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19  魔力ってなんだろう


 キーンコーンカーンコーン


 授業開始の合図の鐘が今日も学園『アナスタス』に鳴り響く。ザワザワとしていたクラスメイト達も一斉に自分の席に座り始めた。


静寂が数秒。ガラガラとドアを開き教室に入ってくるのは一人の男(少年?)


 目つきは悪い口も悪い。身長はこの教室の中で一番小さい140センチほど。襟の長い服で口元を隠し更に腹話術で話すという絶対に口元を見せないという意思を感じる。


「よっし全員い…………セトはまた生徒指導室行きか。まぁいい。んじゃー授業はじめるぞー」



 正体不明年齢不詳、属性モリモリの魔術科担当ベリアル先生である。



「今日は二時間目に実践練習するが、まずはおさらいをしとくか。誰にしようかなー」



 当てられたくないと必死に目をさらす生徒達の中、先生は目を細めて一人を指さす。


 ツンツン頭の黒髪少年、趣味はけん玉、名前はユウキ。



「よしユウキ。ずばり魔力ってなんだと思う。復習だぞ」


「え?俺ですか?え、えーと魔力は体内で生成される特殊なエネルギー?」


「んー70点」


「ななじゅ…………」



 先生(背の低い)は土台に立ち黒板にトントンとチョークを走らせていく。


 見た目は女子ウケしそうだが中身がかなりおっさんなのと口が悪いのがこの先生の欠点だ。人は見た目では測れないといことはまさにこのこと。


 書き連ねた文字に指をさし解説を始める。



「細胞の中では細胞呼吸っつー栄養分を酸素で分解してエネルギーを作り出す働きをしてるんだが、そのとき一緒に作られるのが魔力の元となる『魔素』。『魔素』が体内を循環することで初めて魔力になる。そこら辺の犬っころや魚でも魔力は保有してるんだ。植物はまた違った構造なんだが今は省くか」



 生けとし生ける者、すべての生物は魔力を有している。言うならば見えない血液のようなものだ。生命維持の為には欠かせないエネルギーであり出血死ならぬ魔力枯渇を起こすと死にいたる。



「魔力は非常に不安定なエネルギーだ。で、そのエネルギーを魔術にするときどうなってるかと言うと。魔力は意図的に練り合わせることができる。粘土みたいなものだ。この魔力とこの魔力を水を発生させる形に組み立てて体外に放出するとあら不思議、魔術の完成です。

 勿論、水を発生させるだけでもかなりの訓練が必要だが使えるとかなり便利だ。魔力を魔術に変えることを『魔力変換』という。はいここテストにでるぞー」



 魔力は筋肉のように脳から出る電気信号で操ることができる。しかし魔力だけでは何もできない。目には見えないが身体のどこかには存在すると定義される『魂』を通ることで初めて形作る作業が開始される。何故『魂』の通過が必要なのかは未だ解明されていない。



 作り方は水は水、火は火、電気は電気、といった感じに頭の中でイメージすることが大事の言われている。しかし魔術はかなり感覚と才能が求められる。



「体内で生成される魔力を使用する魔術は『有機魔術』と言われていてだな。有機魔術で作れるものは主に10個、『水』、『電気』、『火(熱)』、『空(気・間)』、『光』、『氷』、『地(岩)』、『爆』、だ。これ以外は作れない」



 すると一人の生徒が手を挙げる。



「なんでそれ以外は作れないんですか?」


「―――――さぁ?そういうルールだから、としか言いようがないな。神様に聞くか『魔神』アナスタシオスにでも聞くんだな」



 ふと、カツジはその言葉を聞いて気になることが浮かんだ。



「(なぁ、鬼神。お前も四大超越神なんて名乗ってるんだから『魔神』アナスタシオスと面識ぐらいはあるよな?どんなやつだったんだ?)」



 『魔神』アナスタシオス。人の身で神にまで到達した、生物を超越した四大超越神の一角。魔術を極めその頂点に辿り着いたその人物は『鬼神』ミオの次に記載されている情報が少ない。


 人と関わることは『太陽龍』シャムスや『人神』イカネよりも少なく男なのか女なのか、そもそも人族なのかも分からない………らしい。


 鬼神は面倒くさそうな口ぶりで応答する。



『あのろくでなしか?知っても意味はないぞ。基本的に自分の作ったラボに引きこもって魔術の研究しかしてない変態じゃからな。

 その上キメラ魔獣やら呪術なんか生み出して人様に迷惑をかけるチ○カス野郎じゃ』


「(一応お前の身体を管理して貰ったりこの数珠を作って貰ったりしたんだろ。その言い草はないんじゃないか?)」


『ッハ!奴は儂のパシリじゃ。儂の頼み事をきくのは当然じゃろ』



 こいつもこいつでかなりのろくでなしだった。


 そんな会話をしていると更にベリアル先生がチョークを走らせ黒板に文字を書き連ねていく。今度は有機魔術とは違う魔術のようだ。



「有機魔術があるなら『無機魔術』もあるよな。無機魔術って言うのは体内で生成した魔力で作り出す有機魔術とは違って、外界にある物を使う。例えば、風だな。魔力っつーのは『魂』を通さないと魔術として使えない。

 『魂』を通さないで放出したりするのを応用したのが魔圧バリアや結界魔術なんだが、それは置いとこう。本題に戻ると、ただたんに魔力を放出すると外界にある物質と反応する。この反応を『魔化する』という。魔化した物質はエネルギーが膨張し攻撃となる」



 風に魔力を通すことによって風を魔化させる。魔化させた風のエネルギーは膨張する。魔化させる魔力の量によって扇風機程度の風から竜巻を起こす風まで変化する。



 ゴウキがカツジとの決闘の際に使用した、地面を操る魔術もこの原理を使っている。地面に魔力を通し魔化させてエネルギーを膨張、攻撃として対象に向かう。



 線密な魔力の操作ができれば防御壁を作ったり芸術作品を作ったりもできる(相当の訓練が必要だが)



 先生はパンパンと手に付いたチョークの粉を払うと、土台から降りて教卓にある荷物を手に取る。


「よっし、おさらいはこんなもんだ。テストに出る物もあるから覚えとくように。実践練習するから、体操着に着替えてグラウンド集合、遅刻厳禁。遅刻したやつには宿題のプレゼントだ」





ユウキ

ツンツンな頭が特徴の少年。趣味はけん玉。ツンツン頭が邪魔で見えないが実は獣人族なので猫耳が生えてる。モブと意外と仲が良い。

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