1-10:インフレ怖い・・・
最近のストレス解消法はラッコの動画を見ることです。
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風呂場革命の一環であるシャンプー作成に必要なための植物を持ち帰った。約10種類くらい。今は夕方で、師匠は夕食の準備とか色々するらしいから、俺は風呂場でシャンプー作成である。桶には師匠に出してもらって、温めたお湯を入れてある。
で、比率から探っていたら樹液:水=2:1くらいが粘性が強すぎず、かつ泡立ちが申し分ないと分かった。
「ふおぉぉ、ちゃんと泡立ってる!!」
俺は今、猛烈に感動しております。今日一日の苦労が報われた気分です。シャンプー作りのために持ち帰った10種類くらいにもなる植物。それらは一部はハズレだったりしたけど、ちゃんと期待通りの効果を発揮してくれた。
特に、最後に下敷きにされつつ収穫できたマクリウが大当たりだ。本当に界面活性剤だったか・・・
ただ、若干青臭かったので、他の持ってきたハーブっぽい葉や、マクリウの葉を煮出して、ブレンドしたりして試行錯誤してみた。煮出したのは、もちろん師匠です。ありがとうございます。
まぁ、うん。ほんの少し青臭さっぽいのは残ったけど、ハーブのいい匂いもするので、まぁ相殺できたかな?正直ここまで、やんなくても良かったかな?って思ったけど、凝り性な癖が出た。で、効果のほどは、水のみで洗うよりは遥かに改善された。
もう髪が引っ掛かることはなさそうで、安心である。これで、師匠からの頭撫でられ対策は万全だ。
なので、師匠。俺の頭を持って、グワングワン回すように撫でまわすのは止めれーー!!
--☆
シャンプーの試作品を作って数日。配合とかを探るのは、もうこれ以上に関しては限界だと感じたので、一旦ストップ。因みに、「師匠も髪をキレイにしましょう。折角のナイスシルバーが台無しです!」って言って、半ば無理やり洗った。なので、師匠の髪もスルッスルである。結構渋ったから割と酷いことも言ったけどね。
さて、QOL上げるのも大事だが、自分の身を守るための魔法の修行も忘れちゃいけない。それに、使えると便利だしね。まぁ、魔法らしい魔法の修行はしてないけど。はい、未だに自身の強化である『魔鎧』の修行ばっかりです。まぁ、基礎が大事なのは分かるから文句はない。
が!一つ進展がありました!なんと、『魔鎧』の修行中に、たった今頭の中に不思議と魔法に必要な術式がついに浮かんだんですよ!一つだけだけど・・・
ま、まぁ、それでも進展には変わりない!浮かんだ術式は水魔法の術式だ。なんでか分かる。これで、俺も魔法使いを名乗れる!!
「師匠!今、なんか頭の中に術式が浮かびました!!」
俺は庭で畑弄りをしている師匠に声を掛ける。
「おぉ、ようやくか。して、何の術式か分かるか?」
「えっと水魔法っぽいです」
「ふむ。で、あればここでも十分できるか。これが火などであれば場所を変えねばならんかったが」
「えっと、師匠。今頭の中に浮かんでる術式に魔力を送れば発動するんですか?」
「む?頭から水を出したいならそのイメージで良いぞ?」
・・・それ、なんてマー〇イオン?いや、あれは口からだけど。
「できれば手から出したいです」
「ならば、今頭に浮かんでいる術式を、そのまま掌に思い浮かべよ。そしてそこへ向けて、術式に魔力を満たすイメージで魔力を流すんじゃ。あぁ、それと最初は少量でな。お前さんは魔力量が多いからの」
「はい、やってみます」
えーと掌に術式を浮かべて、魔力で満たす。・・・あぁ、なるほど。魔力が流れた術式の部分が光って明るくなるイメージが分かりやすい。で、それを全部光らせて・・・
「って、あれ?師匠、水が出ないです」
「なんじゃと?あぁ、ウッカリしとった。ヒスイよ、スキルは有効にしてあるか?」
「あ」
ってことで、『魔法:水』をオンにしてリテイク。えっと、さっきと同様の手順で、と。
「お、お!おぉぉ!!出た!水が出ましたよ、師匠!」
「うむ、お前さんの初めて使う魔法じゃ。ようやった、ヒスイ」
これを見よ!いや、見た目は手品っぽいけど・・・こ、これも立派な魔法!まぁ、今のところ畑の水やり程度にしか使えないけど。
・・・あれ?どうやって止めよう?あ、でも術式に満たしていた魔力が減ってきてる。減るスピード遅いけど。
「師匠、これってすぐに止めるには、どうすればいいですか?」
「土台となっている術式を消せばよい」
「なるほど」
あ、消えた。と、同時に魔力も霧散した。もったいない。えっと、MPは、と。うわ、20くらい消えてる。総魔力量の10分の1も消費してる。こういう単純な魔法の消費魔力量ってもっと少ないイメージだったんだけどなぁ。
「師匠、結構魔力が消費されたんですけど」
「イメージした術式が大き過ぎたんじゃな。もっと小さくイメージして使用するように。儂の場合、極小の術式を幾つも重ねておいて、発動と魔力の充填を繰り返すんじゃ。これならば、自分の望んだタイミングで止められる」
なるほど。術式を弾倉とかってイメージにすればいいのか。試しに俺も術式を小さく・・・あ、意外とムズい。小さくしていくと、術式の線とかが潰れていっちゃうから、明確なイメージをしないといけないのか。
けど、あとはイメージ次第だよな。反復練習あるのみだ。ってことで、必要なスキルなどをオンにして、ひたすら練習。『自己治癒補正』のお陰で、いくら使っても1分待てばMPが全快する。
それと、『魔法補正』をオンにしたら気持ち威力が上がった。あれだ、ホースの水の水圧が強くなった感じ。これ、Int上げればやっぱり魔法攻撃力が上がるのか。ついでに、検証として『物理補正』もオンにして『魔鎧』で覆った状態で重いものを持ったりしてみた。
こっちも効果のほどは『魔法補正』と同じだった。・・・無いよりはいいかな、ってくらい。んー、このスキルって強化される数値が、種族値/4だからなぁ。/4が取れれば強化される数値がそのまま40になるんだけど・・・まぁ、微増であっても有難い。
さて、俺が水をひたすら出すジョウロと化しているのに飽きたのか、師匠は畑弄りに戻っている。よっしゃ好都合。この隙に、今まで気にしてたけど出来てなかったことを実践してみる。それはズバリ師匠の鑑定だ。ってことで、はい。
・リガウス・ドミナンス(58歳)
種族:人間
Lv:211
性別:男
状態:正常
HP:2045
MP:6112
Atk:1721
Def:1610
Int:6144
Mnd:6010
スキル:
『鑑定』
『直感』
『毒耐性』
『魔法耐性』
『魔力回復』
『魔法成長補正』
『魔法武装』
『過負荷』
『ユースティナ式剣術』
『ユースティナ式槍術』
『ユースティナ式杖術』
『魔法:火』
『魔法:水』
『魔法:風』
『魔法:地』
『魔法:血』
・・・師匠、強すぎませんかね?どこのラスボスですか?俺のステータスが米粒に思える。スキル数では勝ってるけど、絶対勝てないわ。あと初見のスキルも結構あるな。確認しとこう。
『直感』-『咄嗟の判断に対する結果に上昇補正がかかる。また所謂、第六感が当たりやすくなる』
『毒耐性』-『毒物に対して耐性を得る』
『魔法耐性』-『魔法攻撃に対して耐性を得る』
『魔力回復』-『Int+Mnd/1分の数値MPを回復し、1日に3回までMPを最大値分を超過して回復できる』
『魔法成長補正』-『魔法系統ステータスの増加時、種族値の数値を加算する』
『魔法武装』-『MPを消費して任意の武装を具現する』
『過負荷』-『MPを通常より多く魔法に対して使用することで威力を上げる』
スキルも強力過ぎませんか?特に『魔力回復』の効果がヤバい。えっと師匠のIntとMndのステ合計って12000以上で、1分でその数値回復するんだから、1秒に200くらい回復?30秒で全回復って・・・こんなん魔力が尽きることがない一人人間無限砲台じゃん!
あと魔法に偏ってるけど、別に物理が弱いわけじゃないっぽい。スキルに近接戦闘用のスキルがあるからね。
『ユースティナ式剣術』-『ユースティナ王国式の剣術』
『ユースティナ式槍術』-『ユースティナ王国式の槍術』
『ユースティナ式杖術』-『ユースティナ王国式の杖術』
で、気になるワード。ユースティナ王国とやらの存在だ。今いる国の名前かな?・・・さすがに他国ってことは無いよね?スパイとかじゃないよね?仮にそうだとしたら超困る。
一応聞いとく?
そろそろ昼飯時だし、昼食にしながら聞いてみるか。ということで。
「師匠ー、お腹が空きましたー」
「・・・師匠使いの荒い弟子じゃの」
なんやかんや用意してくれる師匠は、良い人だと思いました、まる。
昔、水族館のラッコが一生懸命ウニを手に持って割ろうとする映像を見たんですよね。窓におもっくそ叩きつけて割ろうとしてるんですけど、棘が痛かったらしくて、叩きつけるたびに手がプルプルしてたんですよね。それ以来、ラッコが好きです。