マントとゲームの謎
1歳になったのをきっかけに、毎朝ストレッチをする事にした。
いずれは魔物とも戦うし、いざというとき体が動かないのは困るからだ。
ルビー母さんも、遊びという名の特訓をしてくれる。
巣の中心のベタベタしない所だけだけど、その範囲から外れそうになると、糸で絡めて引き戻してくれる。
私のステータスは決して低くないと思う。それでも全く敵う気がしないのは、やっぱり経験の差だと思う。
今はまだパワーレベリング状態だけど、いつかは私もちゃんと戦えるようになりたい。
そんな話をしたら、ルビー母さんが狼系の魔物を狩ってきた。
器用にするすると解体して皮をなめした。肉は多少固いけど短剣でミンチにしてすりつぶして次のスープの種にする。ただ量が多いので、食べきる前に腐りそうだ。
魔物の皮は、数日後にマントに仕上がった。ルビー母さんの糸で作った服も優秀な防具だけど、この皮も中々だ。
鑑定 キラーウルフの皮 防水効果があり、周囲に溶け込む気配隠蔽の効果もある。
大きめに作られているので、サイズ自動調節と温度調節、防御力増大とクリーンを付与した。
付与の為の魔石は、ルビー母さんが沢山ストックしている。
私を預かる前は捨てていたらしいけど、魔石は売ればお金になるのでいずれ使うかもしれないとストックしておいてくれている。
おかげで付与もし放題だ。いずれはマジックバッグ等の魔道具も作りたい。
やっと家畜小屋が出来た。まだ鶏一羽しかいないけど、毎日卵を産んでくれる。道具屋で油を買って、マヨネーズを作った。それを茹でて潰したジャガイモと和えてサラダ風の離乳食を作った。
出来ればマカロニが欲しいけど、贅沢は言えない。
ゲームには無かった椎茸のホダギも売っていた。
これは嬉しい。一定数出荷して次の種が解禁になる。きっと神様が入れてくれたんだろうな。器用だな。どうやってプログラムに介入したのかとか、突っ込み所は満載だけど、とにかくありがたかった。
そして遂に鉄鉱石を手に入れた。勿論魔物は魔法で倒した。思ったよりあっさり倒れたけど、ダンジョン1階の魔物だから弱いのだろう。
拳大の鉄鉱石が数個。これでやっと錬金術を試せる。
錬金術のカテゴリーの中に鍛冶魔法も入っているので、武器を作る道具は要らない。石材や木材が節約できて何よりだ。早くマジックバッグを作りたい。今のままでは、効率が悪すぎる。
とはいえ時空魔法は空間指定しか使い所がないので、レベルが上がりにくい。何を覚えればマジックバッグを作れるようになるかわからないけど、頑張るしかない。
ふと思った。自動で収納される木材置き場と石材置き場に空間指定すれば投げ入れられる?
木の枝や石は毎日勝手に増えるので、少しずつ木材と石材にして次々投げ入れる。力は500超えているので、問題なく届く。
結果として、新たなスキル、投擲と命中を覚えた。
ラッキーだな。魔法の命中精度も上がるだろうし。ただ、空間指定が要らない子になりそうだけど。
鉄鉱石を錬成してインゴットにしておく。鉄は炭素を混ぜると鋼になると何処かで聞いた気がするので、木材を焼いて炭を作り、鉄と合成してみた。
失敗。割合とか決まっているのかな?
錬成と合成を繰り返していたら、魔力が尽きてしまった。
今日はほうれん草のスープだ。海で釣ったサンマも焼いた。
主食が欲しい。
まずは家を改修して、調理台を置かないと。鍋は何とかなったから、オーブンが欲しい。
やっと果物の木の苗が売り出されたので植えたけど、流石に一日では木は大きくならない。
何気なく過ごしているけど、ゲーム内の時間て、一日30分無かったよね?まあ、私にしたらここも現実世界だから、変ではないけど。
もしかしたら作物が大きくなるのが速いのはそのせい?私がいる時は等倍で時間が流れていて、私が出たら数倍になるとか…でもそしたら作物が枯れないのが不思議だし。…まあ、考えてもわからないのは仕方ない。
季節が変わらないのも変だしね。数倍で流れていたら、一カ月が季節一つ分なこの世界は、あっというまに時間が過ぎてしまう筈だし。
やっぱり畑がチートなのかな?




