表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/30

プロローグ

 プロスポーツはファンあってのものだ。そのファンの声援がプレイヤーを後押しし、劇的なプレーには大きな感動と名勝負を生む。その興奮は言葉では言い表せない。


 私は競馬ファンである。競馬をこよなく愛す普通のサラリーマンだ。競馬はどちらかと言うとギャンブル色の強いスポーツだ。もちろん私自身も勝ち馬投票権に記入し、普通に馬券を購入する。そして馬券として勝つことを喜ぶ。


 しかし、お金を増やすことだけが競馬ファンの目的ではない。


 そう、その劇的な戦いを目の当たりにし、そして、勝利の喜びをわかちあう事こそ競馬ファンたる真の喜びなのだ。


 競馬を愛すようになるには、好きな馬の存在が大事だ。その馬をこよなく愛すようになることで、競馬への熱い思いは強く変わってくる。自分の愛した馬がゴールを先頭で駆け抜けたとき。その興奮は絶頂に達する。血の気はひき、鳥肌がたち。そして、その全身の血がいっせいに体内を全速力でかけまわる。


 2005年の競馬界に一頭の英雄が現れた。『ディープインパクト』。


この馬はこの年、三歳馬クラッシックの三部門、皐月賞、日本ダービー、菊花賞を無敗で制した。誰もがこの馬を愛した。そして、この馬の快進撃に釘付けになった。人はいつしか、この馬を「英雄」と呼ぶようになった。

 

 かつては、「皇帝」が存在した。『シンボリルフドルフ』。

 その子、『トウカイテイオー』は、その名のとおり「帝王」と呼ばれた。2頭の名馬はその輝かしい戦績とともに、今でもその勇姿は語り継がれている。


 歴史の生き証人になるため。2005年、競馬を愛するほとんどの人がこの馬を注目した。そしてこの馬のレースに酔わされた。


 ジョッキーは天才だった。天才『武豊』。


2009年現在、誰もが認める日本ナンバー1ジョッキーである。彼は英雄の走りをこう表現した。


 「飛んでいる。チータみたいだ。」


この馬の走りは馬の走りではなかった。確かに飛んでいるような豪快な走り。一頭だけ違う空間を走っている。そんな馬だった。


 私自身も2005年、もちろんこの馬を見てそして応援した。異次元の走りに酔いしれた。

菊花賞で三冠を達成した日。私は多くの競馬ファンと同様、歴史の生き証人になった。この馬をずっと応援した。そしてこの馬が勝つことだけを願った。ずっと、ずっと応援し続けた。菊花賞の日までは。


http://pachi259.blog45.fc2.com/

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ