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先生と依頼

 ギルティアの王都に来た。ここの方が他の国よりも情報が集まっているという考えからだけど、甘かった。

 魔物に関する本はギルド本部で保管していて、その本部に入れるのは職員か、Aランク以上の冒険者のみ。


 他の国の図書館に行った方が良かったかな?

 入り口で困っていたら、先生が通りかかった。

「げ」

「げ?酷くないですか?先生」

「本部の前で何やってるんだ?乗っ取りでも考えてたか?」

「先生、人を何だと思ってるんですか?」

「だってよ、戦闘技術を教えるっていうから期待してたのに、散々しばかれて回復魔法使われておしまいだったじゃねぇか」

「教えたじゃないですか」

「おまけに折れた骨まで治すとか、まさかハイキュア以上も習得しているのか?」


 ああうん。ちょっとやり過ぎた所は認める。聖魔法の最高位は、ホーリーではなく蘇生。魂が体から離れないうちに使えば、生き返らせる事ができるとか、怖い魔法だ。ただし、病気や老衰で亡くなった人は無理。

「ルール違反ですよ、先生。しかもこんな人通りの多い所で話す話題でもないし」

「あ、じゃあ先生は本部に用があるから、また新学期に学校でな…こら、手を離せって」

「逃がしませんよ?私、知りたい事があるんです」

「あ?」

「ちょっと場所移しません?」


 近くの料理店に入った。

「先生は、眷属の事についてどれ位知ってます?」

「テイム自体が珍しいスキルだからな。従魔が眷属化したといっても確かめようがないし、まあ、記録位は残っているかもな?」

「その本読みたいなー?」

「お前の従魔…確かサンダーホークとアサシンキャットだったか?眷属にしたいって事か?」

「ちょっと違うけど、眷属について詳しく知りたいな」

「あー。まあそれ位いいか。この前のサイクロプスにゴブリンロードの件もあるし、貢献も充分だ。ただ、家族でパーティー組むなら、母ちゃんと姉ちゃんにも試験受けてもらえ。本来なら2ランク以上離れた人は、パーティーを組めない」

「ダンジョン入るだけなら問題ないですよね?」


「問題はないが、Aランクのパーティーは貴重なんだ。もし母ちゃんも姉ちゃんも強いなら、Aランク4人パーティーができる。それだけで片付けて貰いたい案件が全国にたくさんあるんだ」


「はあ。でも私が学校行ってるうちは家族もあまり動かないと思いますけど」

「何でだ?むしろ安心して冒険に出掛けられるかと思うが」

「何でですかねー?」

 それはみんな、私のわがままで動いているだけだからさ。


「因みに隣国のスーレリアの、ガランの街は知っているよな?」

「…どこですか?それ」

「おい、ギルド試験を受けてそこのギルマスを兄弟揃って打ち負かした所だ」

 ああ。勝手に湖の街とか呼んでた。

「そこの近くの山に化け物熊が住み着いて、近くの村の住民が被害に遭っているんだが…冒険者も何人も犠牲になった」

「あそこの街ではスカイが狙われたから、行きたくないんですよね」

「お前に行けとは言ってない。ここから行くと、行くだけで新学期も始まるし、キラーグリズリーよりも強いらしいからな」

「いいですよ。困っているんでしょう?一ヶ月多く休みますけど、そういう事情なら仕方ないですよね?」

「いや、だから兄ちゃん達に」

「私が行かないなら、誰も行かないですよ?スカイもユキも私の従魔ですし」

「あー。アサシンキャットもか」

「テイムスキル持ちは私だけなので」


「仕方ない。正式な要請を受けたからな。本は閲覧していい。ただし、昔のテイマーの自伝的な物だから、あまり期待はするな?」


 本は、テイマーの青年が、イエローパンサーをテイムした時の話や、青年がいかにイエローパンサーを愛していたか。キラーパンサーになり、人化のスキルを覚えてからは毎日愛しあったとか、読んでいる方が恥ずかしい。そのうちに眷属になり、生涯を二人で過ごした。

 簡単にまとめると、こんな感じ。ちょっと子供には刺激的な内容だけど、青年とキラーパンサーがお互いをすごく大切に思っていたのは分かった。


 他には従魔の話はあるけど、眷属の話はこれ一冊だけだな。

 うん。参考にならなかった。でも、人化のスキルは知られていると思った方がいい。

 特にユキはケットシーに戻ると、まんま猫だしな。

 ケットシーだけど、半精霊のユキは、普通の人からは猫獣人にしか見えないだろう。

 

 精霊は、普通の人には見えない物だ。私にだって勿論見えない。

 ユキが完全に見えなくなるのは悲しいので、今のままでいいけど、アサシンキャットの従魔登録は解除した方がいいのかな?



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