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13.5   その後の処遇




 仲直り大作戦終戦後。


 大会は無事(?)に終了し、みんないい汗をかいて帰った。その日の風呂屋の売り上げは最高記録だったとかなんとか。


 で、巴と千代女はどうなったかと言うと………。



「…………千代女、その、気持ちは嬉しいんだけどちょっと痛いから放して」


「いいえ、もう絶対放さないわ姉上!このまま一緒に帰りましょう?」


「痛いし………何か誤解されそうだから」


「もう、姉上ったら照れ屋さんね!私は一向に構わないわ!」


「私が凄い構うんだけど………」




 べったりだった。まるで母親にくっついて回る幼子のように巴に張り付いて愛を囁いている。見ててこっちが恥ずかしくなってくるぐらいだ。



「………ねぇ千代女」


「なぁにぃ?姉上?」


「千代女はここからどうするの?」


「どうするも何も……私もあの学校に入学するわよ。当たり前でしょ?姉上と一緒に暮らせるなんて夢にも思わなかった話よ。この機会を逃す訳にはいかないわ」


「けど………千代女は父さんと母さんが罰を受けないために私を連れ戻しに来たんでしょう?そのまんまここに残ったらしい父さんと母さんが………」


「「――――――――――――」」


「な、何………カツジも何で」


「いやー…………だって前に両親のことなんてどうでもいいって………」


「あ、あれはちょっと勢いに任せて言っちゃっただけで本当はそんなことおも、おもって、な、ないし?」




 おい目を逸らすな、目を。


 しかし、巴の言うとおりだ。千代女の当初の目的は、無断脱国をした巴を連れ戻しに来たのだった。そうでないと、連帯責任で親もろとも腹切り一直線だからな。



 まだバレてない内に、巴を連れ戻そうってことだったはず。



「あぁ………それについてはどうしましょう。姉上を連れ戻さないと両親があれなのよね………姉上が和国まで戻ってきて、私と一緒に正式な審査を受けて国を出ればまだいいのだけど。金なんぞ望月家のコネを使えばなんとでもなるし」


「そう言えば疑問に思ったんだけどよ、なんで千代女と巴で名前が違うんだ?双子のはずだろ?」


「私は姉上が出てった直後に、望月家っていう和国の中でも上の方の貴族の家に養子として引き取られたの。私の才能が喉から手が出るほど欲しいのは分かるけど、少し強引だったのはいけ好かないけど」


「ふーん…………」


「そんなことはどうでもいいのよ。姉上よ姉上。私としては、正式な審査を受けた方が色々と安全だし両親も処罰を受けなくて済むから、一緒に来て欲しいのだけど………」


「――――――千代女」


「そうよね。せっかく手に入れた居場所だもの。またあの国に戻るのなんか嫌よね………」


「行く、私も一緒に行く」



 え。マジで!?



「…………本当?」


「もう私を放さないんでしょ。だったら、私はその言葉を信じる。私を和国から連れ去って、くノ一のお姫様?なんちって」


「―――――――――」


「ち、千代女?」


「姉上ぇぇぇぇぇぇぇ!!!愛してるわッッ!!!」



 愛の咆哮を轟かせ、巴に抱きつく千代女。苦しそうにする巴だったが、その顔は心なしか嬉しそうだった。


 まぁ、彼女が選んだ選択なら何も文句はないさ。少しの間、いなくなっちゃうのは寂しいけど。




「カツジ。私は………」


「分かってる、皆まで言うな。俺はお前がちゃんと戻ってくるって信じてるぜ。もちろん、千代女を連れてな。学校側には俺も頭下げて、なんなら土下座してでも頼むからさ。――――絶対、無事に戻ってこいよな」


「―――――ありがとう。カツジ」




 ここ最近で、とびっきり素敵な笑みを浮かべて巴は感謝を告げた。その笑顔に迷いはなく、不安もなく、あるのは未来へと期待。


 彼女が彼女らしくあれる、誰もが幸せになれる最高の姉妹の未来だ。





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