表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/242

ユキの料理と進化したゲームの世界

 今日はユキと立体機動の訓練だ。ユキの空間機動は立体機動の上位スキルらしいので、私も習得できたらいいな。

 空間把握のスキルのおかげで高い場所も怖くない。

 木を足場にして、なるべく高くまで行く。空間把握しているから、着地点も万全で、綺麗に決まる。体操選手みたく両手を上げたら、ユキが褒めてくれた。

 ちょっと恥ずかしい。


 上空に魔物の気配を感じて見上げると、ワシタカが飛んでいた。

 収納庫から短剣を出して昇る。枝を思い切り蹴るけど、届かない?

 何か出来そうな気がして空を蹴る。振り抜いた短剣が、ワシタカを仕留めた。

『スキル 空歩を覚えました』

(何か覚えたにゃ?)

(空歩だよ。空に足場が作れるみたい)

(凄いにゃ!マニャ!)

(ありがとう。この鳥は、後で美味しく頂こうね)

 首を落として蔦で木に縛る。


 ユキが尻尾を器用に使って木を登り、咲いていた花を落としてくれる。

 モナの花は肉の臭みを消してくれる、ハーブの一種だ。農園でも育てているけど、今の季節なら普通に咲いている。

(ユキもお料理したいにゃ)

(じゃあこれで、鶏団子のスープを作ろうか。ユキが肉を細かくしてね)

 肉をこねるのもやりたがったけど、毛が入りそうだ。

 今回は我慢してもらって、何か出来そうな事を考えてみた。


 木の樹脂を薄く伸ばして固め、それをルビー母さんに協力してもらって、ユキ用の手袋を作ってみた。

 ラテックス製の手袋に近いものが出来た。肘まで覆う手袋は、ルビー母さんのおかげで伸縮性に優れていて、簡単には脱げない。

 クッキー用の小麦粉をこねてもらったら、楽しそうにこねていた。

「ユキ、今度一緒にうどんを作ろうね」

(作るにゃ!うどんは大好きにゃ!)

 そういえば、昔飼っていた猫もうどんが好きだった。


 猫はネギがダメらしいけど、ユキに聞いたら大丈夫らしい。

 なので今日はけんちんうどんだ。寒くなってきたから、暖かい物が美味しい。

 ルビー母さんは冬でも自作のタンクトップ一枚だ。ルードも人化した時は、シャツ一枚で、見ている方が寒い。せめて持っているマントを羽織ってほしいと言ったら、寒さは感じないそうだ。


 ユキもスカイも人より体温が高いから、抱っこして寝ると暖かい。

 でもそうすると、拗ねちゃう大きな子がいるので、順番で寝ている。


 亜空間の中はいつでも適温なので寒くない。無機質で薄暗い空間にも家具が増えた。

 その中でも亀の甲羅風呂はお気に入りだ。首を出す所が丁度窪んでいるので、そこに頭を乗せてゆっくりと小説を読みながら寝転んで湯につかる時間が、大好きだ。


 お風呂から上がると、ルードが待ちかねたように尻尾をてしてしと振るう。ベッドから持ち出した毛布にくるまって、少しひんやりとした鱗にもたれかかる。

 絨毯があるから下は柔らかいし、毛布も羊の魔物から作った暖かくて柔らかい物だ。鱗は固いけど、ルードにもたれかかって寝るのは好きだ。


 農園のお店に行ったら、米と小麦の値段が大幅に下がっていた。確かに終盤になっても金策に頑張らなきゃならないゲームじゃないし、大食いのルビー母さんとルードの為に神様がまたプログラムに介入してくれたのかもしれない。

 ゲーム内の時間の流れもまた速くなったので、かなりゆっくりと過ごせる。

 それと、ダンジョン内の魔物を倒すと、ドロップアイテムの他に魔石も落とすようになった。


 ゲームで作るアクセサリーにも付与を施したら買い取り額もアップしたし、これで心おきなく付与の練習が出来る。

 特にリカバリーの付与を付けた指輪は便利で買い取り額も高い。

 これを着けていると疲れにくくなるし、休んでいると、体力の回復が速くなる。

 前世にこんなアイテムがあったらブラック企業が増えそうだな。

 私はこういうアイテムに頼りたくないので使ってないけど、気持ちはわかる。


 おかげで引き篭もり度もアップしたけど、従魔達が淋しがるので、自重はしている。

 ゲーム内だと時間の流れも違うからなのか、念話も通じないけど、存在は感じられるから何かあってもすぐ分かる。

 それは従魔達も同じだと思うけど、姿が見えないのはやっぱり嫌なのだろう。それにスキンシップもできないしね。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ