表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
64/242

あんこ

 マレサは、結局謝って学校に留まる事になった。

 何でも、ギルド職員を将来的には目指しているらしい。

 上の学校に進めればギルド職員になるのに有利らしいけど、職員が全く冒険者の職業を理解していないのも、ギルドとして困るようだ。

 

 詳しい事は分からないけど、荒くれ者の多い職業だから大変な所だよね。

 

 もうすぐ私も8歳。周りの子が大きいから成長した実感は少ないけど、ブーツが合わなくなってきている。

 ルビー母さんに頼む誕生日プレゼントは決まった。

 スカイとユキは、存分にもふらせてもらうとして、ルードはどうしよう?いつの間にかもらう方が気を使っているけど、本来は祝う方が考える事なんだけどな。

 もう、ミノタウロスでもいいよね?面倒だし。


 大体高級牛肉なんて、前世でもなかなか食べられる物じゃなかったんだからさ。


 夜のツリーハウスに戻ると、いつも通りみんな集まってくる。

「マナ、そろそろ誕生日よね?今年は何がいい?」

「ブーツがいいな。最近つま先がきつい」

「そう?身長は変わらないみたいだけど」

 …それは知りたくなかったな。

「プレゼントって、先に渡してもいいのかな?」

「え?何かあるの?」

 ルードが、珍しい。

「実はこれ。マナの言っていた物かは分からないけど」

 ルードがくれたのは、空豆サイズのあずき?

「調べて、ホルアスのダンジョン産の豆が一番近いかなって」

 色は小豆に似ている。

「調べてくれたんだね!ありがとう!これをあんこにしてみるよ!」


 看破 赤豆 ホルアスのダンジョン産 甘く煮ると美味


 うん!期待しちゃう!そして私も採取したい。


「マニャ、ユキはどうすればいいにゃ?」

「スカイも一緒に私の気の済むまでもふる!」

「にゃーん!」

「だからさ、それ、ご褒美だろ?」

(僕はきらきら作ったよ!)

(うーん…ありがとう?)

 きらきら好きなのに、使用目的が分からない物を作るとか…私よりセンスなくない?ある意味スカイらしいけど。

(だめ?これ嬉しくない?)

(ううん。ただ、どうやって使う物なのかなって)

(きらきらは、見て楽しむ物だよ?)

(なるほど)

 こうしてガラクタコレクションは出来たんだね。

 

「学校はどう?嫌な思いしてない?」

「うん。…いかに今まで私が常識知らずだったかよく分かったよ」

「僕が勧めた事だから、マナの役に立ったなら良かった」

「上の学校まで行くつもりはないけどね」

「それは僕達も嫌だよ。これ以上マナと離れて暮らすのは」

 私だって、眷族達と離れて暮らすのは嫌だ。


 ゲーム内の道具屋に、早速砂糖を買いに行く。出来れば寒天も欲しい。羊羹が作りたい。

「おお…!これは赤豆…種として売られている!」

 やはり私が認識する事が条件なのかもしれない。

 勿論ダンジョンに採りに行くのもいいけど、あんこは使い道が多いからね。農園で育てられる事にこした事はないのさ。


 農園で全種類の物を育てる事はできないから、ある物でやっていくしかない。それでも元のゲームから考えると数は物凄く増えている。

 収穫して、耕して、種と水をまいてゲームを出た。

 また明日も学校だから、早く寝ないと。


 結果から言うと、赤豆から作ったあんこは半分は成功?思ったよりも皮が固くて、食べてて邪魔。

 こしあんは成功。味は微妙に違うけど、まあ許せるレベルだ。

 どら焼きにしてみんなにも食べさせてあげた。

「これがその、あんこ?」

「あんこを挟んだどら焼きって食べ物だよ。本当はどら焼きは粒あんだけど、皮が固かった」

「へえ?マナが好きそうな味」

 別に私も、甘い物ばかり食べている訳じゃない。砂糖だって買うと高いし。だからさつまいもや、果物そのものの味を生かしたデザートが多くなる。

 調味料とアクセサリーの出荷額が同じ位なのだ。

 今は安くなったけど、主食系の種は一つがミスリル製の武器と同じ位の額になる。お陰で錬成の腕前は上がったけど、それ位大変なのだ。

 

 普通は作物を出荷するけど、私は食べてしまうので、お金は減る一方。別の所で稼がなくてはならない。

 

 幸い、赤豆はたいして高くない。助かった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ