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眷族化のデメリット

 眷族化した事によってルビー母さんは、収納庫の魔法も覚えた。更にはパスを通じて私の収納庫の中身も取り出せる。亜空間も覚えて、自分の亜空間から私の亜空間に来る事もできるようになった。勿論逆もできる。

 次はスカイで試してみる。感覚を深く同調させると、飛んでいるスカイの視覚を得た。

『スキル 鷹の目を得ました』

 もっと深く、強く繋がりたい。翼に炎を纏って魔物を斬る、その感覚は?

『補助魔法 翼を得ました。スキル 高速飛翔、炎斬を覚えました。スカイが眷族になりました』


 魔法で作り出す翼。ちょっと怖いけど、反重力の魔法を同時に使ったら、怖くなくなった。でもそうすると、他に何も出来なくなる。スカイの収納庫とも繋がったけど、容量が小さいから、中のガラクタを出さないと、何も入らない。


 スカイが得たのは…え?キラキラを作る力?…ああ、鍛冶か。本当にそれでいいの?まあ、スカイらしいと言えばらしいけど。


 順番的には次はルードだけど、最後でいいらしい。確かにルードはドラゴンだから、手強そうだ。


 なので、ユキと試してみる。

 だけど、眷族を二人も得たせいか、体が辛い。家族以上の存在、自分の一部にも感じる存在を得た事で、体に負担がかかっているようだ。

(マニャ…ユキは後でいいにゃ。我慢するにゃ。ユキはまだ弱いから、得る物は少ないにゃ)

「ごめん…力不足で。今は眠い」

 

 結局、私が目を覚ましたのは三日後だった。

「大丈夫?これ飲んでみて」

 ルードからコップを受け取り、透明な水分を喉に流し込む。

「ぐほっ…げほっ、げほ…ルード、これもしかしてお酒?」

「そうだよ。今のマナには魔素が足りていないと思って、母様に許可貰って泉から汲んできた」

「子供にお酒は無理だよ…お腹空いた」

 確かに私は、眷族を得て体内の魔素を多量に持っていかれた。魔素には飢えているけど、お酒はないわ。

 魔力感知でお酒を見ると、上質の魔素を多量に含んでいる事が分かった。むしろ魔素そのものといってもいい。

 魔の森に棲息する強い魔物の肉は、多量の魔素を含んでいる。それをとにかく食べまくった。

 胃袋の容量には限界があるので、そうは食べられない。魔力操作で魔素を取り込むけど、大気中からでは効率が悪い。

 パスを維持しているのは魔力なので、直接は関係ないけど、魔力の元になっているのは魔素なので、堂々巡りだ。

「どうして飲まないの?」

「未成年だし、身長が伸びなくなるから嫌!」

「未成年?…子供はだめって事?他の子はお祭りの時とか普通に飲んでいるよ?身長も、むしろマナより大きい位?」

「えっ!…それって私が他の子よりも小さいって事?」

「…少なくとも僕が知っている6歳児よりは?でも個人差もあるし、マナは魔力量が高いから」

「へ?魔力が、成長に関係あるの?」

「魔法使いの人って戦士系よりも身長低い人がほとんどだし、前にパーティー組んでいた人がそんな事言ってた」

「嘘おおっ?」

「何そんな事に拘っているのさ?個人差もあるし、今は成長期じゃないか」

「前に別の世界の話はしたでしょ?…その時も私、小さかったから」

「前も魔力が高かった?」

「前の世界に魔力なんてないし…ただ遺伝で、親の身長が低かった」

「ルビーは大きいよ?」

「…遺伝の意味分かってないよね…血が繋がっていると、顔が似たりするでしょ?」

「そこまで人族の事は分からないよ」

「とにかく、私は大きくなりたいの」

「…まあ確かにこれは強い酒だし、お祭りの時に子供が飲むのは果実酒とかの弱い酒か」

 ルードがあ!と声をもらす。

「補助魔法覚えた。魔素変換だって」

 ルードが空のコップに魔法で水を出す。

「うん。酒じゃない。マナ、はい」

「…あ、本当にお水だ。魔素もたっぷり含まれているし、ルードの魔力の味がする」

「本当に補助魔法って面白いね。正直、何も覚えないんじゃないかと思ってたけど」

「ありがとう、ルード」

 補助魔法は本当に必要にかられないと覚えない物だ。それを私の事で覚えてくれたのはすごく嬉しい。

「魔力も結構使ったりしない?」

「知っていると思うけど、自動回復持っているから平気だよ。はい」

 ルードは空になったマナのコップに魔素水を注ぐ。

「ありがとう、今はこれでいい。また後で貰っていい?」

「うん。魔素が体に行き渡るまで時間もかかると思うし」

「ユキ、体の調子が戻ったら、眷族化試してみるからね?」

(分かったにゃ!でも無理しないでにゃ)


 あれ?でもこの感覚は…もしかして主人が死ぬと眷族も死ぬ?嘘!…私は、やっちゃいけない事をやってしまったんじゃないだろうか?


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