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二十六・ファン投票

 12月8日、JRAから有馬記念の出走馬を決めるためのファン投票の最終的な結果が発表された。


 1位は当然の事ながら『ディープインパクト』、2位に『ゼンノロブロイ』、3位には『タップダンスシチー』が入った。


 そして『ハーツクライ』は6位となっていた。宝塚記念、ジャパンカップとロブロイ、タップに先着して2着に入っているにもかかわらず、ファンの人気の低さに若干がっかりしたものの、有馬記念出走を決め、ディープインパクトとの対決が決まったことに私は興奮を覚えた。


 私はこの日から、毎日のようにハーツ、ディープ、ロブロイを頭に描き、有馬記念のシミュレーションを行っていた。


 菊花賞で、ディープインパクトは好スタートから馬がかかり、折り合うまでにかなりの時間を要した。よって有馬記念では後方に控える形を取るのではないかと思えた。


 ロブロイは鼻を切ると予想されるタップのペースにもよるが、ディープよりかは前に位置取るであろう。


 ハーツは?


 ディープの前にいるのか、後ろにいるのか?


 ジャパンカップの最速の足を使えば、ディープより後ろにいてもディープを差しきるのでは?いや、しかし、有馬記念はあの中山競馬場である。ハーツはこの中山競馬場でことごとく惨敗していた。


 皐月賞14着。昨年の有馬記念9着。中山競馬場で走ったのはこの2走であるが、2走とも結果は散々である。


 急な第4コーナー。短い直線。ゴール前の急な坂。後方に待機して直線一気を狙うハーツにとって、これ程相性の悪い競馬場はなかった。


 一方のディープ。大きく出遅れた皐月賞。34秒の豪脚でシックスセンスを2と1/2馬身突き放しての堂々の優勝。


 確かに、ディープにとっても走りやすいコースではないはず。しかし、ハーツと違って、どんな条件でも確実に追い上げるはじける足でゴールを突き抜ける。そんな予感がした。


 ディープの後ろから行っては負ける。


 それでは、天皇賞秋で見せた中団待機策。


 ロブロイとほぼ同じ位置。


 しかし・・・。


 そんな器用な競馬がハーツにはできるのか?やはり後方に待機してディープと一緒にあがって行く。果たして、ディープ以上の足で坂を駆け上がることができるのか。


 私は何度となく頭でシュミレーションしてみた。しかし、何度やっても先頭でゴールを駆け抜ける馬はディープインパクトでしかなかった。



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