スカイも活躍?
ツリーハウスに戻っても維持されている事が確認できた。かなり距離はあるはずだけど、凄い!それと、ゲーム内に入っても感覚が維持されている事も確認できた。
ゲーム内では時間の流れが違うから、動いているものがあれば、すごくゆっくりに見えるのかもしれない。
これは後で試してみよう。補助魔法はすごいな。
もしかしたら、ここにも一体置けば旅の間安心かもしれないと思い、ルビー母さんに頼んで、もう一体作ってもらった。
けど、接続はできても維持は難しそうだ。ただ、二体目と一体目を切り替える事は出来る。同時は無理でも切り替え出来るなら、すごく便利かも!
「いいな、その補助魔法。僕も覚えたいけど、どうやるの?」
方法は教えたけど、無理そうだ。補助魔法は個人魔法みたいな所があるから、難しいかもしれない。
使えるのは、視覚と聴覚。それと念話も飛ばせそう?ルビー母さんの人形の出来がいいからか、歩かせる事も出来る。頑張れば、魔法も飛ばせるかもしれない。歩かせる事だって難しいから、練習が必要だな。
あとは、船の方から人形を動かす練習をしてみよう。
「本当に器用ね、マナは」
頭を撫でてくれる手が心地良くて、ルビー母さんにぎゅっと抱きついた。
「あ!にゃーも!」
(僕も!)
ルードも混ざりたそうにしてるけど、我慢しているみたいだ。
「夕ご飯もたべたし、寝よう?」
「お風呂入ってからね」
久しぶりに大きなお風呂にお湯を張った。人化したユキが、そろそろと入ってくる。
「うにゃー、この姿なら、入れるにゃ」
ルビー母さんと、スカイも入ってくる。
「こら鳥!雄は一緒に入っちゃ駄目なんだぞ!」
「いいよ。スカイは水浴びしてるだけだし。あ、ルードは駄目だよ?さすがに恥ずかしいから」
見た目は6歳でも、精神年齢は高い…はず?でも、年齢に引っ張られるのか、今日みたいに甘えたい時もある。
大きい子が拗ねちゃったので、早めに上がった。
亜空間に入ると、みんなそれぞれのお気に入りの寝床に行く。私も毛布を持って竜に戻ったルードの所に行く。
(今日はベッドじゃなかった?)
(だってルード、拗ねるんだもん)
(拗ねてない)
(じゃあ、ベッドに戻っていい?)
(だめ。僕もぎゅってする)
(力強いよー!私がするから)
ルードの手から逃れて、寝そべった首元に腕をまわす。ちょっと鱗が冷たい。
眉間の所を撫でてやると、ルードは気持ち良さそうに目を閉じた。
大きなお子様はやっと機嫌が直ったようだ。私はそのまま、毛布を被ってお腹にもたれかかって目を閉じた。
亜空間移動で船に戻り、朝食を食べる。眷族達は、あまり食べない。
(マナのご飯がいいな)
(美味しいよ?)
(じゃあせめて、マナの水を頂戴)
みんなのコップに水魔法の水を入れてやると、その水で流し込むように食べた。
味は変わらなくても、気持ちは分かる。
「済まない。誰か風魔法を使える人はいるか?魔法使いが、風邪でダウンしてしまった」
そう言いながらも、船長の目はスカイに向いている。サンダーホークが風魔法を使う事は有名なのだ。
「確かAランクの…あんたがテイマーか?」
「テイマーは妹です。風魔法なら、問題ないですよ?」
「助かる!港に着いたら一部返金させて貰うから、頼んだ」
「いいですよ」
マナは、スカイを頭に乗せたまま船長に続く。
「分かるか?あの高い場所から帆に向かって魔法を使ってもらいたい」
(スカイ、お願い)
(分かった)
魔法なら私も使えるけど、あんな高い所に縄梯子で登るのは怖い。かといって、反重力で登るのは目立つから嫌だ。
「また無風になったら頼めるか?」
「いいですよ」
「ありがたい!小さいのに偉いな」
一言余計。
明日にはシャポーの港に着く。どんな所か楽しみだな。




