Episode:神原翔子<カミハラ ショウコ>(テレポーター)
私は、神原翔子43歳女独身、根暗で孤独。
会社は、いじめにより辞めることになった、いわゆる一般女子事務員だった。
会社での女の世界は、いい男の取り合い、根暗でその競争にも加われない私は、女子社員達のはけ口として、いじめの標的になっていた。
そして会社を出て帰宅途中・・私は、空に向かってこう叫んだ
「チクショウ」・・
その時 ”パチン”とスイッチの入る音が頭の中でした、同時に私の目の前の景色が東都の会社の前から、幼いころ、よく行った永崎のおばあちゃん家に瞬間に変わったのだ、そう、自分はその家の前に立っていた。
この時、目の前に広がる懐かしい景色と同時に子供のころの記憶も封印が解けるように蘇ってきた。
それは翔子が7歳の時の夏休みが終わり2学期が始まった教室だった。翔子はクラスメイトの太一郎に必死に訴えていた。
「ほんとだよ、家族で沖島に行ったんだったてば。」
「嘘つけ、本当なら何で星の砂持ってこないんだよ!」
そこに太一郎に思いをよせる結花も加わり、こう嫌味を言ったのだ
「ホントホント、また嘘ついてる、だから嫌われるんだ。」
翔子はこのことが悔しくって、半べそをかきながら帰る途中、家族で星の砂を拾った海岸を思い出していた、次の瞬間、波のおと、海のにおいがした、目の前には、家族で星の砂を拾った白い海岸が広がっていた。
「そだっ、星の砂」
近くにあったバケツに星の砂を集めて入れた。
そして家に帰らなきゃと思ったとき、星の砂の入ったバケツを手に家の前に立っていた。
翌日クラスに星の砂を持って行ったとき、結花は、「どうせ買ってきてもらったんだろう」話し、太一郎も翔子を笑っていた。
この時から、翔子は人を信じず、孤独へと落ちた。