正解』

『え?』


視線が、さらに広がる。


国。

土地。

人。


『国ごと奴隷だったんだよ』

『アグナス王国』

『敗戦して、帝国に縛られて』

『選択肢、なかった』


二柱は、少しだけ真面目な声になる。


『そこに来たのが、メイ』

『自覚なし』

『善意全開』

『ポーション過剰』


『結果』

『人、救いすぎ』

『国、強くなりすぎ』

『愛、集まりすぎ』


下界では、民が笑い、土地が潤い、国が繁栄している。


『だからさ』

『これは、ルイだけの話じゃない』

『元奴隷だった「個人」と』

『元奴隷だった「国」』

『その両方が』


声を揃えて。


『愛される側に、ひっくり返った話』


『救われた』

『選ばれた』

『囲われた』

『溺愛された』


『本人は「詰んでる」って言ってるけどね』

『胃、痛そうだし』

『でも幸せ』


二柱は、満足そうに頷いた。


視線が、ふっとこちらを向く。


眩しい。

眩しすぎる。


『次は、君の番にする?』


『どんな世界で、愛されたい?』


問いかけられた瞬間。


光が弾ける。


祝福の残光。

物語の余熱。


目を開けていられないほど、まぶしくて――


「……!?」


世界が、反転する。


笑い声だけが、遠くで響いた。


『大体、詰んでる』

『でも、ちゃんと幸せ』


『それで、いいんだよ』


――物語は、ここで終わる。

でも、愛される世界は、まだ続いている。



誤字脱字修正しましたm(_ _)m

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