表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
52/242

江戸時代?

 シャポーの港に着いた。…あれ?日本?江戸時代?

「変わった民族衣装だね」

「そう、だね」

「明日の朝一刻には出航するからな。居なかったら置いて行くぞ!」


 ちょんまげ、腰に差した日本刀。女の人の中には、着物や袴をはいている人もいる。ただ、普通にシャツとズボンやスカートの人もいる。


 黒髪黒瞳の人は稀にしかいない。あ、獣人さんも普通にいるんだ…狐、かな?


 倉庫の影にゲートを開いて、町に出る。どことなく和風な街並み、だけど普通に冒険者風な人もいる。

「ルード、私、武器を見たいな」

 お子様抱っこされているので、私に自由はない。

「ええ?…いいけど」

 マナは自分で作れるじゃないか、という言葉を飲み込んだ。

 

 やっぱりあった!刀だ。武器マニアって訳じゃないけど、ちょっとした憧れがある。

「抜いてみていいですか?」

「あー、怪我するぜ?」

 いや、その前に腕が短くて抜けない!…酷い。

「外国の人は俺らの武器が珍しいって買って行くんだけどよ、手入れが難しいからって後から文句言ってくるんだ。あ、こら!それはだめだ!」

 小太刀を手に取ったマナは、それをすらりと抜く。

「…抜いちまったよ…そいつは爺さんの自信作で、生半可な腕じゃ抜けないんだ。まさかその歳で凄腕の冒険者か?」

「冒険者だよ。おじさん、これ下さい」

「いいけど、高いぞ?」

「何の付与も付いてないし、おまけしてくれるよね?」

「ちっ…鑑定持ちか。いいぜ。そいつは人を選ぶから、抜けた奴にしか売らない事にしてたんだ」


 ギルドカードの残金が少なくなってしまった。でもマナは満足だ。ベルト式の剣帯も買って、腰に装備した。ベルトを切る前にサイズ自動調節を付けてみたけど、私サイズまでは縮まなかった。残念。

「おいおい。職人の魔法まで使うのかよ」

 ベルト穴を開けながら呆れたように呟く店主。


「お兄ちゃん!次はこっち!」

「こら、マナ!走るな!」

「ふふっ、いいお兄ちゃんね」

「ずるいにゃ!ユキはお姉ちゃんになるにゃ!」

(いいなー、人化。僕もしたい)


 食べ物は変わりないかな?あ、団子売ってる!懐かしい。

 うーん。みたらしだけか。

「あんこはないんですか?」

「はい?あんこってなあに?お嬢ちゃん」


 後ろからひょいと持ち上げられた。

「こら、迷子になるだろ?」

「小豆を甘く煮たものだよ」

「うーん?この辺にはない食材だね」

 何と!それじゃあ和菓子もないの?

「次は食材屋ね!」

「はいはい」

「にゃーもマニャを抱っこするにゃ!」

「ユキはもう少し二足歩行に慣れてからな」

「ルードはずるいにゃ!」

「ていうか、私だって一人で歩いていいじゃん。迷子になんてなりようがないんだし」

 つながりがあるから、気配を辿るのも簡単なのだ。

「だーめ!人ごみで見えなくなるから」

「もう私も7歳だよ?いいかげん子供扱いはやめてほしいな」


 次来る時は、ゆっくり見てまわりたいな。

 朝いちで出てしまうので、今日は船で寝る。スカイは嫌がったけど、どうせ亜空間に入ってしまえば一緒だ。


 宿も気になったけど、寝起きの悪いルードを起こす方が憂鬱なのだ。

 反物が気に入ったルビー母さんは、柄は無理だけど、絞り染めのやり方を教えてあげた。


 出航時、魔法使いの人がまだ具合が悪いので、スカイが風魔法を使って出航させた。


 次の南国アズバンまでは長いので、一旦ツリーハウスに戻る。昼食は食材持ち込みの注文形式なので、今日は夕食前に戻ればいい。


 ルビー母さんは、早速絞り染めの実験をしてみるようだ。布の状態から服にする訳ではないので、思い通りの模様が出せる。


 私は農園に入って、いつもの収穫と種まき作業をする。

 米や小麦の値段が下がったおかげで、金策に走らずに済んでいる。

 そういえば、カレーの実は果樹の部類に入るのか、それとも畑か。それすら知らない。

 

 少なくなってきた染色の為の花の種もまいて、農園を出た。

 亜空間からゲーム内に入ったので、ルードは竜に戻って寝ていた。

 ユキはもふもふクッションで丸くなっているが、私が出てくると、ソファの方に来た。


 久しぶりに小説が読みたかったので、サイトを開いた。

 わ、この小説、いつの間にか完結してる!読まないと!

 読んでいたら、ユキに抱っこされて、膝の上に乗せられる。

「重くないの?」

「大丈夫にゃ。気にしないでスマホを見てていいにゃ」

 後ろからすりすりしてきて、嬉しそうだ。まあ、ユキの好きにさせておこう。


 いつの間に起きたのか、ルードが首を上げてこちらをじっと見ている。

 な、何?…うーん。これから先、一人で座れなくなるかもしれない。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ