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1-9:風呂場革命

子供は大人を振り回してなんぼ。

1-9


ベイジ村でのお留守番から数日。俺は決意を新たに、宣言します・・・


QOLを上げるぞーー!おーー!!


皆さん、おはこんにちばんわー。


え、今さら?いやいや、今度こそやりますから。そのために、まずは風呂場革命やったるぞー!


さて、思い出して欲しい。この家を家探しした時のことを。この家には風呂場がない。水浴び場ならあるけど。ここ重要。水浴び場ならあるんです。


どういうことかと言うと、水捌けのいい岩?の床材が設置されて、排水口があるだけ。で、どう使うのかと言うと、服を脱いで師匠の水魔法で丸洗いされます。文字通り丸洗いです、ええ。ジャガイモにでもなった気分でした。まぁ水温はある程度コントロールできるとかで、ぬるま湯位の温度で洗ってくれるから、冷水じゃないのは感謝してるけど。


で、使用した水は師匠が操って全部排水口に流すもんだから、ほぼほぼ乾かす必要なし。まぁ、髪とかは若干濡れたままになるんだけど。流石に細かい部分まで入り込んだ全部の水は操れないんだと。


・・・はい、師匠とはいつも一緒に入ってます。まぁ、元々中身男だから、羞恥心とかないからね。それに、師匠が居ないと水使えないし。


とにかく、そんなこんなで風呂事情には不満たらたらなんですよ。で、不満を口にして、風呂が欲しいとオネダリしました。師匠に。中身アラサー男性の体裁とか、意地とか、プライドとか、そんなん打ち捨てました。あまり思い出したくないので、語ることはしません。・・・しないからな!?


うぅ、今の俺は幼女、今の俺は幼女、今の俺は幼女・・・(暗示)


とにかく!!その甲斐あって、今の俺の目の前には立派な浴槽があります。師匠の土魔法でパパッとできた。本人は渋ってたけど。念願の、浴槽はできた。因みに床材の岩と似た材質の岩風呂です。


さてあとは他に体を洗う石鹸とかシャンプーだ。最悪シャンプーだけでも欲しいかな。えっと、どう作るんだっけ?油と・・・重曹?とかだっけ?


俺は記憶力がそこまで良くはない、と思う。ってことで、今まで使ってなかったスキルをついに使用する時が来た!!


「カモン!『ネットワーク』!」


ふおぉぉぉ!!久しく見てなかった、〇oo〇l〇大先生じゃないですかー!懐かしの検索画面!じゃあ、早速検索!


えーと・・・


苛性ソーダ・・・どう作るの?グリセリン、油脂の加水分解。うーん、どうすっか・・・


ってか、苛性ソーダとかはあったとしても、使いたくねー。廃液処理とかメンドクサイし、この体だとウッカリ液の入ったビンとか落としかねないし。そうなった場合、未だ治癒魔法の使えない俺だと、下手すりゃ死ねる。あー、いや死にはしないかもだけど、間違いなく皮膚とかは爛れるか、溶ける。


あ、こっちのシャンプーの作り方なら割と簡単?小麦粉とかでもいいんだ。塩でも可能、と。でも一番確実なのはハーブか。匂いとかも。ん~~、メンドクサイ。一応、水魔法で汚れは一通り洗い流せはする。ただ、皮脂汚れとかは微妙だから、小麦粉が作りやすさとか効果とか手間的に最有力かな。


あ、良いまとめ記事あった。要約すると、一番簡単なのは小麦粉を煮詰めたものが一番楽?それに、少量色々足すのだったら実現できそう?


って事で、作ってみる!


・・・はい、師匠に叱られました。小麦粉を使いたいんですけどって言ったら、食べ物を粗末にするとは何事かって。粗末にするわけじゃ無いんだけど・・・


こうなったら、次の手段!なんかハーブの中には界面活性剤を含んだやつもあるみたいだから、明日から森を探索しまくって、目的のハーブを見つけ出してやる!


なので、師匠。今日も、お風呂沸かしてください!


「まーた、おかしな事を始めおって・・・」


おかしくないよ!役に立つってば!






--☆






ってわけで、翌日。『魔鎧』の修行をやって、昼飯を食べた後。森の散策に出かけております。師匠も同伴でだけど。一応、もう森は安全っちゃ安全だけど、念のためらしい。


「師匠、心配し過ぎじゃないですか?そんなに遠くに行くつもりはないですよ?」


「念のためじゃ。お前さんの行動は予測が出来ん」


子供の行動なんて全部そうだと思うんですよ。いや、俺の中身は大人ですけども。まぁ、いいや。実際に何かあっても、師匠なら対応してくれるだろうし。


「で、何のために森の中を探索するんじゃ?」


「『シャンプー』の素材探しのためです」


「しゃ・・・?何じゃ?」


どうやら、この世界にシャンプーはないらしい。


「えっと、石鹸の髪を洗うやつです」


「そんな物があるのか?どこで知ったんじゃ?」


ふふふ、ここで狼狽える俺じゃない。当然、対策をしていますとも。


「実は、新しいスキルが増えてたんです。『ネットワーク』ってスキルです。聞いたことありますか?」


「ねっとわーく?いや、無いの」


「なんか、分からないことを調べられるみたいです。分からない事もあるみたいですけど」


はい、『偽装』のスキルで誤魔化してます。で、更新した俺のステータスはこう。


・ヒスイ(4歳)

Lv:1

種族:人間

性別:女

状態:正常

HP:19

MP:211

Atk:4

Def:6

Int:80

Mnd:121


スキル:

『ネットワーク』

『鑑定』

『危機察知』

『物理補正』

『魔法補正』

『成長補正』

『魔法:火』

『魔法:水』

『魔法:治癒』



ってな感じで、増やしました。これで、問題なし!


「ふむ、なるほど、の・・・まぁ、良いじゃろ。便利と言えば便利じゃしのう。それにスキルが万能でないのは分かり切っている事じゃからな」


うん、師匠って心配性といえば心配性なんだろうけど、基本は大雑把なんだよね。だから、誤魔化せると思った。さて、探索に戻るとしよう。


探索の仕方は単純。『鑑定』を駆使しつつ、良い匂いのする植物を探す。目的の植物の特徴を師匠にも伝えて、手伝ってもらう。特に高いところとかは届かないからね。


で、師匠と一緒に森を散策してたんだけど、一つ忘れていたことがある。俺の体力のなさだ。俺のステータスは魔法系統に偏りまくっているからね。貧弱なんですよ。


そして、息を切らせながら師匠に教わったことが一つ。体力とそれの回復の度合いは、AtkとDefの影響を受けるらしい。そして、普通の子供でもAtkやDefは少なくとも10はあるとのこと。で、俺のAtkとDefはどちらも普通の子供の半分程度です。HA、HAHAHA。


「ぜぇ、はぁ・・・」


なので、俺は息を切らして死にそうになっております。マジきっつい。


「のぅ、ヒスイ。そろそろいいのではないか?そこそこの種類は集まったと思うんじゃがのぉ」


「ま、まだです!せめて、あともう一種類欲しいです!」


「・・・ヒスイも女ということかのぉ」


・・・どういう意味?いやいや、俺は衛生学上とかの観点から、使えそうなのを探してるんですけど!?あれか?女の美意識的なのが原動力と思われてる!?心外なんですけど!


そもそも原因の一つは師匠なんですが!?


というのも、最近髪がバッサバッサしてて、頭に触られると毛が引っ掛かって引っ張られるから、痛いんですよ!もちろん、毛をひっかけて引っ張る張本人は師匠である。頭撫でるのは百歩譲って許せても、痛みを伴うのはノーサンキューなんですよ!!


「ぬぬ・・・あ」


と、師匠を恨めし気に見上げていたら、その後ろに新種発見!


「師匠、あれ!あれ取ってください!」


「ん?あー、微妙に届かんの。ほれ、ヒスイ。抱え上げてやるから、自分で取れ」


「はい!」


俺は師匠に抱え上げられて、木の枝に巻き付いている蔓植物みたいなやつの匂いを嗅いでみる。ふんふん、んー、ハーブの種類ってあんまり詳しくはないから、匂いは形容しがたいけど、いい匂いはする、かな?よし、鑑定!


『マクリウ:木を締め付ける様にして育つ寄生植物の一種。茎の内部には僅かに粘性のある樹液をため込む。毒性なし』


お?粘性のある樹液とな?期待できそうじゃね?ってか、こんな植物聞いたことない。一応、小麦とかキャベツとか、地球と同じ植物もあるんだけど、こういう独特なやつとかを見ると、異世界だなって改めて実感する。


っと、茎って事だから、葉ではなくこの植物丸ごと欲しいところだな。


「師匠、この植物!この植物持って帰りましょう!いろいろ試したいので、茎ごと切って持って帰りましょう!」


「・・・他のように葉だけではダメなのか?」


「鑑定で見てください!茎の中に樹液をため込むんです!その液が欲しいんです!」


「しかし茎ごとではのう~。嵩張るんじゃが」


「お願いしますー!どうしてもコレが必要なんですー!!」


「・・・はぁ、分かった分かった。切って構わんか?引きちぎるのは、疲れそうじゃしの」


「多分、大丈夫です。あ、でも樹液が垂れ流しになると困るので、切ったところは焼いて液が出ない様にしてほしいです」


「注文が多いのう」


「そう言いつつ、師匠がやってくれるのを弟子の私は信じてます!」


「・・・調子のいい弟子じゃの」


師匠はそう言いつつ本当に魔法で、茎を焼き切ってくれた。


「はぁ、まったく。ほれ」


「わ、ちょ、投げないで--ふんぬぅぅ」


う、唸れ俺の貧弱な筋肉!あ、ダメだコレ。


「し、師匠~、へ、ヘルプミー」


「何じゃ、その言葉は?ほれ、これも修行じゃ。腕に力を入れたまま、『魔鎧』を形成してみよ」


「は、はい~」


お?意外といける?取り敢えずバランス取りつつ、持つことは出来る。あ、でもアカン。これ、足も強化しないと支えらんない!と、とと・・・


「ぎゃ」


べしーんと盛大に尻餅をついて倒れて、持っていたマクリウという植物の下敷きになる。こ、このツタ意外と重い!


「し~しょ~う~」


「はぁ、まったく」


取り敢えず、すったもんだあったけど、目的を達成できそうなものは手に入れた。あとは持ち帰って作るだけ!


ってわけで、師匠!持てるものは出来るだけ持つんで、そっちの重い物系はお任せします!あ、待って!お願い、捨てないで~~~!!!



最近、まだまだ寒いですよね。春よ、早く来い。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 水シャンをしている者です。 水だけで髪を洗ってもバサバサになりません、バサつく要因がありません。 逆にしっとり艶髪になります。 基本的にシャンプーするより水だけの方が髪質自体は良くなり…
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