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犬猫戦争

作者: ライーダ山

犬派か、猫派か。

それは、“きのこ”と“たけのこ”のように、戦争の火種になりうるものだ。

ペットは、飼い主に似るという。

では、日々どちらが素晴らしいかを主張し合う飼い主に似た彼ら彼女らがどうなるか。

野生から遠く離れたとは言え、戦闘力を重視する本能はあるペット達。

そんなペット達が自分達の素晴らしさを主張する方法、それはーーーー




ーーーー戦争だ。




◇◇◇




「わおおおぉぉぉおお!!」


「ぎにゃああああああ!!」


戦争が始まった。

最初は互角だった戦いだが、体格の差か、大型犬達に押される猫軍。

それを見たキャット軍師は呻く。


「ぐぬぬ……なんということだニャン。我が猫軍が負けるなんてありえないニャン。」


キャット軍師は飼い主と共に、必死に考え、策を講じるも、簡単に突破されてしまう。


「ううう……くそぅニャン。このままじゃ語尾に『ワン』を付けただけのやっすいキャラ付けをしているドッグ軍師が調子に乗ってしまうニャン。こうなったらあれをやるしか無いニャン」


その頃、犬軍のドッグ軍師は。


「わはははははは! ざまぁみろだワン! 犬軍は最強なのだワン!」


その時、ドッグ軍師の飼い主がドッグ軍師に慌てて駆け寄って来る。


「た、大変だ! 猫軍から……」


「ん? なんだワン?」


ドッグ軍師が猫軍を見ると、そこには。

ライオン、トラ、チーターなど、様々なネコ科の動物達が。


「おのれ……《ネコ科召喚》を使いやがったなワン! ならばこっちも《イヌ科召喚》だワン!」


ドッグ軍師がそう言うと、犬軍からどんどんとオオカミ、キツネ、タヌキなど、様々なイヌ科の動物達が出て来る。


そのネコ科の動物とイヌ科の動物がぶつかり合う瞬間。


「そこまでだ!」


「「な、なんだ(ニャン・ワン)」」


犬猫、猫軍の側面から出てくる動物達。


「我ら、寒さ以外には負けぬ【爬虫類】!」


飼育ケースの中で声高々に叫ぶ大蛇。

そのうずを巻いている中には、恍惚とした表情を浮かべる女が。


「我ら、その翼で地を見下ろす【鳥類】!」


鳥籠の中で声高々に叫ぶインコ。

その横には、水分を失った腕を横へ伸ばし、枯れ木のように動かぬ老人が。


「我ら、飼い主にもペットにもなれる【哺乳類】!」


地面に転がり甲羅縛りにされながら声高々に叫ぶ人間。

その上には、蝶マスクをつけ、鞭を振り上げながら高笑いする人間が。


「我ら、作者の知識の都合で一纏めにされた【水生類】!」


水槽の中で声高々と叫ぶ金魚。

その背後には、脚の部分が融合し人魚のようになったダイバースーツを着た男が。


「これらの種族が集まった【多種族連合】により、この戦争、中止させて貰う!」




◇◇◇


犬猫戦争は終わった。

いや、停戦したと言うのが正しいか。

だが油断してはいけない。

彼らはいつでも鼻を鳴らし、耳を立てながら。

お互いを狩れる日を、待っているのだ。

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