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お泊まり会

 アルトは、時々私をじっと見てくる。トムは、目が合うとニコニコしてくる。

 依頼の方は上手くいったのだろうか?

 アルトはちょっと怖いけど、今は何もしてこない。

 私がAランクの実力があると知れば虐めないかな?

 もう同じ環境は嫌だ。女子の方が虐めは陰湿だから、気をつけないと。

 でも、今の私には親友と呼べる友達がいる。

 

 今日がお泊まり会の日だ。みんなで食料を持ち寄って、亜空間内のテーブルに広げる。今日は、ライトの魔法を使っている。私はこの暗さに慣れてるけど、みんなは違うから。

「マナちゃん、これは何?」

「ビッグトータスの甲羅で作ったお風呂だよ。入る?」

「うん!私、お風呂って初めて」

 一人用の風呂なので、じゃんけんで順番を決めた。

 私はいつも入っているから、最後だ。

「ポーラ、意外と胸あるなぁ着痩せするタイプ?」

「ほんまに羨ましいわ」

「あはは。恥ずかしいよ。ジーナさんには負けてると思うけど」

「どうかな?あたしよりも大きい気がする」

「はあ。うちはええんや。マナに勝てれば」

「酷いよ、ソーニャ」

 私だって…そのうちに。


 肉食だからだろうか?発達がいいのは。

 ジーナなんて、甲羅風呂が狭そうだ。

「温くなったら言ってね?」


 大きなベッドを二つくっつけてあるので、寝る場所は充分広い。

 私が普段寝ているのは真ん中あたり。ルビー母さんは入ってきたり来なかったり。ユキは右側で、丸まって寝ている。スカイは頭のあたり。ルードはたまに入ってくる。大概は竜の姿で寝てる。そこにたまに私が毛布を持って行く。下には絨毯が敷いてあるし、亜空間内はいつも適温だから寒さはない。


 リビングと全く関係ない所に絨毯が敷いてあるのはおかしいかもしれないけど、というかキッチンセットを置いていた所にも絨毯は敷いてあるけど、聞かれたら訓練する場所だとでも言っておけばいい。

 広さだけは有り余っているから、眷属達以外を迎える場所を作ってもいい。


 そういえば、勉強する机がないな。魔道具を作る机があってもいいかもしれない。小説読むのも全部ソファーだからな。


「しかし広いな。果てが見えない。薄暗いせいかもしれないが、町位入りそうだ」

「かもね。何かがあれば把握できるけど、何もないから把握のしようがないし」

「じゃあ例えば、私達の誰かが忘れ物しても、マナちゃんにはすぐに見つけられるの?」

「うん。時空魔法の最初に空間把握があるから、全部把握できるよ。じゃないと、収納庫の中に入れ忘れができちゃうから」

「おおー。凄いね」

 私にとっては当たり前の事だけど、時空魔法を持ってない人にとっては凄い事らしい。


 魔法自体が凄い物だと思うけどね。


 ベッドで寝そべって寛いでいたら、中にルードが入ってこようとしてた。

(今日はだめって言ったじゃん!)

(でもマナ、この間もスカイには会ったし)

(あー、もう!寮の部屋の子達には亜空間の事話したから、これからは前よりもまめに一緒にいられるから、今日は我慢して)

 眷属達と違うから、私の亜空間には、友達とは一緒に入らないと入れない。そもそもゲートを開くのが私なんだから当たり前だけど。


(ごめんね、ルード。去年よりは一緒にいられると思うから、我慢して)

(分かった。亜空間移動までは話していないよね?)

(それは大丈夫)


 びっくりした。まあ、ルードも本気じゃないと思うけど。


「どないしたん?マナ」

「ううん。何でもないよ。明日も授業だし、早く寝よう」


 途中ソーニャの寝相の悪さに起こされたりしたけど、楽しかった。

 毛布は今、二枚しかないから寮のを持ち込んでいるけど、今は充分だよね。


 眷属達と違って自分のパーソナルスペースに他人を入れるのは多少勇気が必要だ。

 もし将来、私が家庭を持ったら、どうなるんだろう?今はそんな相手もいないし、正直眷属達以上に大切な存在が出来るとは考えられないけど、両思いの経験がないから分からない。

 

 それは逆もあり得る訳で、眷属達にも主の私以上に大切な存在が現れるかもしれない。魂の繋がりがある眷属達とは絆は切れないけど、どうなっていくのかな?

 

 もし眷属達がこのままでいいなら、私もこのままの関係がいいな。

 眷属達と離れて暮らすなんて、学校だけで懲りたのさ。


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