スカイの為に
自然薯がとても美味しかった為、翌日も5階層からスタートする事にした。
ん?あれはもしや松茸?
周囲に松は見当たらないけど、形も匂いもそうだ。
看破 タケマツ 滅多に採取出来ない貴重品 ホルアスのダンジョン産
うん!やっぱり松茸だね!幸せになりたいから運に沢山のポイントを振ったはずなのに、運が違う目的になっている気がする。まあ、ある意味幸せではあるけど。
まあ、充分幸せではある。大切な眷族にも巡りあえて、学校も今の所上手くいってる。野生児なんて妙なあだ名は付いてしまったけど、本当の事だしな。
六階層のキラーマンティスは威圧の練習に使わせてもらった。カマキリなんてどう頑張っても食べられる物じゃないし。
ただ、一回り大きなキラーマンティスは倒した。
振りかぶる鎌をかいくぐり、細い脚を蹴り飛ばしたらバランスを崩したので、細い首?を狙って短剣を振り抜く。
ドロップアイテムは、頑丈そうな鎌。
看破 ソルジャーマンティスの鎌 武器の素材になる
レア種か。食べられないレア種は嬉しくない。
次の階層は、魔の森でもよく出会うビッグボアの下位種。ビッグボア程大きくないけど、短剣が通る大きさではないので、魔法も使う。
眷族達のつまみ食いは見ないふりしてあげよう。
しばらく進むと、毛のないボア…っていうか、豚そのもの?
看破 ボアの特異体 身には臭みがなく、柔らかい
どう見ても豚だ。どうか肉が沢山ドロップできますように。
攻撃方法はボアと一緒だけど、牙がないから怖さも半減だ。
まっすぐに猛スピードで走ってきたのでジャンプで躱して首元に槍を突き刺す。そこに雷を通すと、あっさり絶命した。
よし!ロース肉ゲット!
8階層の毒蜘蛛エリアはサクッと抜けて、九階層へ。
ブラックアリゲーターだ。これは湖ダンジョンでも見かけた。ワニ肉はたんぱくで美味しいんだよね。
10階層のボス部屋は、オークご一行様。私達にとっては何てことないのさ。
出現した宝箱には、肉切り包丁?…まあ、そのうち使うかもしれないけど、売った方がいいかな?私が魔鋼で作った包丁の方が切れ味良さそうだし。
今夜は豚肉のしゃぶしゃぶにしよう。大根おろしとポン酢でタレを作って、薄切りにした豚肉を湯がきながら食べる。
オークとかボアとか豚肉に近い物はあったけど、やっぱり本物の豚肉には敵わない。このあっさり感がいい。
最後の〆にうどんを湯がいて入れる。今日も幸せいっぱいお腹いっぱい!
11階層を有効化し忘れたので、またオーク達と戦う事になった。今回はオーク肉が宝箱に入っていた。
うーん…正直要らない。普通のオーク肉は固いんだよね。
「僕がもらっていい?」
竜に戻ったルードが、生のまま食べてしまった。
「朝ご飯、足りなかった?」
「気分的には満足だけど、たまには朝から肉も食べたい」
あっそ。まあいい。ルードが満足してくれるなら。
11階層は、ホワイトホークだ。サンダーホークの下位種らしいけど、体は倍以上に大きく、氷魔法を使ってくる。
久しぶりに使うスキル、飛翔で丁寧に一羽ずつ仕留める。
ドロップアイテムの肉は、大きいからたっぷりと食べられそう。
(僕もちょっと食べていい?)
(それって共食いにならないの?)
(元の僕でも上位だよ!)
スカイは何か味わうように食べている。
(うん。僕の魔素の方が高い)
実力を試したかったって事?今のスカイは炎鳥だから、それ以上だと思うんだけど?
「スカイ、自信がないのにも程があるにゃ」
(だって、僕以外みんな強いから)
「スカイ、私はスカイの強さなんて気にしていないよ?スカイがスカイであれば、どんな姿でもいいの」
ちょっと抜けてて、何かが間違ってるような所も可愛い。
(ありがとう、マナ)
ちょっと長めにもふってあげた。
うーん。次の階層はシルバーウルフか。
なるべくスカイに狩らせるようにして、褒めてあげる。
この程度でスカイが負けるはずはないので、この辺で少し自信をつけてもらおう。
他の眷族達もそれを分かっているのか、生温かく見守っている。
シルバーウルフの毛皮なら、ある程度いい値段で売れるので、売ったお金でスカイの好きなきらきらでも買ってあげよう。
12階層にだけ行けるようにして、早めにダンジョンを出て町に出た。ギルドで要らない素材を売って、町に出た。
「皮が売れたから、スカイの好きなもの買っていいよ」
(やった!わーい!)
私も、この町はゆっくり見回っていないから、買い物は嬉しい。
私は古着屋で、今着ているものより1サイズ上の服を買った。
「マナには大き過ぎない?」
「すぐに大きくなる(予定だ)から、大丈夫だよ」
ルード…後ろ向いて笑っているの丸見えなんだけど!
今の私は、130センチに少し足りない位。8歳の子の身長にしてはちょっと小さめだけど、成長期だし。
(マナ!きらきら見つけた!)
スカイの所に行くと、鳥の形の綺麗なガラス細工があった。
「わ、可愛い」
スカイにしてはいいものを見つけた。
本人すごく喜んでいるし、良かった。




