まさかの展開
申し訳ありません。本日はちょっと短いです。
大広間で起きた落雷音に悲鳴や金切り声をあげる人々の中「やったか?」「やっちゅけた?」と雷に怯えもしないレオ君と二人、例の蛇がどうなったか様子をうかがっている中、槍を放ったのが私だと見切ったおじい様が慌ててやってくる。
「ルジアダ、お前、何を……」
「えっと、避雷針の応用をやってみたんですが……」
「お前という子は、相手の力を利用してなどと、何てうまいことを思いつくんだ」
説明を聞いておじい様が肩をすくめ、にやりと笑う。
だが、その顔が一瞬で強張った。
「ルジアダ。あれはダメだ。効いてないぞ!」
雷光の後、暫くの間バチバチと雷の光が巨大な蛇の体を纏い蛇はピクリとも動かなかった。
仕留めたかと若干淡い期待を抱いていたのに、雷の残滓の光が消えて、そこから現れたのは、無傷の紫の鱗の蛇。
「嘘でしょ。
しかも無傷かい!」
しかも、槍を放ったのが私だと理解したのか、四つの赤い目がこちらを向き、シャーっという威嚇音とともに再びあの強烈な異臭を更に強く放ちながら進路方向をこっちに変えた。
「ルジアダ、臭いをかぐなよっ。
今はとにかくレオ君抱えて逃げるんだっ」
威嚇音と強烈な臭さに脳が思考停止しそうで、本能がすぐさま「これはまずい」と警報信号を出した。
とにかく蛇の視線から逃れようと、一歩後ろ横にいたレオ君を抱えようと手を差し出したその矢先。
「えーい、くしゃいやちゅめっ!」
あまりの臭さに怒りの形相を浮かべたレオ君が、私の手を潜り抜けて、タタタッと蛇に向かって踏み出し「えいやっ」と両手を振りかざした。
「レオ君っ、ダメっ」
せいぜいレオ君が今まで練習してきた火の玉や水鉄砲みたいな魔法じゃ、あいつに歯が立たないのに!
手元をすり抜けたレオ君を目にした蛇は獲物を見つけたとばかりにものすごい勢いで体をうねらせながら近寄ってきた。
「レオ君っ」
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