1-11:女の美への追求こわい・・・
そういや、昔神奈川県の某所に住んでた頃に、小麦粉のシャンプー?試してみたことが実はあったんですけど、乾いたとき、ひっどい事になりました。粉がくっ付いちゃって・・・
一応、この作品に出てくるDIY的なものは全部ネットで調べたりとか、色々やって記載してますが、試すのは自己責任でお願いします。
良い子の皆はマネしないでね?下手すると、怪我するものもあるので!
1-11
師匠のステータス鑑定して驚きまくった俺です。
さて、ランチタイム中なんですけど、師匠に聞かなければならないことがある。あ、因みに昼食は焼いたベーコンとパン、サラダ。以上。お留守番の時よりメニューが増えて満足です。ええ、贅沢は言いませんとも。
「師匠、教えて欲しいことがあるんですけど」
「ん?なんじゃ?」
「今、私たちが居る国の名前って何ですか?」
「国名か?ユースティナ王国じゃな」
よっし!師匠のスパイ疑惑は消えた。もし、師匠がスパイとかだと弟子の俺もそういう風に見られかねないからね。と、内心でホッとしてたら、師匠が顎に手を当てて考えこみ始めた。
「ふむ・・・そういえば、一般的な教養はどうするかの」
あ、そういや確かに。実は俺、読みと話すのは問題ないんだけど、書くのはイマイチなんだよね。この前、冒険者ギルドで留守番した時に依頼ボードに貼ってあった依頼書は読めた。ただ、書くのは覚えなきゃダメらしい。楔文字みたいな、文字じゃないだけ幸運か。ちゃんと1文字ずつ把握できるからね。
で、文法は問題ないんだよね。日本とかと同じSOV式の、動詞を最後に持ってくるような感じだから。んん~~、書けた方が良いのは分かるけども・・・
それよりは、QOL上げたい。
「ヒスイ、これは読めるか?」
と言って、師匠は空中に光る文字を書いた。え、何それ、カッケー。
「えっと、ユースティナ王国ですか?」
なるほど、ああいうスペルなのね。うん、覚えた。
「ふむ、読めはするのか。書くのは問題ないか?」
「えーと、今のユースティナ王国なら書けると思います」
「・・・その内始めるとしよう。今は、森から学べることも多い。ヒスイよ、午後は自由に遊んでくると良い」
「あ、じゃあベイジ村まで送ってください、師匠。そろそろリナ姉たちのところに行く約束なので」
あ、何でリナの事をそう呼んでいるのかと言うと、以前買い出しに行ったときに普通にリナ呼びしたら、「お姉ちゃんって付けなさい」って言われたからだ。お姉ちゃん呼びは、ちょっと恥ずかしかったのでリナ姉、シーナ姉と呼ぶことになった。この呼び方に落ち着かせるのも、一苦労でした。
まぁ、今のところ最年少だからね。しょうがないわ。郷に入っては郷に従えってな。
「ふむ、ついでに買い出しとギルドの依頼も確認しておくか」
って事で、今日の午後はベイジ村へ行くことになりました。あ、ご機嫌取りのために、シャンプーの試作品持っていこう。で、もしもベイジ村でも作ってくれるようになれば、もっと改善された物も出来るかもしれない。よし、それができれば、風呂事情はだいぶ改善される。次はどうするかな。
・・・トイレかな。
まぁ、いいや。取り敢えずそれは後で考えよう。
「師匠、お土産にシャンプーの試作品を持っていきたいんですけど、小さめのビンとかないですか?」
「あぁ、アレか。女にはいい土産になりそうじゃな。うむ、儂の方もユリーや女の魔法使いに持って行って、機嫌でも取っておくかの」
うん、魔法使いのお姉さん方が、美の追求としてシャンプーの改良をしてくれるのを願います。
というわけで、シャンプーを小分けにしてお土産用に包む。よっしゃ、準備完了!いざ、ベイジ村へ!
--☆
「ヒスイ、大人しくしててね?」
おかしい。リナたちとは今日は遊ぶだけだったはず。さて今の俺の現状はリナとシーナと、裸の付き合い中です。お願い、変態とか思わないで・・・
今の俺は幼女、今の俺は幼女、今の俺は幼女・・・(暗示中)
こうなったのには理由があるんです。と、いう訳でちょっくらプレイバックプレイバック。
--☆
取り敢えず、いつも通り村の入口でフォージさんに挨拶した。で、師匠は俺をリナの家まで送ったら、冒険者ギルドへ行ってしまった。家で言ってた通り女性陣のご機嫌取りに行くんだと。・・・この言葉だけだと、師匠が女たらしみたいに聞こえる。違う、と思うけど。違うって信じたいなぁ。で、現在リナの家の前である。
「おばさーん、リナ姉いますかー?」
扉をノックして大声で呼びかければ、バタバタという音が聞こえてバンッ!とすごい勢いで扉が開いた。
「ヒスイ!何でしばらく来なかったのよ!私もシーナも待ってたんだけ--あれ?」
捲し立てられるように文句言われたけど、途中でハタと止まって、ガッシリ顔を掴まれて、ジーっと見つめられる。お、おーい、目が怖いよー?
「ヒスイ、このままシーナのところ行くわよ」
「え、あ、はい」
絶対に否と言わせぬ圧が俺を襲う。え、なに?ちょー怖い・・・
「母さーん!ちょっと、ヒスイ連れてシーナのところ行ってくるー!」
「あ、ちょっと--」
「行こ、ヒスイ!早く!!」
ってわけで、俺はすごい勢いでリナに引き摺られてシーナ宅まで一直線でした。シーナ宅はリナの家からは割と近い。俺の足でも走って2分くらい。
で、あっという間に到着して、リナがバンバンと扉を叩きまくっていた。なんですか?今日のリナちゃんは、暴走機関車ですか?いや、初対面の頃から割とその気配はあったか。
「シーナ!出てきて!早くー!!」
「リナ、うるさいよ。何度も行ってるけど、今うちの親が居ないからいいけど、居たらリナ、叩かれてたよ?」
ウンザリしたような顔でシーナが顔を出す。ああ、何度もって事は、リナの暴走癖は昔からなんですね。よく分かります。
「そんな事より、ヒスイが来たんだけど、ほら!見て!」
グイと押されて、シーナの前に出された。何なんだ、一体?
「・・・ヒスイ、ちょっと髪触ってもいい?」
「へ?え、い、いいけど、シーナ姉もなんだか顔が怖いよ?」
俺を挟んで二人して髪を弄ってくる。確かにシャンプー使って髪が引っ掛からなくなったけど、それだけだ。自分で髪を一房持ってジッと見てみたけど、別に色艶とかは変わったようには見えなかった。
「あの、二人とも?私の髪、変?」
「違うわよ!何で、こんなにスルスルになってるの!?この前膝枕してあげたときより触り心地が良くなってるし、ツヤツヤじゃない!」
・・・あれー?色艶は大して変わんないなって思ってたんだけど。どうやら彼女たちの目にはそうは写らなかったようだ。シーナに関しては、未だに俺の髪から手を離さない。
「えっと・・・二人も使う?この前作ったシャンプーってやつなんだけど。あ、でもお風呂とかの方が--」
俺が小分けにして持ってきたシャンプーの小瓶を取り出せば、二人は肉食獣か!?って突っ込みたくなるような目をしていた。怖いです。少女がしていい目じゃないと思うんだ・・・
で、二人してガッチリ俺の肩を掴んでくる。痛い・・・
「「ヒスイ、今すぐ村長のところ行くよ」」
--☆
ということがあって、俺が使い方をレクチャーするために村長宅にある風呂を借りに来たというわけだ。村長の奥さんであるイエナさんにも、お裾分けをして使わせてもらえることに。イエナさん相手にリナとシーナの交渉合戦が怖かったけどね・・・今日一日で女性の怖さを再確認しました。前世の時も--いや、やめよう。思い出したくない。
で、教えるのと見本を見せるために、リナとシーナの頭を洗うことに。二人分洗って疲れたと思っていたら、俺に矛先が向いたというわけだ。
「ほら、ヒスイ。目を瞑っててね。目に入ると沁みるって言ったのはヒスイでしょ?」
「リナ、私にもやらせてくれる?」
「うん、いいよ」
もう完全にオモチャです。まぁ、手付きとかは優しいから、良いんだけど。師匠に洗わせたら荒々しすぎて痛かった。それ以来師匠には洗わせたことはない。「二度と洗わなくていいです」って戦力外通告出したら、絶望したような顔してたけど、こればっかりは譲れない。師匠の洗い方、痛いんだもんよ。
それに比べたら二人の手付きは優しい。リラックスできてるからね。
「はい、これでよし!さ、一緒にお風呂入ろ?」
シーナに促されて、3人で湯船に浸かる。俺の背が低いので、溺れない様にシーナの膝に乗せられて、リナと向き合う形になっている。
「ふぁ~~・・・」
「ふふ、ヒスイってば、大きなあくび。可愛い」
あくびして気が抜けていたところを、ぷすぷすと頬を突かれる。
「でも、気持ちいいから、ヒスイがそうなるのも分かるわ。それに普段は村長やイエナさんからお風呂を借りられないしね」
と、シーナが後ろでぼやく。やっぱり、この時代風呂は高級品なんだろうね。師匠の場合、土魔法でパパッと作っちゃったけどさ。うん、師匠に拾われて良かった。
「ねー。今日はヒスイがシャンプーを持ってきてくれて良かったよ」
「それはいいけど、そろそろ出ない?」
「何言ってるの、ヒスイ!お風呂なんて滅多に入れないんだから、もっと入っておかないと!」
俺の後ろのシーナも、そうだと同意している。・・・これ、師匠の家に風呂がある事言わない方が良いな。村の住人が突撃をかましかねない。
で、3人そろって逆上せるまで入っておりましたとさ。だから、もう出ようって言ったのに・・・
いつも読んでいただき、ありがとうございます。感想とお気に入り登録も感謝感激です。(土下座)
さて、ちょっと補足です。ベイジ村では一般家屋に風呂なんてありません。冒険者ギルド横に、魔法使い達が力を合わせて作った公衆浴場ならあります。ただ、狭いです。5人は入れるくらい?
村の女性の仕事の一つが、浴場の掃除です。
・・・税金は高いけど、日本で良かった。