漫才「お前、タイムリープしてねぇ?」
二人「はいどーもー」
ツッコミ「今日はアドリブで漫才しろ、とのことなんですが」
ボケ「無茶ぶりですね~」
ツッコミ「でも丁度話の種ならありまして。昨日ね~大変だったんですよ」
ボケ「あーそうですねぇ」
ツッコミ「なんか、夜帰ったら僕の家の前に警察来てて」
ボケ「お前んちに侵入した変質者が、ちょうど捕まったとこだったんでしょ」
ツッコミ「そうそう、匿名の人が通報してくれたとか」
ボケ「ストーカーだったんでしょ」
ツッコミ「そうらしいんですよ。家に変な追っかけが侵入してて、通報無かったら鉢合わせてたかも……怖いでしょ~?」
ボケ「そうねー、早く帰ってたらお前刺されてたよ? ナイフ持ってたんだから」
ツッコミ「ひえっ怖~っ! あれ、てかやけに君詳しいけど、そんな俺たくさん話したっけ?」
ボケ「そ、そうだよ。さっき話したじゃん」
ツッコミ「いや今日アドリブ漫才だけど? てかナイフ持ってたなんて俺も聞いてないけど……え? なに、こわ、なんで知ってる?」
ボケ「誤解だって。刺されるってのは、その、ちょっと脅かそうと思って」
ツッコミ「え……ひょっとして、匿名の通報ってお前?」
ボケ「そんなわけないだろ。なんで帰る前にお前と一緒にいた俺が、お前んちの状況わかるんだよ」
ツッコミ「まあそうか。そうなんですよ、相方に偶然帰り道会って長話してたんです。こいつに会ってなかったら、時間的に犯人と家で鉢合わせてたみたいで…………」(ボケを怪訝そうに見る)
ボケ「どした?」
ツッコミ「……やっぱお前、俺の事救ってんな?」
ボケ「いや偶然だろ、結果的にな?」
ツッコミ「いや、思い返すほど不可解だわ。うちの最寄り駅に夜偶然お前がいるのがおかしい。俺埼玉、お前は神奈川在住だぞ」
ボケ「相方の暮らす町並みを、無性に見たくなる時あるだろ」
ツッコミ「それも気色悪いな? 普通に部屋遊びに来いよ。それに帰ろうとした俺を引き留めた話も脈絡なかったぞ」
ボケ「ジョンソン&ジョンソングループは三人のジョンソンさんが設立したって話な。二人じゃなくて三人って驚きだろ?」
ツッコミ・ボケ「「それならジョンソン、ジョンソン&ジョンソンじゃないと文法おかしいんだろ? いやクソどうでもいいわ」」
ボケ「ってお前は言うけど、無性に誰かと共有したかったんだってば」
ツッコミ「いやお前、俺の発言タイミングまで完璧に読めてるな? 拍まで一致してたぞ」
ボケ「偶然だよ、この漫才実はもう五回目とかじゃないから」
ツッコミ「お前、タイムリープしてねぇ? 時間巻き戻す能力持ってんの? いやこえーよ、五回目とか今日かなりヤバいこと起きるやつじゃん」
ボケ「してないしてない、ツーベースヒットで走者生還させたりなんてしてない」
ツッコミ「タイムリーツーベースだそれは、強引に誤魔化してないか?」
ボケ「もう話題変えようぜ、今日何回も聞いたから飽きてんだよこっちはぁ……!(泣きそうな声)」
ツッコミ「いやタイムリープし過ぎて追い込まれてるやつ!?」
ボケ「いいんだ……! お前は何も知らなくて、いいんだ……!」
ツッコミ「俺のために一人孤独に運命と戦ってる奴の面構えしてない? 自分ばっか犠牲にするのやめてくれよ。あー、じゃあ僕最近大事な腕時計失くしちゃって」
ボケ「(ツッコミの肩を掴んで目を瞑る)……あ~、それなら二段目の引き出しにあるな」
ツッコミ「お前、今サイコメトリーしたな? 手で触れて俺の記憶辿ったろ?」
ボケ「してないしてない、松崎しげるほど肌黒くない」
ツッコミ「愛のメモリーだそれは、曲名と肌色関係ないだろ」
ナレーション『さっきからしつこいな~、超能力とかあるわけないだろ?』(エコーかかってる)
ツッコミ「あっ、お前今テレパシーで返したよな!?」
ボケ「ほんとさっきから『我は破壊神……!』だよ、『この世界を混沌へと導く者なり……!』なわけないだろ?」
ツッコミ「お前の中、破壊神封印されてんな? ちょっと主導権奪われてたぞ」
ボケ「『いや、我は辛いものとか苦手だが』」
ツッコミ「カプサイシンだそれは、自分で破壊神って名乗ったろ」
ボケ「『我は破壊神……寿司もさび抜きで頼む』」
ツッコミ「破壊神の癖にすげー子供舌だな? いやほんとお前何なの抱えすぎでしょ、主人公か何か? このあと何が待ち受けてんだよ」
ボケ「じゃあ言うけど。この漫才のオチ、くっそすべんのよ」
ツッコミ「時を戻そう!!」
ボケ「……ほらな? またやり直しだ」
ツッコミ「やめさせてもらおう?」
二人「どうも、ありがとうございました~」
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