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1-5:幼女だからね。仕方ないね

感想、お気に入り登録してくださった方々、ありがとうございます!

がんばります。

1-5


「しくしく・・・」


「あー、泣くでない、ヒスイ。子供ならば仕方のない事じゃ」


皆さま、どうお過ごしでしょうか。え、俺?連日泣いています。


何でかって?それを説明するには順を追って、昨日の転生してからの行動履歴から話す必要がある。


昨日転生して、森の中を散策中ポムの実を発見して、初めて『鑑定』のスキルを使った。で、自分のステを確認してたら、熊に襲われかけた。そんな危ない場面を、師匠に助けられて師匠の家にお邪魔した。白湯だったけど、おもてなしされて弟子入りした。


で、服を手に入れるためにベイジ村に向かった。イエナさん宅で、おもてなしされてお茶をご馳走になった。ちょっと長い時間(師匠がウトウト寝ちゃうくらいには長い時間)着せ替え人形になってて、その後師匠に抱えられて帰宅。帰宅中に師匠に抱えられながら爆睡してしまった。師匠宅には客用にベッドがあったらしく、俺はそこのベッドに寝かされたらしい。


で、今朝。俺は泣いている。


え、分かんない?


察してほしかったんですけどね・・・


うん、昨日の行動履歴から分かると思うんだけど、トイレ行ってなかったんだよね。結構水分摂ってたのに。そして、俺の今の肉体年齢は4歳です。はい、まぁ、うん。布団に世界地図を描いてました。地味にこの精神年齢でそれは中々にショックだった。


で、ショックだと思ったら、涙がポロポロ出てきた。師匠が部屋に入ってきて泣いてるのに驚いていたけど、近付いたら気付いたみたいで、それから師匠が優しいです。


え、中身成人男性が泣き過ぎでは?いや、肉体に引っ張られるってやつです。前世では最後に泣いたのなんか、10年位前に他界した親戚の葬式くらいだよ。まぁ、それ抜きにしても今回のことは割と効いたけどさ。


うん、女の子の体だもんね。膀胱小さいから、こうなるよ。今度からこんな事にならない様にしよう。(決意)


「取り敢えず、メシにするかの」


・・・そういや、ちゃんとした食事してなかったね。






--☆






「さて、では今日から魔法の修行を行うかの」


朝食後庭に出て、俺の布団が干されている横で魔法の修行がスタートします。ちなみに朝食はバケットみたいな、かったいパンと目玉焼きだった。


「まずは魔法の基礎知識からじゃな。魔法とは自身の魔力を術式によって変換し、特定の現象を引き起こす。たとえば、昨日儂が放った『ファイア』などがそれにあたる。魔法名に関しては人それぞれじゃな。昨日の魔法であれば、他にも『火球』や『ファイアボール』と呼んどる者もおる」


テキトーかよ。まぁ、自分に合った呼び方をしていいって事か。うーん、ネーミングセンス皆無だから、俺の場合適当に『火』とか『水』でいっか。考えるのがメンドクサイ。


「はい、師匠、質問です」


「なんじゃ?」


「術式って何ですか?」


「術式は魔力をどう変換するかの、『式』じゃ。あー、『式』じゃと分からんか?つまり絵じゃ、絵。と言っても、これも人によって異なることが報告されとるからのお。故に強力な術式は、一族の秘伝などとしている者らも存在しておる」


ふむふむ。


「例えば、火を出す術式でも人によって違うってことは、効果も違うんですか?」


「うむ、その通りじゃ。簡単な術であれば、そう大きな差はないが複雑な術式ともなれば、威力も効率も違ってくる」


・・・うーん、取り敢えずその術式が良く分からんのですが。魔法陣を書けとか言われたらどうしよう。コンパスなんか持ってないから、キレイな円を描く自身もないし。


「師匠の術式はどんなのですか?」


「儂のか?儂の場合、『ファイア』ならこれじゃな」


そうして師匠は手に持った長杖で地面に術式を描く。で、出てきたのが、円の中に三角形を描いただけ。しかも形は歪。え、これだけ?


「・・・あの、師匠。こんな簡単なものでいいんですか?」


「うむ、問題なく発動するぞ?所詮、魔法は突き詰めてしまえばイメージを固めれば発動するからの。じゃから、自分の中のイメージを固めるために、詠唱などを最初のうちは絡めて、発動するものが殆どじゃの」


「師匠もそうだったんですか?」


「まぁ、最初だけな。慣れれば初めて発動させる魔法であっても、術式を頭に浮かべれば発動できるようになるがの」


「・・・術式省いても、発動ってしますか?」


「せんな。さっきも言うたが、現象を起こすための『式』じゃからな。土がなけりゃ、植物は育たんじゃろ?」


土無しでも、育つ奴ら結構いますけどね。なんなら綿に豆埋め込んで湿らせれば勝手に育つやつとか居ますけどね。


屁理屈は置いとくとして。まぁ・・・なるほど。つまり術式っていうのは、土台なわけだ。魔法を発動するための。


うーん、けど式。式かぁ。火を起こす式?うーーーん??


ってか、魔力を式に変換って言われても困る。何でかって?魔力なんか感じないからだよ。


「師匠、俺--」


「『私』と言いなさい」


・・・そうでしたね。


「・・・私、魔力感じたことがないです」


「そうか。一旦術式に関しては置いておこう。場合によっては、ふと頭に浮かぶものだからの。ではヒスイよ、手を出せ」


師匠に言われた通り右手を差し出す。


「両手じゃ」


「あ、はい」


師匠に両手を握られて、微妙に手がポカポカする。


「どうじゃ、ヒスイ。手が温かくなったのではないか?」


「はい」


「それが魔力じゃ。その熱をゆっくり腕に行き渡らせてみよ」


そう言われても・・・熱を動かす?えっと、あー、血管を魔力の通路のイメージにすればいいか。魔法はイメージが大事だって言われたし。


んんんんんん~~~~~~・・・


「うむ、よいぞ。そのまま全身へ動かすんじゃ。ゆっくりで構わんからな」


なんとなく分かってきた。確かに全身を熱が巡っていく感覚が分かってきた。この熱が魔力、って認識でいいんだよな?やっぱり血管を通る血液に魔力を混ぜるイメージが一番しっくりくる。ってか、段々熱くなってきた・・・これ、ずっと流して平気なやつ?


「・・・ほう、いいセンスじゃ。感じ取れれば儲けものくらいに思っとったが、『魔鎧(まがい)』にまで達したか。うむうむ、重畳重畳」


なんか、新しい単語が聞こえてきたけど、ホントに熱がそろそろ限界なんですけど!?ポカポカ通り越してボーっとしてきた・・・あ。


「む、いかん!」


膝からガクッと崩れるところを師匠に支えられて、俺は意識を手放した。






--☆






「う、ん・・・」


目が覚めたら、夕方でした。あー、あのまま気絶したのか。感覚的に分かったことだけど、アレはやばい。師匠は確か『魔鎧(まがい)』って言ってたっけ?


で、どうやら俺は庭に寝かされていたらしい。枕替わりか、師匠のローブを頭の下に敷かれていた。で、当の師匠は庭の隅っこの畑?の中を行ったり来たりしてる。取り敢えず、ローブは返そう。と、立ち上がろうとして、満足に立てずにヨロヨロと・・・あ、まずい。違うそっちじゃない!


「あいたぁ!!」


ローブを抱えたまま、千鳥足でおもっくそ木に頭を激突させて、のたうち回っている俺です・・・いったぁ。なんだこれ?歩くどころか、上手く立つこともできない。


「う゛ぅぅ~~~・・・」


「何をやっとるんじゃ、お前さん」


のたうち回る俺のことを師匠が見下ろしていた。で、頭を押さえながら立ち上がったら、またふらついた。あ、あれ!?なんだ、これ!?


「っとと。ほれ、危ないから無理に立とうとするでない。掴まっとれ。・・・ふーむ、まだ酔っとるみたいじゃな」


「酔う?えっと、師匠。なんか体がおかしいです。フラフラするし、なんだか少しボーっとします」


高熱を出した時の感覚に似てる。けど、風邪って感じじゃないんだよな。風邪の時ってなんかこう・・・鼻の奥がおかしな感じがするじゃん?え、しない?いや、すると思うんだけどなぁ。まぁ、いいや。とにかく、熱だけある感じ。けど、修行の時に感じた魔力じゃないっぽい。単純な熱だコレ。


ってか、そう思ってたら、ホントに調子が悪くなってきた。


「うぅん・・・」


「む、いかん。ヒスイ、運ぶぞ」


「ぅ、ぁい」


返事をするのも億劫で、曖昧な返事しか返せない。


で、また意識が遠退いていった。俺の修行1日目は大半を意識をなくして終わった。


び、微妙な成果・・・



静電気対策、教えてくださりありがとうございます。

下駄は数年前、旅立って以来見てないですねw


さて、ヒスイちゃん(?)はしょっちゅう気を失うか、寝てますけど、まだ幼女ですからね。子供なんて、気付いたら寝てますから。親戚の子供も気付いたら寝てます。

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