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水の魔法使いは今日も旅をする  作者: メサ
学校生活編
1/1

試練

昔から私は魔法に囲まれて暮らしていた。

木を触れずに切ったり、氷でモンスターを固めたり周りの大人たちは魔法を使いこなして、生活を便利にしていった。

そんな大人たちに対して私は強い憧れを持っていた。

だから、あの日はたまたま森に入ってモンスターを狩ろうとする大人を見かけたとき付いていってしまったのかもしれない。

「ファイヤー!」

炎の魔法を使いこなし、モンスターをどんどん狩っている。

その姿に夢中になってその時の私は殺人鳥が上空から狙っていることに気づかなかった。

その時、大人はこちらの方を突然向いて、魔法を放った。

「プロミネンス!」

殺人鳥は瞬殺だった。

「なんでこんなところに子供がいるの!ここはモンスターが大量に湧く森よ。あなた殺人鳥狙われていたのよ」

「あ、ありがとうございます」

突然の出来事で動揺してしまい、声が震える。

「感謝はいいから早く街に戻りなよ。私が付き添って上げるから」

「ありがとうございます。あの、お名前は何というのですか。」

私を助けてくれたこの人についてもっと知りたかったのだ。

「私はフレア。炎の魔法を操る旅人よ。」

その日以来私は旅人を目指し、もう一度この人に会いたいと思うようになった。

「全員集合!」

先生に号令をかけられて、私たちは集合する。

私、ルクンは殺人鳥から助けられた時から、私はこの日を待ち望んでいた。

「君たちは5歳の頃から、数学、言語、歴史、体育、芸術について学んできたが、10歳になったこれからは魔法を学んでもらう」

そう、ようやく魔法について学べるのだ。

「どんな魔法を勉強するのですか?」

誰かがそう質問する。

「いい質問だ!君たちにはこれから分野別にやりたいことを決めてもらい、一つのことに専念してもらう。まずどんな分野があるか説明しよう。魔法を操る!魔法使い。味方と戦う!召喚士。自分で作って戦う!職人。の3つだ。そしてこれから君たちはこれらの3つの分野について見学してもらう」

なるほど。おそらくあの旅人は魔法使いだったのだろう。

「これがいい!とかこれならできそう!とかがあったらそこにいくと良い。決めたら今日から君たちの学校はそこになる。」

「わかりました!」

「質問のある人!いないな」

「では自由行動開始!」

みんなが一斉に動き出す。当然私もその中に入っている。

「魔法使いについて学べるところはどこだろう」

そういまさら思った。

先生に聞こうと思ったが、同級生が質問しても答えてもらえていないのを見て引き返す。

これも1種の試験なのだろうか。

「学校を決められなかったり、決めても学校を卒業出来なかったら無職になっちゃうぞ〜」

先生が煽ってくる。しかしマジでそうなりそうだからシャレにならない。

「とりあえず街のあたりではないとは思うけど……」

確かあの人が使っていた魔法はある程度音がした。となると街の辺りに建てると苦情がくる可能性も考えて、山奥だろうか。それに今まで学校を見かけたこともない。聞き込みをするか。

ということで、道路を通る人に話しかけているが全員口を揃えて『知らない』としか答えてくれない。

ただ、一応収穫はある。実は前からこの試験は行われてきたということがわかった。そして、この街にいる人のほとんどがおそらく不合格だ。

「聞き込みをしてももう無駄だな」

そう察知した私は、別の方法を取ろうと考えた。その時、

「そこ!何をしている」

何が起きた。

見ると、魔法使いに包丁で脅している。

「職人になれる学校はどこだ」

なるほど、魔法使いを脅して場所を調べようとしている。

「冷却魔法!」

「うがぁーーー!」

こうなると思っていた。

一緒に魔法がどれだけ強いのかを学んできたはずなのにこんなマヌケが紛れ込んでいたとは……

というかそもそもなぜ魔法使いに職人になれる学校の場所を聞いたのだろう。

その後魔法使いにたくさんの生徒がまとわりついていたが、誰一人として場所を教えてもらえていなかった。

もともとこうなると思っていたから私はついていていない。

誰も学校にたどり着けずに落胆している。

その中に私も入っているのだが。

―そうして、皆が途方に暮れていたとき事件は起きた―

「ギャ〜」

職人になろうとしていた、あのマヌケが叫んでいる。

今度はなんだ。

「通り蛾の大群がでたぞ!みんな逃げろ!」

―通り蛾とはその名の通りそこら中を飛び回り、噛み付いてくる毒を持つ巨大な生物―

「誰か戦える人を呼んでこい!」

「私美味しくないよ〜」

「食べるならこいつにしてください」

「うわぁーん。僕の人生おしまいだ」

「もうダメだおしまいだ……」

みんなの声が飛び交う。

ヤバい、早く逃げないと、やられてしまう。

急いで走るが、

―コイツら早いっ

息着く日まもなく私達は逃げ回る

「みんな逃げろ!俺はこいつを引き付ける!」

い、嫌な予感が……

そう言ってしゃしゃり出てきたのは予想通り、あのマヌケ。

マヌケすぎるだろ。

「うがぁ〜!」

そして、歴史は繰り返された。

阿呆かな?いやアホだな

そしてその瞬間私は気づいた。

アホに気を取られて追いつかれる!やべぇ!

「痛っ」

やばいやばい噛みつかれてる。

後ろから私に向かって通り蛾が全軍突撃している。

落ち着け。どうすれば逃げ切れる。

頭の中で様々なことを考える。

その時私はひらめいた。

いや待て、この状況は逆に有利なのでは?

まず、近くにあった肉屋に駆け込む!(肉屋からしたらすごい迷惑だがそんなの関係ねぇ!)

「お客様。通り蛾を連れてでの入店はお断りしております。(涙)」

店長と思われる人物が泣いているが、そんなの関係ねぇ!

そして目的のものを見つけた。

「喰らえ!魔法消化器の煙攻撃!」

魔法消化器で一網打尽!

「私の勝ちだな。雑魚が。」

決まった。

その後、噛んできた蛾の毒で苦しみ悶えたのであった。

―数日後―

「全員集合!」

先生に号令をかけられて、私たちは集合する。

「見学の件だが、通り蛾に対して適切な判断、処置を行ったもののみ学校の場所を教える。その他の人はもう一度試験を行う」

やっぱりあれは試験だったのか。

「では、適切な判断、処置を行った人を呼ぶ。シー」

「はい!」

「君はいち早く通り蛾を察知し、皆に逃げるように言ってくれたと聞いている。よくやった」

「次に、リョウラ」

「はい」

「君は自らが盾になり、逃げる時間を確保してくれた。素晴らしい」

マジか。

アイツはもしかしたらこうなることを知っていたのかもしれない。

「やったー!見ろお前ら!すげえだろ!」

前言撤回。アイツはバカでマヌケでアホだ

そんなことを考えていた

「そして最後にルクン!」

「はい!!」

私は大きな声で返事をした。

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