王都でお買い物
今日は、ゲーム内でゆっくり過ごす事にした。
米や小麦の収穫と、野菜も少し。乾燥された状態で収穫出来るのが有難い。
今日は、おやつ類を作っておこう。
生の果物ならスカイも好きなので、少しはとっておかないと。とはいえ、果物は毎日実るのだが。
ようやくオリハルコンの錬成に成功したので、ルードに剣を作ってあげたい。
あまりにも実力差があるので、武器に頼る必要は無いのかもしれないけど、ルードには前に一度長剣を作ってあげただけなので、私が作ってあげたい。
ゲーム内の戦闘では、なるべく槍を使っている。
森のように狭い所はないし、槍術も使わないと上手くならないだろうから。
ストレッチをしながら、目の前の仮想敵に向かって槍を振るう。
昨日の狩りでも思ったけど、私はまだ弱い。
主なんだから、眷族達を守れる位に強くならないと。
魚の在庫が少なくなってきたので、今日は釣りを中心に行う。どちらかというと川魚の淡泊な味が好きなので、滝のそばのいつもの釣り場で糸を垂らす。
魚で思い出したけど、湖近くのダンジョン攻略もまだだった。
猫獣人に見えるユキには首輪は必要ないかもしれない。
とにかくみんなで堂々とダンジョン攻略出来るので、近いうちに行きたいな。
ルビー母さんが一度人族の町に行ってみたいというので、朝から王都を訪れた。
春になったとはいえ、まだ寒い。ので、急遽作ったマントをユキとルビー母さんに着けてもらう。
ルビー母さんは特に袖が邪魔らしく、ノースリーブのワンピースなので、見た目で目立ってしまうので、仕方ない。
大勢の人に驚いて、塀や建物にも驚く。見る物全てが珍しいようで、完全なお上りさん状態だ。
「お金は私が持っているから、欲しい物があったら言ってね」
洋服は、生地が気に入らないのか、買わなかったけど、ルビー母さんの作るスパイダーシルク以上の生地はないと思う。けどデザインは気になるようで、じっくりと眺めていた。
店員さんが勧めてくるけど、欲しいとは言わない。
「買ってもいいんだよ?母さん」
見かけが私位の子供がいるように見えないから、店員さんが驚いている。
「そうね。このひだの所が気になるから、分解してみたいわ」
店員さんがえーって顔してるけど、こればかりは仕方ない。
プリーツスカートだけを買って、バックに入れた。
店員さんが私達の着ている服がスパイダーシルクで出来ていると気がついて、騒ぎになりかけた。
肌触りも最高で、付与も沢山付けられる。蜘蛛の魔物をテイムしないと手に入らないから、貴重品らしい。売る気はないし、魔の森の素材を売っただけでもかなりの金額になったから、売る必要は全くない。
微妙にお茶を濁しつつ、逃げる事にした。
アクセサリーを売っているお店では、私の頭の上でスカイが興奮していた。私にデザインセンスを求められても困るので、スカイが気にいったデザインを記憶して、店を出た。
同じのを作るのは無理だけど、似たものなら作れるだろう。
ユキには、ふわふわのクッションが売っていたので、本人も気に入ったから買ってあげた。それと、振るとカラカラと音が鳴る木のボール。その辺はやっぱり猫だな。
ルードは特に欲しい物はないそうだ。衣食住に困ってなければ別に要らないようだ。
趣味は寝ること?なので、他に欲しがりそうな物もない。ギルドカードも持っているし、欲しい物があれば自分で買うだろう。
私はやっぱり食料品だ。色々見て回っていると、ふと嗅いだ覚えのある香り。
え?カレー?くんくんしながら探してみると、拳大の実から良い香りがした。
「おじさん、これは?」
「南方の国で採れるカレーの実だよ。溶かしてスープにするんだ」
「!おじさん、まだ沢山ある?」
「輸入品だから、出ているだけだね。通り向こうのお店でも扱っているよ」
「とりあえず2籠下さい!」
(これ、マナには辛いと思うけど?)
(ルードは知っているの?)
(前に行った事があるかな?)
(じゃあ、亜空間は開いてる?)
(どうだったかなー?確か隣の国から船が出てたな。僕が飛んで行ってゲートを開いてもいいけど?)
(どうせなら船に乗りたいな!)
(ええー)
ルードには面倒でも、船旅、してみたいし。
カレーの実か。農園ではまだ育てられないから楽しみ!




