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3-6:冬がきた

こんなジメジメムシムシ暑いのに、冬の事書いててツライ・・・


※お分かりかもしれませんが、投稿者には計画性という物がありません。

3-6


「む、待て。そこはイカン!」


「え~おじい様、これで『待った』何回目ですか?」


「いや、しかしの・・・」


「しょうがないですねぇ。私は優しいので、いいですよー。さぁ、逆転の手を考えてくださいね?」


「ぬぅ・・・小生意気な孫娘じゃのぅ」


そう言って師匠は考え込んでしまう。以前の予告通り師匠をカモってます。いやー、木工職人の方々が頑張ってくれましてね。取り敢えずチェスができました。装飾は簡単なものだけど、豪商とか貴族向けに今度は豪奢なやつを作ってみるらしい。というか、この冬の間の手仕事にするらしい。


他にはトランプ、オセロ、スケート靴もなんやかんや出来た。将棋は無理だった。ほら、ここって西洋圏に近い地域じゃん?そうなると、当然一文字で意味を表せる漢字とかはあるわけないんだわ。なので、あの小さい駒に字を書くのとか無理・・・ではないけど、字が小さくって地味に読み辛いから断念しました。ウチの師匠、若干老眼らしくって、すげえ見辛そうにしてたしさ。


で、取り敢えず師匠がうーんうーんって考えている間暇なので、窓からやや暗くなっている外を見る。透明度が低い窓からでも分かるくらい、外は一面真っ白な別世界である。この辺って雪少ないんじゃなかったっけ?


はい、絶賛冬でございます。秋も終わりかなーって思ってたら直ぐに冬が来ました。めっちゃ寒い。でも、前世で行った事のあるロシアよりはマシかな。あの寒さはちょっと頭おかしい。なんで、あんな地域に住めるの?って思ったもん。まぁ、ここはそれよかマシとはいえ、それでも寒いもんは寒いんだけどさ。


ってなわけで、俺と師匠は竈をガンガン燃やしてリビングで温まってるわけだ。因みに竈の火は師匠の火魔法だけで維持してる。燃料である薪を使うのは勿体ないからね。いやー、冬舐めてましたわ。娯楽よりも作るべきはコタツだったと反省している。なぜ、思いつかなかったのか・・・でも熱源どうしようかね?適当な石温めて入れる?いや、火傷が怖いな。囲炉裏とか、作れないかな?まぁ、今から作るのはキツイから来年だね。


「ふむ、これでどうじゃ?」


どうやら師匠はビショップでこっちの孤立したポーンを取ったようだ。丁度こっちの駒の攻撃射程圏外で取りやすいようにしといたヤツである。現状は俺の方が有利に進めてるけど、なんやかんや師匠はこういう頭使う系のボードゲームの呑み込みは早いみたいで、何局か打っただけでそこそこの実力になってきている。まぁ、それでもゲームアプリで暇潰ししていた俺の敵ではない。


「はい、チェックです」


「ぬあ!?」


俺の方もビショップを動かして師匠のキングに王手をかける。まぁ、向こうのポーンを動かせばすぐに防げちゃうんだけど、プレッシャーは掛けられる。そこを守っても、ナイトで奇襲をかける様にしてチェックを掛けられそうだな。それに俺には、いざとなれば『ネットワーク』の検索で似たような局面を検索できるからね。いやー、『ネットワーク』様々ですわ。え、ずるい?勝てばいいんですよ、勝てば。はっはっは。


「う、うーむ、ここは防いで・・・いや、しかし・・・」


再びシンキングタイムに入ったようである。ある程度次に打つ手を予測して、それに対する手を考えておく。で、それが終わったら、脳内でネットサーフィンである。ふぅ・・・平和だなぁ。


「ふわぁ・・・んん・・・おじい様、そろそろ眠いんですけど」


「む、もう夜も更けてきたか。では少し待っておれ」


そう言うと師匠は竈の方で沸かしていた湯を湯たんぽに入れてくれる。で、側に置いてある『ヌイグルミ』に入れる。・・・いや、俺の趣味じゃないからね!?こんな事になったのは理由がある。


というのも服飾工房で湯たんぽを包む布を貰いに行ったときに、抱き枕型にしたら安眠できるのでは?って思って抱き枕について説明して、作ってもらおうとしたら、職人さんが「ヌイグルミにしましょう。絶対に似合います!」とか言い出し始めた。おのれ、店員め余計な事を。


その発言に師匠も乗り気になってしまって、止まらなくなってしまった。せめて少女趣味全開のようなレースとかフリフリだらけのヤツを作られては敵わないので、「おじい様が斃したみたいな、ドラゴンの形が良いです!!それ以外はイヤです!!」って言って、ドラゴンをデフォルメしたようなタイプのものが出来た。まぁ、触り心地は良いし、サイズも丁度良くて安眠できてしまってるから文句も言えないんだけどさ。


で、師匠が湯たんぽを入れたドラゴン型抱き枕を俺に渡してくる。そこそこ重いけど、その辺は『魔鎧』で補強である。最近はかなり慣れてきて、日常生活の中で『魔鎧』の加減を間違えたり、暴発したりすることは無い。この辺は大分進歩したと思う。


「じゃあ、おじい様。私、先に寝ますね。おやすみなさい」


「うむ。おやすみ」


で、俺は先に師匠の部屋に向かう。何で自分の部屋じゃないのかって?単純に俺の身の安全のためです。凍死しないようにって対策のためですね。さすがに朝になれば湯たんぽも冷え切っちゃってるからね。それでもドラゴン型ヌイグルミのお陰でそこそこ暖かかったりするんだけど。まぁでも念のためだ。それに朝一は師匠が火魔法ですぐに熱源を確保してくれるから、凍えることがない。けど、この体になって寒さに弱くなった気がする。元々女性の方が体を冷やしやすいって聞いたな。その影響かね?


とにかく眠気が限界なので、とっとと布団の中に潜り込む。おやすみなさい。











--☆











さて、冬の朝は寒さの影響か、いつにも増して起きるのが億劫になる。っても、師匠が朝一で火魔法で部屋を暖めてから下に向かってくれるので、朝から震えずに済む。ありがたや~。


取り敢えず、すっかり冷え切った湯たんぽ入りのドラゴン型ヌイグルミを抱えて下に降りる。湯たんぽの水捨てなきゃいけないからね。そのまま放置して、イチイチ取りに戻るのが面倒だし。


「おはようございます」


「あぁ、おはよう。朝食ができとるぞ」


「は~い」


さて今日も今日とて魔法及び、スキルの習熟である。あ、因みにポーションの類は普通の清涼飲料くらいの消費期限であることが分かった。まぁそれでも、念のため保存期間は1か月くらいまでにするって、師匠と話し合って決めた。んで、スキルを鍛えるためにも魔法を使いながらポーションを作ったり色々とやっている。日の当たる場所じゃないと寒いから、本当は外に出たくないんだけどね。で、現在は地面に地魔法の『固定』を発動しつつ、師匠の出した大き目の甕にポーション類を種類別に満たしていっている。で、分かったことが一つ。どうやら『薬生成』のスキルは使い続ければ生成できる種類が増えるのと、必要なMPが減るっぽい。


ローポーション:MP100→80

コモンポーション:MP200→160


ってな感じに必要なMPが減った。各種類のポーションのMPがどのくらい減るのかはよく分かってないんだけどさ。


「んあ?んー?んーーーーーー?」


「どうした、ヒスイ?」


「いや、なんか新しい魔法とスキルを同時に覚えたっぽいです」


「ほう」


覚えたスキルは『魔法:氷』だった。夏に欲しかったんですけど!!


で、それと同時に覚えた魔法は単純に物体を凍らせるってものだった。魔法名は、う~ん『氷結』とかでいっか。早速、師匠監視のもと試してみたら魔法陣の大きさや注ぐ魔力の量で氷結する範囲、温度を決められるみたいだ。氷結するんだから、温度は当然0度以下だけど、最終的には絶対零度にもできるかも。消費MPがエゲツナイ気がするけどね。


でもコレって俺にとっては直接的な、初の攻撃手段になるんじゃ?遠隔術式で足元を凍らせて足止めにもできるし、直接触れて凍傷にもできそう。


あ、これでプールに頑丈な氷を張ろう。でもスケートリンクって凄い表面をツルツルにしないといけなかったはず。うーん、その辺は師匠に相談するか、実際にそのまま滑ってみて確認するか。


「おじい様、スケートリンク作りましょう」


「は?」


「折角、レンドさん達が協力して作ってくれたスケート靴があるんですから使わなきゃ勿体ないです!」


「あぁ、あの靴か。ふむ、まぁよかろう」


ってなわけで、庭のプールに積もった雪を師匠の『ウィンド』と、練習って事で俺の『そよ風』で吹き飛ばす。レベルが上がってIntの数値が増加した影響か、最大威力でそこそこの強風にまで出力を上げられるようになった。ふふふ、攻撃手段というには少し弱いかもだけど、着実な前進である。


けど、Intが上がるだけで威力も上がる事には、ちょっとビックリ。悪い事じゃないから良いんだけどさ。それと『水』はそこそこ強めの水弾を打ち出せるようになってるのは確認してたんだけど、『そよ風』は初めて試したからなぁ。


さて、プールの方だけど、水を抜かず放置してただけあって、氷が張っている。ただ、薄い氷なので多分、小っこい俺が乗っても割れるくらいの薄さだと思う。ってなわけで早速ガンガン『氷結』を使って薄氷の下の水も凍らせる。一通り凍らせたら家の中からスケート靴を取って来る。


早速装着して、いざ自家製スケートリンクへ。えっと確か、滑るときは後ろに配置する脚は少し斜めにして押し出す感じで進むんだよな。


「いった!」


俺の記念すべき初滑りは転倒という結果だった。ちくしょう!めげずに立ち上がって、再び滑り出す。その後も何回か転倒したけど、小さい体が幸いしてか、転んでもそこまで痛くない。重心が低い分ダメージが少ないんだと思う。地面までの距離が近いからね。これが大人だとこうもいかない、のかな?


で、さっきからハラハラしながら見てる師匠がようやく安心したらしく、近くで火魔法で火を起こして温まっている。焚火の代わりらしい。因みにスケートリンクだけど、少しボコボコしてるけど一応遊べるから問題ないな。それに氷魔法が覚えられたのは僥倖だ。来年の夏は快適に過ごせると思おう。あとはこの季節だから切実に火魔法が欲しい。


一応師匠の火魔法の術式をアレコレ試してみたんだけど、俺とは相性が悪いのか使えなかった。個人と術式の相性とかがあるらしくって、使えるヤツは使えるし、使えないヤツは使えない。んで、俺の場合は師匠の術式は殆ど使えない。


一部は使えるんだけどね。多分俺自身のレベルとかが関係してるんだと思う。秋のレベル上げ以降、師匠の術式を少しだけ使えるようになったからね。それでも、自分自身のじゃないからか、燃費は超悪いし、効果も師匠のモノほど強力じゃない。だったら自前のヤツの方が使いやすい。例としては師匠の『ウィンド』の術式より、自前の『そよ風』の術式の方が遥かに燃費がいい。3倍くらい。


「おじい様もやりませんか?一応、作ってもらいましたよね?」


「う、うぅむ。寒いのもあるが、ああも立て続けに転んでは腰を痛めないか不安なんじゃが」


「あ~・・・」


それは保証できない。そしてこの季節に師匠に倒れられると、俺が死ぬ。この世界でも死因:凍死とか絶対嫌だ。


「じゃあ、今度せめてベイジ村までの道を作っておきません?師匠に何かあっても私が呼びに行けますし」


「・・・・・・いや、それはやめておこう。お前さんの安全を考えるのならば、所在を知られるのは、あまり得策ではない」


「じゃあ、師匠が腰をやっちゃったらどうするんですか?」


「貯蔵してあるお前さんのポーションの類を試してみよう。虫歯も治ったんじゃ。効くかもしれん」


「それは、まぁ確かに」


うーん、でも助けを呼ぶ方法は欲しいよね。もしくは一人でもベイジ村まで行けるだけの実力をつける。幸い今の時期、魔獣は大人しいか冬眠してるらしいので、上手くいけば労せずレベル上げが出来るかもしれない。それに元々は冬にレベリングする予定だったんだし。師匠の中では早くても来年の想定だったけどね。


「おじい様、別に今日じゃなくて良いんですけど、そろそろ魔獣狩りしません?」


「うーむ、まぁ約束はしたしのぅ。まぁ良かろう。明日以降で雪の降っていない時合を見計らって行くとしよう」


「はい、わかりました」


早速、魔獣狩りで『氷結』が有効かどうか試してみよう。


と、意気込んでいたのはいいものの、スケートをやって外で体を冷やしすぎたせいか、翌日から2日ほど寝込むことになった。・・・今度は病気に効くポーションとかできないかね?






いつも読んでいただきありがとうございます。


また少し間が空きますが、お待ちいただければ・・・


・・・自室にもエアコンが欲しい。

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― 新着の感想 ―
[一言] >因みにスケートリンクだけど、少しボコボコしてる  これは師匠に氷の表面を良い感じに火の魔法であぶってもらえれば、なめらかになるんじゃないでしかね?
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