Episode:集いし者たち(スキル談話)
わしたちが永崎のビジネスホテルに集合するには2日とかからなかった。
「改めまして、成神つなぐです、51歳です。」
「俺は榊剛士、49歳独身、ただいま無職ね。」
「あっ、私も2日前から無職です。」
控えめな御神は小さな声で自己紹介を始めた「あのー、わた」が、神原が遮るように
「私、神原翔子、歳はそこそこで内緒、会社では根暗って感じだったけど、これからは明るく元気路線でやっていきます。人と違う力をもって自信みたいなものが出てきた感じ?」
御神は息を吸い込み大きな声で「私は、御神望です。みなさんよろしくお願いします。」
成神はみんなの状況を確認し始めた。
「では、皆さんの状況を聞かせて・・・・・ ・・・・ ・・なるほどね、簡単に言うと、私は榊さんのいうところの念話できるテレパシストで、神原さんは瞬間移動のテレポーター、御神さんは千里眼の持ち主で、榊さんはサイコキネシスかな?それとも火事場のバカ力?まだ、未知ですね。」
「バカ力って失礼な・・どっちみち何ができるのか試す必要はあるな、共通点は独身と無職ね。」
神原は3人の顔を見ながら成神に尋ねた。
「成神さん、他には声、聞こえなかったの?」
「ああっ、聞こえたのは3人だけです。」
「あのー」
「なんだい御神さん」
「これからどうしますか?榊さんの言うように、何ができるのか、私は知りたいし、しばらくは一緒に行動させてほしいです。やることもないですし」
「強制はできねぇが、俺も一緒に行くぜっ。」
「私も御神と同じやることないし、面白そうだし、ついてくわ!」
「では、みんな、しばらくは行動を共にするということで、いいですね。あと力をテストするにも、人里離れたところがいいよね、榊さん爆発したら大変だし。」
「俺を、危険物扱いするな!まぁ能力が一番わかんないのは俺だし、危ないっちゃぁ、危ないか。」
何か言いたそうにもじもじしている御神を見て神原は「御神ーっ、言いたいことあるならいいなよーっ」その声の勢いを借りて御神は話し出した。
「わたし、本で読んだことがあるンです、こういう超能力を研究している機関が弐本にもあったって、そこの博士がどこかで隠居生活をしているとか・・その博士も能力者じゃないかって、確か、ネ甲 念<ネモウ オモウ>博士だった。」
なんだそんなことかとため息をつきながら神原は「変わった名前だからすぐわかるんじゃない。成神さん、探せる?」
「そんな力はないですよー。」とため息をついた。
「それじゃ、こんなのはどうだ? 日中は各県の県庁まわって博士探し、夕方は山にこもって実験する、なっ、キャンプアンド放浪生活ダ!どうだ、これならお金もかからんだろう。」と自慢げにプランを話す榊に対し神原は、「節約のためなら仕方ないけど、キャンピングカーぐらい用意してよ!!それと山にこもる前に、毎日お風呂にも入りたいし・・」
「わたし、本で読んだことがります、弐本には各県に一つは必ず温泉があるって、それを巡るのもいいですね。」
成神が話をまとめだした。「では、そろえるのは、キャンプ用品とキャンピングカー、パソコンかな・・」
「救急セットもいるわね、私と御神の二人寝るのはキャンピングカーで男はテントと寝袋ね。」
「そうそう、成神さん、コーヒーと酒も追加だ。」
「おいおい、遊びに行くわけじゃなですよ、でも、たまには温泉旅館に泊まろうか。」
そこへ神原が3人の顔を指さしながら、最後は榊を指をさして「使ったお金は4等分ね、みんなお金あるの?ダイジョウブ榊さん・・」
「ケッ、金、無くなったら金庫破りでもするさ・・・へへっ。」
「まっとうな人間で、いような3人は。」
「ヘンっ、冗談だよ。」
次の日から買い出しが始まった、キャンピングカーの調達に3週間ほどかかったが、書類等は成神が店員に頼み込んでうまくやってもらえた。
成神のそばに立っていた御神が不思議そうに成神の顔をみて「成神さんが、お願いすると、なんだかその通りになるのは不思議ね。」それに反応した榊が「それも成神さんの能力なんじゃないか?脳に話すだけじゃなく、命令もできるんじゃねぇの?」
「そうだなぁ、こんど試してみようか!」と成神は神原の顔を見た。
「ちょっとーっ、私たちに変な命令しないでよ」と神原は御神に駆け寄り腕を組んだ。
「しませんよ、絶対・・たぶん・・、それに、たまにカタコトの声が聞こえるのもきになるし。」
たまに見る成神の不思議な行動に気づいていた神原は、みんなに聞こえるように「そうそう、こないだ犬をジーっと眺めてたでしょう。」と成神に向かって言った。
「ああ、声のする方を見たら犬だった、まさかと思うけど、色いろんな者と話せるのかもね。」
榊はすかさずおどけて見せた。「そんなことあるかよ、犬語だぞ、だれがわかるんだよ。数は数えるかもね、わん、ワン、ONE。」
そんな会話の中、成神は出発を促すように言った「よし、準備はできたな、このホテルにも1か月世話になったな、永崎にはネ申博士はいなかったし、まずは九国を一周するか。」
「成神さんよー、運転は俺に任せろ、トラックも転がしていたからちょろいもんよ。」
「あぁ、助かる。」
こうして能力覚醒からひと月後、4人の能力探求とネ甲博士探しの旅が始まったのである。