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碧い光

頑張って一章完結まで突っ走りました

高級感と人こそ飾り。ド派手な装飾と、人で溢れかえっていた玉座の間は、昼間とうってかわり、静かな時が流れている。

その様を見て、嵐の前の静けさという言葉が暦の頭浮かぶ。


「来てくれたか」

暦の正面、高級そうな椅子に腰深く座り、片手に紙を持つアルが声をかけた。

暦の目が、紙に書かれた文字を映す。スキル『一点集中』が働き、一瞬で内容を把握する。過去一番に冴えた頭が電撃のように内容と何かを結合させる。

──戦力外通告?いや、それなら警告の意味がわからない。

話すより先に呼び出された真意を読み解こうと頭を回転させ始めた暦の出鼻をアルが挫く。


「暦。聞きたいことがある」

静かな部屋に、暦の頭に、その声は大きく響いた。

アルの目は、何かを見定めようとしているかのように、暦の各動作の細部に気を払っている。


暦は返答しない。沈黙を受けてアルは言葉を続ける。

「幸弥を、どう思っている?」


暦の意識に一瞬穴が開けられる。予想外の一撃をもらった形だ。

「それは、どういうことですか?」

なれない敬語を使ってしまう位には、驚いていた。


「今日主らが帰ってきた時、7人が消えていた。

その中にはSランクも一人いる。」

アルが言おうとしていることが、暦には読めた。

驚きは、さっきの一瞬で消えていた。

冷静に、暦はアルの言葉に差し込む。


「幸弥がこれからのリーダー格、それに従うかどうかを聞きたいのか?」

次の言葉を発そうとしていたアルの口の動きが止まる。

目も、先程よりもずっと開いている。

だが、一拍置いてアルは

「そうだ」

そう言った。


途端、暦を眠気が襲う。どうでもいい話だと気づいたからだ。

倦怠感が体を包み、瞼が閉じかける。


その様子を見たアルにも、結論が見えた。


「幸弥は、仲間を殺した。見せしめってだけでだ。

流石にそれは許せない。だから、俺は反対だ」

自分もクラスメイトの命を軽く見ていたことを棚に上げ、暦が言い放つ。


「そうか」

予想していた答えだけに、アルの落胆はなかった。

ただ、

「一人減るのは、少し痛いんだがな......」

少なくなった勇者をさらに減らしてしまうような行動を取った自分を責めるようにアルは自嘲した。



「暦、後は他の勇者に任せて、お前は女だらけの天国に行ってこい」

寝室に戻ろうとした暦の背中にアルがそう声がけした瞬間、暦を中心に碧い球が発生する。

「なんだ──」

──これ。

暦の声は、部屋に響かず、キュウンという音が何度も反響した。


いつの間にか、アルも消え、玉座の間は、異様な静けさに再度包まれた。

次回からは暦の方をメインで追っかけていきます。(主人公だから当然だが)

他の勇者達は気まぐれで書く...かもしれません笑

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