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エピローグ

 プロスポーツはファンあってのものだ。そのファンの声援がプレイヤーを後押しし、劇的なプレーには大きな感動と名勝負を生む。その興奮は言葉では言い表せない。


 私は競馬ファンである。競馬をこよなく愛す普通のサラリーマンだ。


 ハーツクライが英雄ディープインパクトを撃破した第50回有馬記念。私の競馬ファン人生の中で最高の1日であったことは言うまでもない。


 けれど、これ程にまですばらしいレースを観戦でき、そして盛り上がったのには、そこに至るまでの過程があったからだ。


 ブルーとの出会いがなかったら。プレンティがいなかったら。あの中山競馬場での劇的な再会がなかったら…。ひょっとしたら、一競馬ファンとして普通に馬券を買って、あのレースですら普通に一喜一憂していたのかもしれない。


 スポーツを応援すると言うのは、ただその結果だけに左右されるものではない。勝利の喜びを分かちあうためには、ファンも一緒になって苦しんだり、心から応援したりする事も必要であるのだ。


 競馬は私にとって数多くある趣味の中の一つにすぎない。しかし、競馬をやることで多くの人とかかわり、友達になり、そしてみんなと仲良くすることができた。


 豪腕夫妻にしろ、ウルフオーにしろ、サンバ達も。そう、もちろんパチーノであってもその絆を深めてくれるとことになったのだ。


 私が競馬と出会えた事を心から感謝し、これからもいっそう競馬人生をエンジョイさせていきたいと思う。それこそが私にとって最高の幸せとなるのだから。


 さて、有馬記念後、ハーツクライはドバイの地に飛び、国際レース『ドバイシーマクラッシック』で優勝を果たす。日本一になったハーツが今度は世界を制した。


 一方の英雄ディープインパクトは、今年初戦の阪神大賞典を圧勝後、天皇賞春では不滅と言われていたレコードを更新しての優勝を果たした。昨年末の忘れ物をあっさりと手にし、続く宝塚記念でも雨のコンディションにもかかわらず他馬を寄せ付けず完勝した。


 その後、ハーツは7月に開催のキングジョージ6世&クイーンエリザベスDSに出走。世界的名との戦いは僅差の3着に敗れる。


 一方のディープは世界最高峰の凱旋門賞に挑戦。3着入線も薬物問題で降着処分となった。


 この2頭の再対決はその後のジャパンカップ。


 ディープはハーツ以下、海外の有力馬をよせつけず圧勝。ハーツはのど鳴りの発症もあり、このレース惨敗後引退となった。


 そして、ディープは引退レース、ハーツに負けた有馬記念をこの年、あっさり制した。彼の残した戦績は伝説として代々まで語り継がれることとなるであろう。


 日本馬で唯一ディープインパクトを下した「ハーツクライ」


 ディープインパクトとの対決は1勝1敗。その決着付けは彼らの子供達による対決に託されることとなった。


 いつの日か、ハーツの子がディープの子とすばらしい戦いを演じていく姿を今から楽しみにしている。


 私の競馬ファン人生における次の夢は海外の競馬場で国際G1を観戦する事。そして、その際、私の応援する馬が凱旋門賞や、ドバイワールドカップで優勝するのを現地に行き生で体感する。これこそが私の考える最大の夢となるであろう。


 『英雄を破った日。』


 それは始まりに過ぎない。私の人生が続く限り私は応援していく。そう、あの日感じたあの感動を再び追い求めて。


 どこまでも。


 どこまでも。


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― 新着の感想 ―
[一言] 10年くらい経つけど、ハーツクライ産駒は安定感こそない物の父親同様、覚醒したらディープ産駒以上の活躍しますね… ジャスタウェイ、リスグラシューの活躍には感動しました ハーツクライがあの時勝た…
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