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ぷろろーぐ

ここでは初投稿になります。不定期更新です。

ぱんぱかぱーん


盛大な音量が鳴り響いた影響で飛び起きる。こんなアラーム設定した覚えはないぞ!?


「なんだ!?」


「おっはよーございまーす。髪切った?あれ?違う?」


目の前に飛び込んできたのは西洋圏の顔立ちをした若い女性だった。いわゆるブロンド美女である。んでもって、未だに覚醒したばっかで意識がはっきりしない。えっと?そもそも何で目の前にこんな美人さんが居るんですかね?そして、髪は切ってない。ここ3か月くらい。ってか、ネタ古くないですかねー?あの番組終わったのって何年前だっけ?


「あー・・・ちょっと待ってくれますか?起きたばっかで意識が曖昧というか、記憶が曖昧というか・・・」


「えぇ、そうですよね。いいですよー」


よしよし、待ってくれるらしい。さて、寝る前のことを思い出そう。えっと昨日は仕事終わって一人飲みしてて--おい、可哀想とか感想を抱いたやつ、表へ出ろ。いいだろうが、一人飲み!男はなぁ一人の時間、ただ酒と己と向き合って内面を磨くのだよ。・・・み・が・く・ん・だ・よ!


そう、好き好んで俺は一人飲みしてたわけです。だから可哀想とか思われる筋合いはない。無いと言ったらない!友達だってちゃんと居るし。


うん、現実逃避はここまで。やっべー、その後が思い出せん。残業続きで鬱憤溜まってたからか、結構酒がカパカパ進んで・・・で?ダメだ、やっぱり思い出せん。というかここどこよ?


見た感じ病院の個室?っぽい雰囲気はある。急性アルコール中毒にでもなって搬送されたとか?


「大丈夫ですかー?うーんやっぱ死んで魂だけの状態ですから、存在が曖昧になってるんですかねー?」


「・・・はい?」


待って。まってまってまって。今なんて言った?What do you say?


「死んだ?誰が?」


「ん」


ピッと俺の方に白くて細い綺麗な指が向いている。はっはっは、冗談キツイっすわー。


「冗談ではありませんよ?あなたは死にました。断言できます。そして私は人間ではありません」


「ウソだろ!?」


「ウソじゃないですぅー。見なさい、この後光を!」


そう言ってほどほどのボリュームの胸部装甲を張って、ふんぞり返る美女。言われてみれば、確かに後光が差してる。なんてこった、貴女が神か!?


「いやいやいや!それにもビックリだけど、死んだってなに!?ってか死んだ記憶なんかないんですけど!?」


ってか、あってたまるか!


「まぁあれだけ深酒したら、ねぇ?一応聞きます?あなたの死因」


「お、おう」


そう言うと彼女はカルテみたいな黄色いファイルをどこかから取り出してその中身を読み上げる。


「えぇっと、死因:凍死」


酒じゃないじゃん!!凍えて死んだんじゃん!


「深酒した後、帰宅途中に自宅前の植え込みの植物の下に潜り込んでそのまま凍死したそうですよ?雪が降ってましたから、雪は避けようとしたんですかね?」


がっでむ!何じゃそりゃ!?え、そんな死に方したの俺!?なぜそんな所で寝た!?雪降るくらい寒いんなら家に入れよ!自宅目の前じゃん!確かに自宅のアパートの前には植え込みがありますよ!雪は防げるだろうけど、気温はどうにもなんないじゃん!


「あ、因みに植え込み部分から微妙に出てた体の上、というかコートの上には雪が降り積もってたそうですよ?雪、避け切れてませんでしたね?」


いらねー!そんな情報いらねー!


「あ、葬儀も既に執り行われた後です。死因を聞いたら、泣いていたご家族の方々、揃って苦笑いになったそうですよ?」


そりゃね!そうもなるわ!俺だって家族の誰かがそんな愉快な死に方したら苦笑もするわ!しかも某北国とかなら分かるよ?ウォッカとか飲んで路上で凍死とか!実例として聞いたことあるし!けど、よりにもよって日本の、しかも首都圏でそれって!


「あ、因みに未だご存命のあなたのお爺さんだけ大爆笑していたそうです。『さすが儂の孫だ!』だそうです」


クソジジイ!!


あー、あーあーあー・・・


俺は羞恥心でしばらく体育座りで精神の回復に努めましたとさ・・・




--☆




「まぁまぁ、過ぎたことは仕方がありません。世の中もっと可笑しな死に方してる人だっていますから」


「・・・そういうのは、見てる分にはいいんだよ。いざ我が身になると、何とも言えんのだよ」


今何してるかって?相変わらず項垂れてますが?


それをブロンド美女の方--女神?に慰めてもらってます。アラサーでも男の心はガラスなのですよ、フッ・・・


あー、やめやめ。もう、うん。いいわ。落ち込むの終わり。とにかく俺は死んだ。それは事実っぽい。まさか録画映像とはいえ、自分の葬式を見ることになるとは思わなかったわ。あー、一人暮らしの部屋にあった荷物どうなったかなぁ・・・


中身見ずに捨ててくれてればいいけど。信じてるぞ、弟よ・・・

親に見られた方がダメージデカいからな・・・


「さて、落ち込んでいるところ悪いのですが、改めまして」


彼女がパチンと指を鳴らせば

ぱんぱかぱーん

と再びファンファーレがどこからか鳴り響く。


「おめでとうございまーす。あなたは70億分の1に当選しました~」


「はぁ」


「そこは喜んでくださいよ~」


「いや、何に当選したか分からんし・・・」


「ずばり!異世界への転生権で~す!ぱちぱち~」


・・・うーん、どうなんだろう、それ?いや、分かるよ?そういうネット小説とかマンガ好きだし。ただなぁ・・・


「あー質問いいですか?」


「えぇ、何でも聞いてくださっていいですよ?」


「えっと、その異世界ってどんな感じ?」


「どんな感じ・・・うーん、平和と言えば平和ですよ。現状国家間の戦争とかもないですし。小競り合いはありますけど」


それは平和・・・なのか?


「それと時代背景としては地球の大体14、5世紀くらいをイメージしていただければ。国家群に関しては西洋風な文化が根付いたものが殆どですね。あと、一応日本みたいな所もありますけど、鎖国してて遅れてる感じですね。5世紀分くらい。それに、島国で閉鎖的なので、行くことはあまりお勧めできません」


えーと、つまり日本みたいな所だけ10世紀くらい?鎌倉時代の近辺か。というか、世界全体として14、5世紀くらいってそこまで発展してるわけじゃ無いよなぁ。微妙~。


いやね?現代日本の利便性を知っちゃってるとさ、大抵どこ行っても不便さを感じると思うよ。実際よく海外行ったけど、いわゆる発展途上国とかだと、ねぇ?どうとは言わんけども。


「それと、一応魔法があるのでちゃんと使えれば、そこそこ便利だと思ういますよ」


「地球でまた転生するとかは?日本に」


「当選権のキャンセルはできませ~ん」


「そもそも抽選に応募した記憶がない件について」


「地球に居る限り強制です♪」


なにそのくそげー。選択の権利はないんですか。人権団体を呼んでくれ。ないんですね、はい。こうなったら、転生先で楽しまくるために、あらゆる要求をしてくれる。


「あ、転生特典はありますけど、あんまり無茶な要求しないでくださいね」


「・・・心を読まないでください」


さて、取り敢えず付与してくれるという転生特典の制約は以下の通り。

・地球のもの(スマホとかの物質)は持ち込み禁止。つまり知識や技術はOK。

・世界というか惑星を壊すレベルの力はダメ(メテオ的なあれ。もし転生先で身に着けてもブッパしないでね)

・精神系は非推奨。(魅了とかそういうの。ダメな理由:「私がそういうの嫌いなんです」)


おい、最後の。まぁいいけど。元から取る気ないし。


で、取り敢えず相談の結果、『ネットワーク』というスキルを獲りました。脳内で地球のインターネットに繋げる優れものだよ!


・・・本当は地球のものを召喚できるような通販系のスキルとかが良かったんだけど、さっきの制約に抵触するからダメだった。なんか、世界の原子量の絶対数は決められてるからどうだのこうだの・・・

話が長すぎたので聞き流しました。


「もう一回講義しましょうか?」


「やめてください、お願いします(土下座)」


「まぁ、いいです。取り敢えず貴方を転生させる目的をお話しします」


「あ、ハイ」


これも話が長かったので、まとめると

・世界の発展が遅い

・どうやら本当に運悪く、次々世界の発展に必要な人材が次々死亡(死因:病死、戦死etc...)

・一応何かの干渉じゃないかと疑ったがマジで運悪かっただけ。というかその所為で総人口が減ってヤバい

・ってわけで、どうにかこうにか総人口増やすために人助け諸々よろしく!


「・・・取るスキル、治癒系の方が良かったか」


「いえ、正解だと思いますよ~。用意した体なんですけど、私が以前あ--作ったものなので、潜在能力は高めかと~。それと便利なスキル一通り突っ込んどいたので活用してくださいね~」


「あ」ってなに?「あ」って?


「というか作ったってことは、誰かの子供として転生ってわけじゃないんだな」


「だって、自分が産んだ子供が成人男性の記憶を持ってるって、可哀想じゃないですか~?だから、こちらで用意した体でお願いします~」


あ、はい。


「さて、こんなものでしょうか。目的はお話ししましたけど、今度はどうか長生きしてくださいね。そして今度こそよい人生を。ではでは~」


俺の意識は再び黒く沈んだ。

あ、主人公は、基本能天気キャラです。基本は・・・

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― 新着の感想 ―
[良い点] 良い導入! [一言] たしかに…自分の産んだ子が中年のおじさんの精神とかもってるとかやだわ
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