ルビー母さんの進化
3歳になる少し前にスカイの年齢が2歳になった。そうしたらスキルの縛りがなくなり、幼体の表記も消えた。
ルビー母さんと私のパワーレベリングで、スカイのレベルも上がったし、獲物も自分で獲れるようになった。念話はまだ覚えられないけど、獲物の魔石を持ち帰って来るので、凄く助かる。
(マナ、母さん存在進化しそうだわ)
レベルを見ると99になっていた。自然のままだと進化しなくても、従魔になると進化は良くある事らしい。
(どうしたらいいの?)
(影に入れて。魔物が来たら結界で身を守るのよ!)
(うん。大丈夫、安心して影に入って)
ルビー母さんが消えた蜘蛛の巣は、寂しくなった。
それでも、私の中にルビー母さんの存在を感じられる。
幼体だったスカイは、鳩位の大きさになった。ホークスって事は鷹だから、もう少し大きくなるかも知れない。
スカイが自分の収納庫から何か取り出す。って、もう収納庫覚えているの?魔物だから、固有能力のうちなのかも知れない。
ガラスの破片とか、銀のスプーンとか、光り物が好きっぽい。カラスみたいな子だ。
その光り物を私に見せて自慢してるっぽい。はいはい、良かったねー。
ガラスがあるって事は、鏡もあるよね?
実は私、自分がどんな顔をしているか知らない。
伸びてきた髪が薄紫色だというのは分かったけど、湖面に映した顔では、滝が近くにあるせいで、全く分からない。
スマホのカメラ機能は無くなっていたし、もしや不細工なのかな?
まあ別に、人と交流する機会のない人生だったら、関係ないよね。
ルビー母さんは、次の日に問題なく?出てきた。
問題っていうか、変わりすぎ
ルビー(82) 神の使い マナの従魔
アルケニー
レベル 1
スキル
蜘蛛糸 斬糸 猛毒 麻痺毒 糸拘束 爪攻撃
状態異常耐性 気配隠蔽 暗黒魔法 縮地
解体 暗殺術 念話 結界 守護
蜘蛛の体から、人間の上半身が生えている。色黒の体でナイスバディ。髪は蜘蛛の糸のように白く、瞳は紅い。
「マナ、お母さんにクリーンをかけて頂戴」
クリーンをかけたら、老廃物がボロボロと落ちた。
「喋れるようになったの?」
「声帯もちゃんとあるから。前にもキラースパイダーからデススパイダーに存在進化した事があって、体が大きくなって、その時も体がガビガビになったのよね」
「その時もレベル1になったの?」
「ええ。却って弱くなって焦ったわ」
「そうしたら大変じゃない!」
「大丈夫よ。この辺の魔物に負けるお母さんじゃないから。それに弱くなるといっても経験がなくなる訳じゃないから」
「そっか…あのね、お母さん。そのままの姿は刺激的過ぎると思うな」
南国風美女の裸体は、扇情的だ。遊びから帰ってきたスカイが、危うく墜落しかかった。
何を怯えているんだろう?ルビー母さんなのに?
「あらあら、スカイは怖がりね」
蜘蛛糸でタンクトップを作り、身につけた。
「マナ、しばらく槍を借りていいかしら?」
「あげるよ。私はゲーム内で作れるから大丈夫。それに今の私には長すぎるから」
短剣もあるけど、短い槍を作って練習しておかないと。そもそもが魔物に近づくのが怖いから槍を選択したんだけど。
魔鋼で短槍を作り、振ってみる。少し重いけど、扱えなくはない。振り方がぎこちないのは、今まで短剣ばかり扱ってきたからだろう。
少しダンジョンに潜って練習しよう。
ルビー母さんは、すぐに槍を扱えるようになってしまった。今は料理を作れるようになりたいと頑張っている。
材料は私が提供してるけど、やっぱり野菜より肉の方が好きみたいだ、
ルビー母さんは器用で、ツリーハウスの下に家を作ってそこにキッチンも作ってしまった。
ゲーム内からオーブンや蒸し器等を持ってきて提供したら、レパートリーが広がった。
私も負けていられないな。




