早緑月の風に、描く絆のセルリアンブルー
カーテンの
合間から溢れる朝に
たゆたう光の
かけらは冬の蝶のように
日向色の窓辺は
景色のフォトフレーム
亜麻色の大地に
舞いゆくパンジーの
花は早緑月の
風に寄り添いながら
空が映し出す
セルリアンブルーに
葉の翠とともに
車輪梅の枝は
春を待つ
風に花芽を
紅く結びゆくように
宙の彼方へ続く
軌跡を描くように
冬天の夜空に
高く上りゆく星座は
ふたご座の星々
あたたかな
ポルックスの黄金と
やさしく瞬く
カストルの白銀が
絆を照らして
未来へと続く
扉を描くように
星座のシルエットは
まるで星の扉
冬北斗の
七つ星は鍵のように
それぞれの夢
それぞれの心の宙に
描きゆく光の
軌跡を追いかけながら
たどり着いたとき
見られる景色も
たどり着こうとするから
出逢う景色も
勇気をもって
踏み出す先の景色も
いまの自分だから
見える景色も
そして
心に映ったいくつもの
景色という軌跡も
一つひとつが
かけがえのないもの
時に追われるように
感じることも
あるかも知れないけれど
同じ太陽がくれる朝の光と
同じ太陽の夕紅を見つめ
同じ宙の月と星たちに
見守られながら
同じ惑星の上で
今をともにしている
いくつもの
心が、きっと
早緑月の宙から
やさしくあたたかに
寄り添う光を
心に感じながら
未来へ
そして希望へと
繋ぐ軌跡と
繋がる絆を、想い描いて
早緑月の風に
描く軌跡は
はるかな色の、セルリアンブルー
黄道十二星座の一つ、ふたご座は、1月下旬頃から東南の夜空高く上り、金色のポルックスと白銀のカストルの二つの星から軌跡のように星が連なります。
パンジーは、フランス語の「想う」に由来し、「誠実」「つつましい幸せ」などの花言葉があります。冬の寒さに強く、その姿から「遊蝶花」とも呼ばれます。
今の時期に花芽をつける車輪梅は、葉が車輪の形で、春に咲いたときの花言葉は「そよ風の心地よさ」です。早緑月は1月、「セルリアン」はラテン語で「空色」です。
季節の星や花をモチーフに詩を描かせていただきました。お読みいただき、ありがとうございます。