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ユキの特殊進化

 ルードはマナを腕で包み、聖なる癒しを発動する。

 聖なる気配が、大きく膨れ上がり、驚く間もなく人の形を取った。

「やあ。ルビー久しぶりだね。ルードは初めましてだね、サマルトだよ…おや、鳥君は気絶してしまったね」

「さ、サマルト様?」

「うん。マナの看破を見て驚いてね。気配を探ったら巧妙に隠されてはいたけど、いずれは邪神に至る魔物が現れたね」

「じゃあ、さっきのは」

「その手下。とはいえ邪悪な祝福を受けていたから、相当強かっただろう?いきなりあんなのが生まれる訳はないから、どこかから転移してきたのだと思う」

 サマルトは、そっとマナの頭を撫でる。


「それで私たちは何をすればいいですか?まさかそいつを倒せとは言いませんよね?」

「おや、先に言われてしまった。って冗談だから、そう怒らないでよ、ルビー」

 冗談ではない。ユキは死にかけたし、マナは倒れたのだ。


「さて、中の猫ちゃんも大丈夫だろう。この世界を崩壊させる訳にはいかないからね。ドーバに頼んでおいた」

「サマルト様、最後のマナの攻撃は、あなたが?」

「違うよ。マナの力だ。いやぁ、私の娘は優秀だ。あはは。これからも私の娘を頼んだよ」

 サマルトは、来たときと同じように唐突に消えた。

 思わずため息をつく二人。

「緊張したけど、あんな方だなんて」

 年齢不詳、性別不詳、そして軽い。それでも全く敵わない力を感じたし、清冽な魔力も。薄紫色の髪と金の瞳は、マナにそっくりだ。


「ピエッ?!」

 パニック状態のスカイは、辺りをぐるぐると飛び回る。

「落ち着きなさい、スカイ。サマルト様は帰られたわ」

(そうなの?!マナは大丈夫?)

「そろそろ目を覚ますんじゃないかな?」

「んー…?!あれ、魔物は?ルードが倒したの?」

「あれ?覚えてない?マナが倒したんだけど」

「私が?…ユキ、よかった。生きてる。でも血が足りないんだね。そして私も気を失っていたから…ついでに進化もしそうだね。少し時間がかかるかも?」


 うん。多少蜘蛛の巣は破れているけど、ツリーハウスも無事みたい。

「魔力たくさん使ったから、お腹空いた。ご飯たべよう?」

 そんな相変わらずのマナの頭を撫でる。

「じゃあ、今日は母さんが作るから、マナは休んでいて。野菜、貰うわね?」

「自由に使っていいよ。…ね、ルード、魔素水頂戴」

「あれ?もしかしてユキに持っていかれてる?」

「そうみたい。大怪我だったから、ユキにもきっと必要なんだよ」


 ルビー母さんは蜘蛛の巣を張り直したりと忙しく動いていたけど、私達はゆっくりと過ごした。

 サマルト様が来たと聞いてびっくり。スカイは気を失っていたと聞いて納得。ワーウルフとの戦いは、逃げなかったのに。

「じゃあ、もう心配は要らないんだね?」

「戦神様が動いてくれるんだから、心配ないと思う」

「なら、眷族の話は…」

「それはまた別。当分森は落ち着かないだろうし」

 結びつきは強くなるだろうけど、ルードにはメリットは殆どないんだよね。むしろ寿命とか、デメリットしかない気がする。


 数日後に出てきたユキは、大きく変わっていた。


 ユキ(3) マナの眷族


 ケットシーの特殊進化体


 スキル

 ソニックウエーブ 精霊視 光魔法 聖魔法

 闇魔法 暗黒魔法 木魔法 精霊魔法 召喚

 跳躍 結界魔法 空間機動 爪斬撃 縮地

 高速移動 物理耐性 状態異常耐性 索敵

 気配隠蔽 忍び足 人化 偽装 夜目 罠

 絞扼 暗殺術 体術


 凄く強くなってる。そしていつの間に眷族化?それにケットシーって精霊じゃなかった?


 ユキの姿は、二足歩行出来る猫。長靴を履いた猫みたいだ。

 そうして人化すると、人の肌になり、猫獣人みたいになる。身長は、私よりもユキの方が、30センチ位高い。小学校高学年か、中学生位の身長だ。

 ちょっと悔しい。私の方がお姉ちゃんなのに。

 服も必要だな。


 今のユキは、半精霊のような存在らしい。眷族化したのは、私のユキを強く求める心と、大量の魔力。そこにユキの、私を守りたいという気持ちが合わさったらしい。

 何故特殊進化したかは分からないけど、強くなったのだから、問題はない。


 

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